2016年8月3日からアマゾンの定額読み放題サービスが開始された。正式名称は「kindle unlimited」(キンドル・アンリミテッド)
月額980円で12万冊以上の本・コミック・雑誌が好きな時に好きなだけ読めるという素敵なサービス。
実はけっこうこのサービスを楽しみにしていて、本好きとしてさっそく使ってみた。
マンガ喫茶に人が来なくなり潰れるんじゃないか?
ますます、街の本屋さんが危機的状況になるんじゃないか?
そんな風に危惧されているが、実際に使ってみるとそんなことはまったく心配する必要がないことが分かった。
このアマゾンの定額読み放題サービスは、本と自分たちの関係を少しだけ変化させてしまう可能性を感じたのだ。
なぜマンガ喫茶や本屋さんが潰れないのか?
アマゾン読み放題サービスのオススメな使い方について考えてみよう。
アマゾンの定額読み放題サービスのメリットとデメリット
アマゾン読み放題サービスのサービスが開始され、さっそく使ってみた。
読み放題対象の本であればキンドルにダウンロードして気軽に読める。もしキンドルを持っていなくてもパソコン上で読むこともできるし、ウインドウズにキンドル・アプリをインストールして読むこともできる。
アンドロイドやiOSにキンドル・アプリをインストールして読むことも可能だ。
ここらへんの使い勝手は抜群にいいと感じた。
では、12万冊以上が読み放題の対象ということだが、品揃えの方はどうなのだろう?
マンガの品揃えは?
今までも「マンガ読み放題サービス」は存在したけれど、その内容はとても褒められるようなものではなかった。
まず、読めるマンガ自体が少ない。
それに読み放題で読める漫画は古いものが多く、最新の漫画は全く対象ではない。
どんなにたくさんの漫画が読めたとしても、読みたいと思う漫画がなかったら無意味だ。
では、アマゾン読み放題サービスではどうなのだろうか?
とりあえずは少年ジャンプの漫画を見れば大体わかるであろうと思い検索してみた。
すると、なんといきなり木多康昭の不条理ギャグマンガ「幕張」が!
少年ジャンプに連載されていた漫画で、自分の知っている作品は以下のものであった。
- 幕張
- ハイスクール!奇面組
- ボクはしたたか君
- 燃える!お兄さん
不遇の連載終了を迎えた「ボクはしたたか君」を今また読めるとは!!
これはこれで嬉しいんだけど、ラインナップ事体はまったく充実していない!!
進撃の巨人で検索すると、その考察本は何冊も無料で読めるけど、漫画自体は読めなかった。
つまり、漫画は既存のマンガ読み放題サービスとあんまり大差ない内容と言って良さそうだ。
このことから、アマゾン読み放題サービスはマンガ喫茶の圧倒的な品揃えに敵うはずもなく、このサービスがマンガ喫茶を淘汰することはないだろう。今のところは…。
小説はどう?
好きな作家のラインナップをとりあえず確認してみた。
貴志祐介、恩田陸、村上春樹、伊坂幸太郎、浅田次郎、東野圭吾、奥田英郎、荻原浩などなど…
適当に探してみたのだけれど、ほとんどの作品が読み放題サービスの対象外であった。
マンガと同じで最新作や面白そうな作品を探して読むのはかなりしんどそうだ。
小説も読みたいものがあるなら、実際に本屋さんで買うほうがいいだろう。アマゾン読み放題サービスが街の本屋さんを駆逐することはなさそうだ。
マンガ喫茶や本屋さんとは住み分けができている
漫画のラインナップをみても、マンガ喫茶のほうがはるかに充実している。もしガッツリと漫画を読みたいなら、アマゾン読み放題サービスではなくマンガ喫茶のほうがおすすめだ。
また、アマゾン読み放題サービスには本屋さんに並ぶような新刊の小説はほとんどない。あるのはもう店頭に並んでいないような本ばかりだ。
新しい本や最新の情報に触れたい場合は本屋さんに行くべきだし、廃版で手に入らない本やひと昔前の本であればアマゾン読み放題サービスを探してみるのもいいだろう。
アマゾン読み放題サービスとマンガ喫茶や書店は競合するとこはない。
しかしマンガや小説の品揃えがイマイチだとするなら、アマゾン読み放題サービスの強みとは何なのだろうか?
アマゾン読み放題サービスおすすめの使い方
アマゾン読み放題サービスは漫画や小説よりも「実用書」を読むのに適している印象を受けた。
自分の興味のあるジャンルや、勉強したいジャンルについて検索することで、自分の知らない幅広い書籍と出会うことができる。
たとえば「心理学」と検索すると、いきなりゆうきゆうの面白そうな本が出てくるし、アドラー心理学関係の本も無料で読める。
「哲学」で検索してもなかなか読み応えのある本がたくさん出てくるし、哲学本のベストセラーである「ソフィーの世界」も読み放題サービスの対象だ。
「ダイエット」で検索したら、たっくさんの○○ダイエットの本が出てくるし、「猫の飼い方」でも数冊の本がヒットする。
「プラモデル」で検索したら、月間ミニヨン技術という雑誌も読み放題。なんとまあ、ミニ四駆の専門雑誌らしい。そんなのがあったなんて全く知らなかった…。
このようにアマゾンの読み放題サービスは「読みたい本を検索して読み放題の対象ではなくてガッカリする」のではなく、「興味のあるジャンルを検索して知識を広げる」ために使うのが有効だろう。
グーグル検索で知りたい情報を探す感じで、知りたい情報が乗っている本を探すのだ。
そしてその本の自分が知りたい箇所だけをピックアップして読む。10万冊以上も読めるはずもないし、これがアマゾン読み放題サービスのベストな使い方だろう。
グーグル検索→情報をシンプルに簡潔に知りたいときに使う。
アマゾン読み放題サービス→情報を深く専門的に知りたいときに使う。
アマゾン読み放題サービスと競合するのは、マンガ喫茶や本屋ではなく、グーグル検索やネット上の情報サイトなのかもしれない!!
…まだ1日しか使ってないけど。
*こちらのページで読み放題対象の本を検索できるよ!!→Kindle Unlimited:読み放題ストア