精神と心理 自己啓発

怒りの感情を抑えるには”見える化”よりも”値段化”がオススメというお話。

2017年9月12日

電車が遅延しただけで駅員さんにブチ切れてるおじさんや、対応が少し気に食わなかっただけで店員さんに土下座させるほど怒り狂うおばさん、いますよねぇ…。

なにか不快なことをされたら怒るってのはしょうがないけれど、いつでもプリプリ怒っていたり、ちょっとしたことでブチ切れたりする人間とは友達になりたくないし、お近づきにもなりたくないもの。

それは自分自身にも言えることで、ちょっとしたことで凄まじい怒りを感じてしまうと、とっても生きづらい。

怒りをうまくコントロールできないと、友達だっていなくなるし、仕事だって上手くいかなくなるし、家族とも仲が悪くなるし、誰も相手にしてくれなくなっちゃう。

そんなわけで、最近は「アンガーマネジメント」という心理療法が流行っている。心理学的なアプローチで、自分の中にある怒りを管理しようという試みだ。

アンガーマネジメントにおける有効な方法のひとつに、アンガーログやアンガージャーナルをつけるというやり方がある。

これは怒りを文字にして日記のように記録する方法のことで、文字に起こすことで自分の怒りを客観的に見ることができ、コントロールしやすくなるという。

確かにアンガーログのように自分の怒りを”見える化”するのは有効だろうけど、今回はそれよりも簡単で効果的な”怒りの値段化”について紹介したい。

怒りは見える化するとコントロールしやすくなる

自分自身の感情を理解することは、自分の怒りに対処する方法を学ぶ上で重要である。実際に自分の負の感情を「アンガー・ジャーナル」に書きとめた子どもたちは、自分の感情をより良く理解できるようになり、攻撃性が徐々に低下した。

参照元:アンガーマネジメント(wikipedia)

何らかの出来事に怒りを感じたとき、それを悶々と考え続けていると怒りの感情は増幅されてしまう。

それよりも、何らかの形で外に吐き出した方が、怒りの感情はなくなっていく。

怒りの対象に自分の怒りをぶちまけるというのが、一番最悪の方法だろう。それを繰り返すと、いろんな意味でデメリットが多い。

例えば友人に「このまえこんなことが起きて、すっげ~ムカついたよ~!!」なんて、話を聞いてもらうというのも、怒りを吐き出すことに繋がるので有効だ。

また、怒りの感情を紙に書くというのも有効。

これは「アンカー・ジャーナル」と呼ばれる手法で、怒りを文章という形で外に吐き出すことである程度はスッキリするし、自分の怒りを”見える化”することで、自分の怒りを理解できる。自分が何に怒っているのか、どうして怒っているのかを正確に理解するだけでも、ずいぶんと怒りはコントロールしやすくなる。

 

このように、「怒りを外に吐き出す」「怒りを見える化する」という方法が怒りをマネジメントするのにとても有効なのだけど、もうひとつ「怒りを値段化する」という方法もオススメ。

では、”怒りを値段化する”とはどういうことなのだろうか?

怒りを値段化する方法とは?

街を歩いていて、前から歩いているサラリーマン風の男と肩がぶつかったとしよう。

相手は謝りもせずに、そのまま歩き去ろうとする。

突発的な怒りを感じたあなたは、後ろを振り向きその男に呼びかける。

「ちょっ!待てよ!!」

「…なんですか?」

「てめー肩ぶつかったじゃぁね~か!!」

「あっ、これは失礼。これで許してください。はい、100万円!!

 

「もちろん、許します!!へへ…」

肩がぶつかった怒りは、100万円貰えるのならキレイさっぱり消えてしまう。

 

例えばこれが1万円だったとしても、ほとんどの人が怒りを引っ込めるだろう。

だけど、1,000円だったら?

500円だったら?

5円玉1枚だったら?

人によっては怒りが収まらないかもしれない。

 

自分の感じた怒りに対して「これくらいお金貰ったら許しちゃうなぁ~」と想定すること、これが”怒りの値段化”だ。

怒りに値段を付けたとしても、簡単に怒りというのは収まるもんじゃない。だけど、「怒りに値段をつける」という行為には、「自分の怒りを客観的に判断して損得勘定をする」という行為が不可欠。

怒りに値段をつけると、怒りという感情と距離を取れるし、少しだけ冷静になれる。

「たかが1,000円程度の怒りをぶつける必要もないか…」なんて。

 

また、この”怒りの値段化”は、具体的な損害も加味できるのが大きなメリットだ。

例えば喫茶店でコーヒーを頼んだ時、ウエイトレスが誤って服にコーヒーをこぼしてしまったとしよう。

服に大きなシミがついてしまった!!

このシミに対するクリーニング代金は、大手クリーニング店の相場を見る限り、おおよそ2000円程度だと思われる。

2,000円の損害に対して「まあいいよ、これくらい。気にしないで」という人もいれば、「ふざけんな!」と怒る人もいる。

クリーニング屋に行く手間や、コーヒーで濡れてしまって不快に感じていることを考えれば、怒りの値段は2,000円を超えるかもしれない。

もしコーヒーをこぼされてブチ切れる場合は、その前にまず怒りの値段を考えて欲しい。

(クリーニング代が2,000円で、いまシャツがコーヒーでびしょびしょだし、これから予定あるし、え~と…今の怒りの値段は6,500円だ。おれは約6,500円の損害で怒るぞ~!!)

そう思ってみると、何だか冷静になってくるし、6,500円程度の値段の怒りを爆発させるのが馬鹿らしくなるかもしれない。もちろん、人によってはそれでもなお、大騒ぎするだろうけど。

まとめ

怒りを値段化というのは、私が勝手に考えた怒りコントロール法のひとつなんだけど、実践してみると意外と効果がある。

かつてコンビニで傘立てに置いたビニール傘をパクられたとき、小雨の中を傘をささずに帰りながら、すっげ~不条理な怒りを感じたり、めちゃくちゃイライラしたことがあった。

だけど怒りを冷静に値段化してみると、それは1,000円にも満たない程度の怒りだった。「たかが500円以下の使い古されたビニール傘を盗まれたくらいでこんなにイライラしたり、怒りを感じるのはもったいない!!」と思って気持ちを切り替えるきっかけになった。

大事なのは、怒りを値段化して、怒りを客観的に評価することにある。

「怒りを外に吐き出す」「怒りを見える化する」に加えて「怒りを値段化する」をうまく活用すれば、アンガーマネジメントが上手くいく…かもしれない!!

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