イギリスのデイリーメールで「安眠のためのオススメの11種類の食材」が紹介されていた。
紹介してくれたのは、リック・ヘイというアンチエイジングとフィットネスを専門とする栄養士。
その記事で紹介された11の食材の中には、日本ではなかなかお目にかかることができないヘンテコな食材も含まれていた。
科学的にも証明されているという、”睡眠を助ける食材”とはなんなのだろうか??
安眠と快眠のための11の食材とは?
日本人は世界的に見ても睡眠時間が短い。
しかも国民健康・栄養調査によると、十分に睡眠がとれていない人が全体の2割くらいいるという。
さらに日本人全体の3~4割くらいが「何らかの睡眠に関する悩み」を持っているともいわれている。
眠りたくても眠れない人も、眠っているのに熟睡感が得られない人も、デイリーメールで紹介された安眠効果のある食材を食べれば、睡眠の質が上がって安眠できるかもしれない。
その11の食材を順番に紹介したい。
参照元:Struggling to sleep? These 11 foods have been scientifically proven to help you nod off(デイリーメール)
緑茶・紅茶・抹茶・白茶
緑茶・紅茶・抹茶・白茶などのお茶にはL-テアニンというアミノ酸が豊富に含まれている。
L-テアニンは、別名「リラクゼーション・アミノ酸」とも呼ばれていて、不安を軽減し、睡眠の質を向上させる効果がある。
ADHA(注意欠陥多動性障害)の少年98人に、L-テアニンのサプリメントを朝と放課後の1日2回、合計400ml摂取してもらった。すると、2週間でDHADが原因の睡眠障害が有意に改善されたという。
ちなみにADHDと睡眠障害は密接な関係があるといわれている。ADHDの子どもの7~8割は、ADHDが原因の睡眠障害も抱えている。メラトニンなどの睡眠に関するホルモンの分泌タイミングが通常よりも遅くなるからだという。
睡眠の質が悪くなると、生活のリズムが乱れ、脳も疲れやすく、体内ホルモンの分泌も乱れる。それがADHDを悪化させる。ADHDと睡眠障害は、相互に悪影響を与えあっているわけだ。
もしADHDと不眠で悩んでいたとしたら、L-テアニンを積極的に摂ることで睡眠の質が改善されるかもしれない。
また、大人でもL-テアニンを摂取すると脳のアルファ波が多くなり、リラックス状態になることが判明している。
お茶にはL-テアニンが含まれているけど、同時に覚醒作用のあるカフェインも多いので、寝る前にはリラックスする程度の量を飲もう。飲みすぎると逆に目が覚めてしまうかもしれない。
カフェインが気になるのならL-テアニンの含まれたサプリメントを使うのも有効だ。
カモミール
カモミール・ティーにはすごい安眠効果があることが知られている。
それはカモミールに含まれる「アピ二ゲン」と呼ばれるフラボノイドのおかげ。アピニゲンは抗不安作用のある脳内伝達物質GABAを増加させる効果がある。
10人の心臓病患者がカモミール・ティーを飲んだ後に睡眠の質が良くなったという研究結果や、睡眠障害のラットですらカモミールで安眠させることができたという。
カモミールティーであればカフェインは入ってないので、眠る前のくつろぎタイムにオススメだ。
シナモン
シナモンには血糖値を下げる効果がある。二型糖尿病患者の血糖値も、シナモンを摂取することで下げることができるという研究もある。
血糖値を下げることと安眠、一見関係なさそうだけど、実はこの2つは密接な関りを持っている。
睡眠中に血糖値が高いと安眠できなくなり、夜中に何度も目が覚めてしまうのだ。
糖尿病患者の多くは、同時に不眠症も抱えている。それは、睡眠中の高血糖が安眠の邪魔をしているからだと考えられている。
糖尿病でもそうでなくても、日常的にシナモンを摂取することで血糖値が安定し、睡眠の質も上がるのではないだろうか。
オススメ記事:シナモン(桂皮)のタイツー活性化作用と薄毛・シミ・シワの改善効果がある飲み物とは?
生姜
生姜は胃の収縮を助けるジンジャールと呼ばれる成分が含まれていて、胃の働きをサポートしてくれる。
また、生姜やフルーツを含んだハーブティーには不眠症患者が眠りにつくまでの時間を短縮する効果があるという。
2010年の研究では生姜が脳のセロトニン受容体と結合することで、精神安定作用を発揮する可能性があることがわかった。
夕食のあとに生姜を含んだティーを飲めば、消化吸収を助け、入眠までの時間も短縮してくれるだろう。
甘草(カンゾウ)
甘草(カンゾウ)は、その名前の通り甘い味のする植物で、漢方薬としてもよく使われている。
イギリスでは甘草の一種である「リコリス」(スペインカンゾウ)が食用として親しまれているようだ。
リコリスは古くから、うつ病や不安に効く薬草として使われてきた。2012年の研究によると、肝臓に含まれる「ガブロール」というフラボノイドが脳のGABAレベルを上げる作用があり、それにより精神安定と安眠作用があることがわかったという。
パッションフルーツ
パッションフルーツも古くから神経を落ち着かせる作用を持っていることが知られていて、伝統的に使用されている。
その秘密はパッションフルーツに含まれている「ハーマン」という化合物。
ハーマンには催眠と鎮痛作用をもっていて、睡眠の質を高めてくれるという。
そういえば、友人が自宅で栽培しているパッションフルーツの実がたくさん生ったということで、少量を頂いたことがある。
甘酸っぱくて、種まで食べられて、めっちゃ美味しかった。
自宅で栽培した、といっても普通の集合住宅のベランダ。
それほど場所を取らずに栽培できるらしいので、ガーデニングに興味があるのならパッションフルーツを育ててみるのもいいかもしれない。
収穫時期はず~っと安眠できるかも!?
ルクマ
ルクマは南米はペルーで一般的に食べられているフルーツ。
栄養豊富で抗酸化物質もたくさん含んでいるスーパーフードだ。食べても血糖値が上がりにくい、低GI食品としてダイエットでも活用されている。
血糖値が高いと、質の良い睡眠の妨げになる。クルマは血糖値を上げにくいので、安眠効果があるというわけだ。
逆に言えば眠る前に高GI食品、つまりご飯やパン、砂糖たっぷりのジュースやお菓子なんかを食べると安眠の妨げになるので気をつけよう。
レモン・ライム・オレンジ
ここで一気に3種類の食材を紹介。
レモン・ライム・オレンジにはビタミンCが豊富に含まれている。
ビタミンCは免疫力を上げるのと共に、副腎の機能をサポートする効果がある。
副腎の機能が正常に働くと、不眠症の原因となる不安やストレスを減少させる効果がある。
バオバブ
バオバブはビタミンC、ビタミンB群、カリウムなどの栄養が豊富な食材。
ビタミンCはもちろん、ビタミンB、カリウムも不眠症の改善に効果のある栄養素。
2015年の研究によると、カリウムは睡眠のサイクルを整える効果があるという。
でも、バオバブって食べる文化があるのだろうか?
食べても美味しくなさそう…。
調べてみると、バオバブの実をパウダー状にしたものがAmazonで食用として販売されていた。
バオバブフルーツパウダーはドレッシングに加えたり、スムージーやお菓子作りにも使えたりする、栄養豊富な”スーパーフルーツ”らしい。健康に敏感なハリウッドのセレブも愛用しているとかしてないとか。
バオバブを日本で栽培して食べるのは難しいので、どうしても食べたいのならバオバブフルーツパウダーを使った方がいいだろう。
安眠のための11の食材まとめ
では最後に、安眠効果のある11の食材をまとめて紹介しよう。
- お茶(緑茶・紅茶・抹茶・白茶)
- カモミール
- シナモン
- 生姜
- 甘草
- パッションフルーツ
- ルクマ
- レモン
- ライム
- オレンジ
- バオバブ
これはイギリス人の栄養士が紹介した食材であり、日本ではあまりなじみのないものも含まれている。
だけど、お茶やショウガ、柑橘類であれば、日常的に手軽に食べられるだろう。
もし長年不眠症に悩んでいたとしたら、食生活にこれらの食材を加えることで安眠を手に入れることができるかもしれないよ!!