最近、健康系のテレビ番組で「エクオール」という物質が取り上げられることが多くなってきた。
エクオールには女性ホルモンと似た働きがあり、美肌効果、更年期障害の軽減、乳がんや前立腺がんの予防、骨粗しょう症予防など、さまざまな健康効果があるという。
しかしながら、日本人の約50%は体質的にエクオールを作り出す力が弱いといわれている。
エクオールが含まれている食べ物はあるのだろうか?
そもそも、エクオールを増やすにはどうしたらいいのだろうか?
エクオールとはなんなのだろうか?
納豆や豆腐などの大豆製品には”大豆イソフラボン”が含まれている。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするので、積極的に摂取した方が良い、なんて話は誰もが聞いたことがあるだろう。
最新の研究によると、大豆イソフラボンそのものよりも、腸内で大豆イソフラボンから生成される”エクオール”の方が、エストロゲン(女性ホルモン)活性が強いことがわかってきた。
腸内でエクオールを作り出すのが、エクオール生産菌と呼ばれる腸内細菌。現在ではだいたい10種類くらい確認されているけれど、人によってエクオール生産菌の活性度合いは違ってくる。
大豆製品を食べまくってもエクオール生産菌が少ないと、イソフラボンの女性ホルモン様効果は享受できない。
逆にエクオール生産菌がいっぱいいて活性化していると、少しの大豆イソフラボンからでもたくさんのエクオールが作られるだろう。
つまり、エクオールを増やすには、エクオール生産菌を増やす必要があるってわけだ。
エクオール生産菌を増やす方法
エクオール生産菌を増やすには、腸内環境を整えて、善玉菌を増やす必要がある。
最適なのが、腸内細菌の良質な”エサ”となる食物繊維を多く含んだ食べ物だ。
そのなかでも、特にオススメなのが寒天。
寒天は80%以上が食物繊維でできている。しかも寒天の食物繊維は独特で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のふたつの特徴を併せ持つという。
寒天はカロリーがほぼゼロで腹持ちが良く、ダイエットにもなるし、お通じだってよくなるはずだ。
オススメは粉末寒天を1日に2グラム食べること。
粉末寒天は近所のスーパーでも売っている。
近くのスーパーで売っていた「かんてんクック」を買ってみた!!
粉末寒天は工夫次第でいろんな食べ方があるけれども、一番簡単なのはお湯で溶いて固めるだけの方法。
鍋に200mlの水を入れ、そこに2グラムの粉寒天を溶かし、沸騰させながら混ぜる。じっくりとかき混ぜたら、製氷皿にいれて冷蔵庫で30分を程冷やす。
そうすると、ゼリーのように固まるので、それをそのまま食べればOK。
まったく味がしないので、ハチミツや黒蜜をかけて食べても良い。1日2gはいっぺんに食べてもいいし、何度かに分けてもよい。
黒蜜をかけた寒天はこんな感じになる。寒天自体に味はないけど、黒蜜は美味い!!
これで水溶性食物繊維と脂溶性食物繊維の機能を持つ寒天の食物繊維がたっぷりと摂取できて、快便になるはず。腹持ちもよくてダイエットにもなるし、エクオール生産菌だって増える。
例えばこの黒蜜寒天に”きな粉”でもかければ、もう大豆イソフラボンを同時摂取できるので一石二鳥だ。
ついでに、先ほど購入した「かんてんクック」に同封されていた寒天レシピを少しだけ紹介しよう。
寒天ジュース
- 粉寒天…2g
- 水…250ml
- ジュース…300ml
鍋に水とジュース、粉寒天を入れてかき混ぜながら沸騰させる。よ~くかき混ぜたら、容器に入れて冷やして固める。
固まったらグラスに入れて、フォークなどで細かく崩す。それに好きなジュースを注いで飲むだけ。
寒天ゼリー
- 粉寒天…4g
- 水…300ml
- 果汁100%ジュース…300ml
- 砂糖…70g
- レモン汁…大さじ1杯
工夫次第でいろんな料理に使える粉末寒天。
腸内細菌を整えてエクオール生産菌を増やすためにも、毎日2gの摂取を続けよう!!
エクオールが含まれた食べ物はあるの??
とはいえ、寒天の食物繊維は直接的にエクオールを増やすわけではない。
エクオール生産菌を増やすことで、大豆イソフラボンからエクオールを作り出す量を増やすだけだ。
しかも驚くべきことに、日本人の約半数はそもそもエクオール産生菌の量が少なく、体質的にエクオールを作り出すことができないという。
エクオールを産生できる人の割合は、日本や中国など大豆をよく食べる国では約50%、欧米人では約30%にとどまるといわれる。大豆を食べても、その恩恵を受けられない人がいるといい、これらの人には、エクオールを含む食品の利用も選択肢のひとつとされる。
参照元:世界初、エクオール産生能とPMS/PMDDとの関連性を検討(医療ニュース)
欧米人の70%は大豆製品を摂取してもたくさんのエクオールを作り出すことができず、大豆イソフラボンの女性ホルモン様効果を得ることはできないという。
大豆に慣れ親しんだ日本人や中国人でも50%の人が、大豆イソフラボンを食べてもエクオールを生産できないようだ。もちろん、まったく生産できないってわけじゃなく、量が少ないだけだけど。
さらに日本人の中でも特に若年層の方が、エクオール生産菌の保有率は低下するといわれている。
エクオール産生菌が体質的に少ない人や持たない人は、寒天をたくさん食べて腸内環境と整えたとしても、エクオール産生菌が増える量もそれほど多くない可能性がある。もしそうであれば、大豆製品をたくさん食べても、ごくわずかのエクオールしか生産できないだろう。
「大豆を食べても、その恩恵を受けられない人がいるといい、これらの人には、エクオールを含む食品の利用も選択肢のひとつとされる」
日本人の約半数が当てはまる”エクオールが生産できない体質の人”は、エクオールを含む食品を食べるのも選択肢のひとつとの事だけど…
でも、エクオールを含む食品ってどんなものがあるのだろう??
調べてみたのだけれど、残念ながら食べることで直接的にエクオールを摂取できる食べ物はないみたいだ。
エクオールが含まれた食べ物はない、エクオール産生菌を劇的に増やすことも難しい…その場合はエクオール配合のサプリメントで補うしか選択肢はないだろう。
テレビ番組で紹介されていた研究では、閉経後の女性約90人に1日30mgのエクオール産生菌を飲むグループと飲まないグループとに分けて、目じりのシワの変化について12週間観察した。その結果、エクオール生産菌を飲んだグループの方が目じりのシワが改善されたという。
エクオール配合のサプリメントを定期的に飲めば、その女性ホルモン様効果で、目じりのシワがなくなったり、お肌や髪の毛がキレイになったり、乳がんや前立腺がんの予防になったりするかもしれない。
まとめ
大豆イソフラボンに女性ホルモン様効果がまったくないわけじゃない。
体質的にエクオール産生菌が少なくても、食物繊維の豊富な食べ物を食べることが無意味なわけじゃない。
大切なのは、大豆製品、食物繊維、そしてエクオールのサプリメント、これらを毎日の習慣にすること。
そうすれば、シミやシワのない肌で、いつまでも若々しく生活できるかもしれない。