電子タバコは普通のタバコよりも臭くないし、健康への悪影響も低いということで人気を集めている。
アメトーーク!の「アイコス芸人」が放送されたことで認知度が広がり、多くの喫煙者が電子タバコへと移行しただろう。
電子タバコは吸った感じもまろやかだし、吐く煙も水蒸気のよう。そのため、なんとなく健康に悪くない気がするけど…
最新の研究によると、電子タバコを吸うこともやっぱりめちゃくちゃ身体に悪影響を及ぼすことがわかった。
電子タバコの副流煙は透明で臭くないけど、やっぱりたくさんの有害物質が含まれている。
今回は電子タバコの害悪や受動喫煙の危険性について紹介したい。
電子タバコに5種類の発がん物質が!!
カリフォルニア大学の研究チームは、電子たばこを吸ったことのある13~18歳の子どもの唾液と尿を調べた。
その結果、電子たばこを吸った子どもから検出されたベンゼン、エチレンオキシド、アクリロニトリル、アクロレインおよびアクリルアミドの値は、吸わなかった子どもに比べて大幅に高いことが判明。たばこを吸っている子どもの場合は、さらに高い値が検出された。
参照元:電子たばこの蒸気を吸引、尿から5種類の発がん物質 米研究(CNN)
なんと、電子タバコを吸っている青少年の尿から、5種類の発がん物質が見つかったとのこと。
見つかった5種類の発がん物質の危険性について、簡単に説明しよう。
- ベンゼン→WHOの下部機関IARCより「発がん性がある」と勧告されている
- エチレンオキシ→実験動物で発がん性が認められているが、人間での発がん性についてはエビデンスがない(だけどかなりヤバい物質であるのは確か)
- アクリロニトリル→特に肺がんのリスクが上がるという研究結果があるものの、がんとの関連性はないとする真逆の研究結果もあり、その関連性は未だに明確になっていない。
- アクロレイン→アメリカ合衆国環境保護庁は「ヒト発がん性があるかもしれない物質」と評価している。
- アクリルアミド→FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が「発がん性や神経影響の懸念がある」と評価している。
電子タバコを吸うと、これらの発がん物質が体内に取り込まれる。それによってがんのリスクが上昇するだろう。
また、毎日電子タバコを吸うことで心臓発作のリスクも格段に上昇するという。
おすすめ記事:高温加熱で発がん性物質が発生!危険なアクリルアミドを減らす料理法の5つのコツ。
電子タバコに変えたからといって健康的ではない!!
電子タバコは火を使わずタールが発生しないし、いろんな発がん性物質が普通のタバコよりも少ないといわれている。
そういった情報を信じて”健康のために”普通のタバコから電子タバコに移行した人も多いだろう。
でも、その考え方は間違っているかもしれない。
2018年1月にFDA(アメリカ食品医薬品局)の諮問委員会が電子タバコの安全性について、アイコスを販売するフィリップモリス社に「NO!!」を叩きつけたからだ。
米食品医薬品局(FDA)のたばこ製品科学的諮問委員会は25日、加熱式たばこが従来の紙巻きたばこに比べ、たばこ関連の疾病リスクを低減できる十分な証拠は得られなかったと指摘した。加熱式たばこで巻き返しを図りたいたばこ業界には打撃となった。
参照元:加熱式たばこIQOSの販売、米FDA諮問委は否定的 業界に打撃(ウォールストリートジャーナル)
普通のタバコからアイコスに切り替えても、健康被害のリスクは減らない。
諮問委員会の専門家がいろんな項目を検証し、そう結論付けたわけだ。
だとしたら、電子タバコを吸う若者の尿から発がん性物質が検出されたのも納得がいく。
電子タバコの受動喫煙も危険!!
電子タバコが普通のタバコに比べて特に安全というわけではないといしたら、当然、吐き出される「副流煙」にも危険な物質はたくさん含まれていることになる。
電子タバコの副流煙は水蒸気のようで見えにくく、しかも臭いもそれほど気にならない。
しかしながら、目に見えにくい”粒子状”の化学物質を大量にまき散らしている。
何メートルも遠くにいる喫煙者が吐き出す煙に「臭っ!!」と思ったことはあるかもしれないけれど、何メートルも遠くにいる電子タバコの煙に気付くのは至難だろう。気づかないかもしれないけど、粒子状の有害物質は確実に私たちの体内に侵入している。
電子タバコの副流煙は普通のタバコに比べて、ニッケルやクロムなどの重金属濃度が高く、アセトアルデヒド、フォルムアルデヒド、ニコチンの含有量も通常の大気よりもはるかに高い濃度で含まれているという。
「電子タバコだから大丈夫でしょ」
と、安易に子どもや妊婦の前で電子タバコを吸うのは控えた方がいいだろう。
電子タバコを吸ってみた感想
私は普段まったく煙草を吸わないけれど、以前、友人の電子タバコのアイコスを吸わせてもらったことがある。
吸ってみると、脳や指先に軽い痺れを感じるくらいの、ガッツリとしたニコチン摂取感が得られた。
それでありながら、煙が臭くなく、喉への負担も少なく感じた。煙なんてちょっと甘いフレーバーで、むしろ良いニオイと感じたくらいだ。
電子タバコは普通のタバコよりも遥かに吸いやすい!!
気分的には普通のタバコの方が美味しい気がするけど、ニコチンを摂取するだけなら十分だろう。
でも、だからこそ危険だ。
臭いが気にならず、手軽に吸えるので、吸う数本数が増えてしまう危険性がある。
普通のタバコであれば、臭い副流煙にすぐ気づいてその場を離れられるけど、電子タバコの副流煙は水蒸気っぽくて臭いがないため、周りの人たちが知らずに吸ってしまう危険性もあるだろう。
電子タバコならではもリスクが、そこにはある。
とにかく「電子タバコだから大丈夫」という意識は捨てた方が良さそうだ。
煙草は嗜好品なので、喫煙者に「吸うな!!」とは言えないけど…
「電子タバコだから安全」という言い訳はまったく通用しない。
電子タバコも普通のタバコも、その健康被害はほぼ同じ。喫煙マナーをしっかりと守って楽しむ必要があるだろう!!
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