プレジデント誌の2017年1月30日号では、時給の高い職業や低い職業のランキングが紹介されていた。
例えば、とんでもなく年収が高かったとしても、何十時間も残業した結果であれば時給が高いとは言えない。たとえ年収が低かったとしても、労働時間がめっちゃ短かったら時給が高い。
ワークライフバランスを考えるうえで、大切なのは年収ではなく時給なのだ。
というわけで、職業による時給のランキングを紹介しよう!!
あなたの時給はおいくらですか?時給ランキング!!
この時給ランキングは2014年に厚生労働省が発表した統計をもとに、全129種の職業を精査したもの。
プレジデント誌2017年1月30日号では全129種すべてのランキングが紹介されているので、興味のある方は購入してみてみよう!
ここでは時給の高い職業ベスト10とワースト10だけを紹介したい。
時給が高い職業ベスト10
順位 | 時給が高い職業ベスト10 | 時給 |
1 | 航空機操縦士 | 10,339円 |
2 | 大学教授 | 5,736円 |
3 | 医師 | 5,527円 |
4 | 弁護士 | 4,850円 |
5 | 大学準教授 | 4,368円 |
6 | 大学講師 | 3,733円 |
7 | 記者 | 3,726円 |
8 | 高等学校教員 | 3,568円 |
9 | 歯科医師 | 3,568円 |
10 | 不動産鑑定士 | 3,517円 |
飛行機のパイロットが堂々第1位。きっと飛行機操縦に残業なんてないし、あってはいけない。睡眠不足にならないように健康管理も徹底されているので、意外と労働時間が短いのかもしれない。時給は1時間10,339円。何百人という乗客の命を預かる仕事なわけで、納得の時給だ。
2位には大学教授がランクイン。それ以外にも、大学准教授や大学講師、高校教員などの教育関係職業がランクインしている。きっと私立大学や私立高校の先生なのだろう。少子化がどんどん進んでいるので、今後の教育関係の仕事は厳しくなっていくかもしれない。
3位は医者。歯医者なんかもランクインしている。簡単に医者の年収を計算してみると…時給5,527円×8時間×22日×12カ月=年収約1167万円。すごいけど、もっと稼いでそうなイメージもある。勤務医か開業医かでも随分と違ってくるのだろう。
4位は弁護士。今は「過払い金」という簡単に金儲けできる案件があるけれど、過払い金ブームが去った後では、それほど簡単に金儲けはできないだろう。
時給が低い職業ベスト10
順位 | 時給が低い職業ベスト10 | 時給 |
1 | ミシン縫製工 | 890円 |
2 | 洋裁工 | 932円 |
3 | 調理師見習 | 1,066円 |
4 | 洗たく工 | 1,082円 |
5 | ビル清掃員 | 1,118円 |
6 | スーパー店チェッカー | 1,172円 |
7 | 理容・美容師 | 1,184円 |
8 | 給仕従事者 | 1,239円 |
9 | 警備員 | 1,258円 |
10 | タクシー運転手 | 1,307円 |
ミシン縫製工や洋裁工がもっとも時給に低い職業に。ユニクロをはじめとするファストファッションの大頭が、縫製関係の仕事の時給を下げているのかもしれない。
その他にもランクインしているのが洗たく工やビル清掃員、スーパーのレジ、ウェイターにウエイトレス。専門的な技術や知識がなくてもできる職業が並んでいる。
でも、理容・美容師やタクシー運転手なんかは免許が必要な職業だし、もう少し時給が高くてもいい気がするけど…。
時給を左右する要素
同じ仕事内容でも、テレビ局・電力・ガスなどの既得権益のある企業は、時給が高くなりやすい。
同じ仕事内容でも、小売店や飲食業のように激しい自由競争にさらされている職業は、時給が低くて残業も多く、ブラック企業になりやすい。
同じ仕事内容でも、都会は時給が高くなりやすく、田舎は時給が低くなりやすい。全国の最低賃金をみると、宮崎・沖縄の時給が714円で最低、東京都は932円で一番高い。
同じ仕事内容でも、正社員は時給が高く、バイトは時給が低くなりやすい。
同じ仕事内容でも、男性は時給が高く、女性は時給が低くなりやすい。
時給ランキングを見ると、「能力の高い人=時給も高い」「能力の低い人=時給も安い」と思われがちだけど、実際はそうではない。
個人の能力も重要だけれど、その職種や業界の慣例、景気や市場状況によっても時給はかなり上下する。就職した時のタイミングや、人との出会い、偶然なんかにも大きく左右されるだろう。
自分の時給を意識すると人生が変わる!!
バファリンの半分は”優しさ”で出来ているが、人生のほとんどは”時間”でできている。
仕事とは、大切な人生を切り売りしてお金を得ること。もちろん得られるのはお金だけではないけれど。
「自分の人生における1時間の価値」を知っておくのは、有意義な人生を送るためのひとつの指針になるだろう。そしてそれには、自分の仕事の報酬を基準にするのが一番わかりやすい。
例えば、時給1000円の人間がいたとする。
彼はAというスーパーで牛乳を買おうとしたが、すぐ近くのBというスーパーでは20円も安く買えることがわかった。
彼はBというスーパーまで買いに行くべきか?
彼の時給は1000円だから、1000円÷60分=16.6円。つまり彼の1分は約17円の価値がある。もしBというスーパーへの移動時間が1分以上かかる場合は、Bに牛乳を買いに行くとトータル的に見て”損失”ということになる。
例えば、時給が2万円の経営者がいたとする。
彼は一人暮らしで、忙しい中でも時間を見つけて部屋の掃除や洗濯を自分でやっていた。
個人的には好感が持てるが、これはこれは明らかな”損失”だ。
時給3000円で家政婦を雇って、家事のすべてを任せ、空いた時間に仕事をした方が、トータル的には”利益”になるだろう。
「おまえ、30分遅刻だぞ!おれにとっちゃあ380円の損失だ!どーしてくれんだよっ!!牛丼おごれよな!!!」
なんて、きっちりかっちり自分の時給を意識して生きるのは堅苦しいし、周りも迷惑。トータル的に見れば、逆に幸せは遠のいてしまうだろう。
だけど自分の時間の価値を意識すること自体は、無駄な行動を省いて有意義な人生を生きるための指針になるのではないだろうか。