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5度地球を襲った大量絶滅「ビッグファイブ」とは?忍び寄る6度目の大量絶滅の恐るべき原因!!

2015年9月23日

以前、国立科学博物館で開催された「生命大躍進展」に行ってきたことがある。

そこでは生命の誕生の秘密、太古の生物の化石や模型、現在の生命に至るまでのさまざまな進化の過程などがわかりやすく解説されていた。

 

そんな中でも、もっとも興味をひかれたのが、地球を何度も襲った大量絶滅だ。

 

地球上の生物は現在までに5度の大量絶滅、別名ビッグファイブを経験しているという。

有名な白亜紀の恐竜絶滅は、このビッグファイブの5度目の大量絶滅なのだ。

 

ビッグファイブに至った絶滅の理由とは何なのだろうか?

そして現在始りつつある、6度目の大量絶滅の原因とは??

地球を繰り返し襲う大量絶滅!!

地球が誕生したのは今から46億年前のこと。

そして、最初の原始的な生物が地球上に誕生したのは約40億年前と言われている。

実は生命誕生のきっかけは、まだ正確には判明していない。

「生命の元となる物質が隕石で運ばれてきた説」や「海底の熱水噴出孔で発生した説」などが有力とされている。

 

最初の生命はすごくシンプルな構造の単細胞生物であったが、何億年という時間の中で多細胞生物になり、複雑な仕組みをもつ動物に進化してきた。

長い時間をかけて進化し、地球上には様々な種類の動植物で栄えていたわけだが、そんな生物たちを絶滅に追い込むような大事件が何度も起こっているという。

 

その規模の大きな絶滅、通称「ビックファイブ」について簡単に説明しよう。

あのマロカリス

*展示されていたカンブリア紀最強の生物「アノマロカリス」の模型。

最初の大量絶滅「オルドビス末期」

地球史上最初の生命大量絶滅は、今から約4億4千年前の「オルドビス紀」に発生した。

この絶滅で地球上の生物の85%が死に絶えたという。

絶滅の原因については未だに不明だが、ガンマ腺バースト説というものが有力視されている。

太陽系に存在する恒星が崩壊する際に、強力なガンマ線が発生する。そのガンマ線を地球がダイレクトに受けたために、地球の環境が変化し、生命も死に絶えたというのだ。

恐ろしい…。

2度目の大量絶滅「デボン紀後期」

2度目の大量絶滅は、今から約3億7千万年前のデボン紀後期に発生した。

この絶滅の特徴は海洋生物のみに起きたという事。

しかしながら、この絶滅で地球上の生物の82%が死に絶えたという。

何らかの理由で海水中の酸素が無くなってしまう「海洋無酸素事変」が原因と考えられている。

3度目の大量絶滅「ペルム紀末」

3度目の大量絶滅は、今から約2億5800万~2億5100万年前のペルム紀末期に発生した。

ペルム紀の大量絶滅は短期間に2度発生したと考えられている。

このぺルム紀に発生したふたつの大量絶滅が、地球史上最大規模の絶滅とされ、地球上の生物の実に96%が死に絶えたという。

 

その原因は謎に包まれているが、有力なのが巨大プルーム説

 

この時期の地球はパンゲア大陸という超大陸が一つだけ存在していたが、急激な地殻変動により大陸そのものが分断され、移動し始めた。

その影響で膨大な大陸プレートの沈み込みが発生し、マントルに大規模な影響を与えていたという。

そうして地球の内部、マントルを流れるマグマが地球上に溢れ出し、超大規模な火山噴火が発生!

それはまさに天変地異で、上空にまで舞い上がった火山灰は日光を何年も遮断し続け、生態系を崩壊させたという。

 

当時の岩石を調べると、ペルム紀前半は比較的安定していたものの、後半では何度も地軸反転(ポールシフト)が起きていたことがわかっている。

地球内部の構造変化の影響だろう。地磁気そのものがほとんどなくなってしまっていた可能性もある。

 

また、一説にはこの時期に巨大隕石の跡があり、これが大量絶滅の原因ではないかとも言われている。

関連記事:もうすぐ地磁気反転が発生!?北極と南極の磁場が逆転するポールシフトが地球を襲う可能性と人類への影響について。

4度目の大量絶滅「三畳紀末」

4度目の大量絶滅は、今から2憶1千万年前の三畳紀末に発生した。

地球上の生物の76%が死に絶えたという。

この絶滅についても様々な説があるが、有力なのが隕石衝突説

カナダにこの時期の巨大隕石衝突跡があり、これが大量絶滅のきっかけになったと言われている。

5度目の大量絶滅「白亜紀」

絶滅といえばコレ!恐竜が絶滅した白亜紀の大量絶滅。

5度目の大量絶滅で、今から6550万年前に発生した。

恐竜を始めとして、地球上の実に70%の生物が息絶えたという。

その理由はユカタン半島に落ちた巨大隕石。その爆発と衝撃で、地球の気候が一変。食物が枯れ果て、それを食べる草食恐竜が死に絶え、それを食べる肉食恐竜が死に絶えたと言われている。

じつは、5度目の絶滅の理由は隕石ではなく、世界規模の火山活動が原因という説もある。しかし最新の研究によると、巨大隕石と同時期に地球の火山活動が活発化していることが判明した。隕石と火山の両方が、この絶滅の原因になっているようだ。

現在の地球を襲う”6度目の大量絶滅”の原因とは?

これまで様々な理由で絶滅を繰り返してきた地球の生物。

その度に生態系はリセットされ、新しい環境に適合した新種の生物が栄えてきた。

 

最後の絶滅から6500万年以上が経過し、人間が大繁殖している現在、この地球は「6度目の大量絶滅の途中」であるという説がある。

驚くべきことに生物学者の7割が、この説を支持しているというのだ。

 

その原因は…人間だ。

 

専門家によると、人間の活動によって地球の動物たちは絶滅の危機に瀕しており、生命多様性の回復には何百万年もの途方もない時間が必要なようだ。

地球は今、哺乳類の大量絶滅の危機に瀕している。これは地球の歴史上で、6回目の大量絶滅となるが、これまでの5回と違うのは、それが人間の活動によって引き起こされつつあることだ。

生物学者たちの研究によると、人類が哺乳類の保護に力を入れない限り、今後50年で大量の哺乳類が絶滅し、現在のレベルまで回復するには300〜500万年もかかるという。

参照元:人類が加速させる哺乳類たちの絶滅、回復には300万年が必要(フォーブス)

人間が世界の隅々までその居住地を増やし、大いに栄えた陰で、どれだけの生命が絶滅したのだろうか?

その絶滅スピードはとんでもないペースで増加している。

そう考えてみると、確かに大量絶滅の途中という説も頷けるものがある。

 

過去地球を襲った5度の大量絶滅は、何らかの天変地異が起きてあっという間にみんな死んでしまった…という状況ではなく、何百年という時間をかけて徐々に絶滅していったとされている。

確かに現在の地球は、徐々に人間以外の生物が排斥されていて、6度目の大量絶滅の始まりと見えなくもない。

 

今まで5度の絶滅は何らかの自然現象の結果だ。

しかし将来訪れる(現在訪れている?)地球史上6度目の大量絶滅の原因は「人間」である可能性が高い。

さらに問題なのは、この6度目の絶滅は一過性の天変地異などが原因ではないため、人間が滅びない限り終わりがないということ。

 

我々は巨大隕石や大地震などの天変地異におびえる前に、地球との接し方を変える必要があるのかもしれない。

今、なぜか昆虫が凄まじいスピードで絶滅に向かって突き進んでいる…

このほど学術誌『Biological Conservation』に発表された論文は、すべての昆虫種のうち40%が減少していて、今後数十年で絶滅する可能性があることを示し、大きなニュースになった。

参照元:世界の昆虫種の40%が減少、数十年で絶滅の可能性

いま、世界的に昆虫の減少が進んでいるという。

もし果物や野菜の受粉をおこなうミツバチが絶滅しただけでも、人類は深刻な食糧難に襲われるといわれている。

 

世界レベルで昆虫が絶滅の危機に瀕している原因は、森林伐採や農地開発、人間の居住地の拡大、地球温暖化による気候変動などと考えられている。

昆虫が少なくなると、それを捕食していた小動物や鳥たちも姿を消す。するとそれを食べていた大型動物も死に絶える。そうなったら、もちろん人間だって絶滅だ。

万が一、昆虫が絶滅したとしたら、人類もすぐ後を追うように絶滅するだろう。

 

昆虫の急激な減少は「6度目の大量絶滅」の明らかな兆候なのではないだろうか!?

追記:過去の大量絶滅は5回ではなく6回だった!?

今までは地球を襲った大量絶滅が5かいと考えられてきたけれど、「大量絶滅は6回かもしれない」という研究結果が発表された。

新しく発見された大量絶滅は、ペルム紀末の3度目の大量絶滅の直前に発生していたとか。

ペルム紀末の絶滅から800万年前、ペルム紀グアダルピアン世の終わりにも大量絶滅が発生していた。

期間が短かったために混同されがちだったけれど、グアダルピアン世の研究が進んだ結果、それぞれが独立した大量絶滅であることがわかってきた。

この大量絶滅も、他の事態と同じくらいの規模で、地球上の生命のほとんどが絶滅の危機に瀕したとか。

絶滅の原因は海底火山の大噴火。

溶岩の噴出は10万年も続いたとか。

う~ん、恐ろしい!

これによって地球の気候が大変動し、海洋生物の60%が絶滅した。

これから更に技術が発達すれば、もっと詳細が判明するかもしれないね。

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