もし大地震に襲われた時に怖いのはなにか?
それは「建物倒壊」と「津波」と「火災」だ。
建物倒壊を防ぐためには、建物の耐震レベルを上げる必要があり、それにはけっこうお金がかかる。津波被害を避ける為には高台に引っ越す必要があるだろう。
しかし地震後の火災を予防するのにかかるお金は3,000円程度だ。
地震後の火災を予防する”感震ブレーカー”を紹介しよう。
地震発生後に気を付けたい火災とは?
東京に大きな被害を及ぼした地震といえば関東大震災が有名だ。
関東大震災によって多くの建物が倒壊し、大きな被害を及ぼした…そんなイメージがあるが、実際はそうではない。
関東大震災の震源は東京からかなり距離のある相模湾であり、東京では建物倒壊の被害はそれほどでもなかったのだ。実は揺れによる建物の倒壊よりも、地震の後に発生した火災が大きな被害を及ぼした。
その理由は、関東大震災が発生した時間帯にある。
関東大震災は11時58分に起きた。つまり、ちょうどお昼時。料理の作るため火を使っていた家庭が多く、それが原因で広範囲で大規模な火災が発生してしまったのだ。
しかし、今では少し事情が違う。
家で料理をしている最中に、突然大きく揺れたらまずどうすればいいか?
関東大震災の教訓をもとに「グラッと揺れたら火の始末!」と、ほとんどの人が慌てて火を消すだろう。
しかしそれは間違っている。最近のガスコンロは放っておいても自動的に火が止まるようにできている。なので、慌てて火を消すよりも自分の身の安全を最優先に行動した方が良い。地震で揺れているのに火を消そうとしたら、あわててしまい火傷を負うかも知れないのだ。
コンロの火は放っておいても大丈夫。それよりも注意してほしいのが通電火災だ。
通電火災とは?
大きな地震が発生するとどうなるか?
まず、停電が起きる。
そしてある程度時間が経過すると、自動的に電気は回復する。地震の規模にもよるが、数時間で回復する時もあれば、復旧に数日を要する場合もあるだろう。
ここで電力が復旧した時に火災が発生する場合がある。これが通電火災だ。
原因は地震が原因で破損した電気機器、倒れたままの白熱スタンド、壊れたコンセント、倒れた電気ストーブやちぎれた電気コードなど。そこにいきなり電気が通ることで、回線がショートして火災が発生してしまう。もし倒れた電気ストーブにいきなり電気が通ったら、カーペットから火が出るのは火を見るよりも明らかだろう。
この通電火災が注目されたのは、あの阪神淡路大震災のとき。
阪神淡路大震災で発生した火災、その約6割が通電火災であったといわれているのだ!
通電火災を防ぐために効果的な方法
通電火災は住民が避難した後の無人の家屋に、電力が復旧して通電することで発生する。
予防法は簡単。避難する時にブレーカーを落としていけばいいだけだ。
しかし、立てないほどにグラグラと揺れて、タンスやテレビが倒れるような大地震の最中「…ブレーカースイッチオフ!!忘れ物はないかな?ポケットティッシュやハンカチは?オーケー逃げよう!!」などとできるか?
…できるわけがない。
地震発生直後は、自分の命が最優先で行動するべきだ。
そんな時に便利なのが「感振ブレーカー」だ。
感震ブレーカーを取り付けていれば、ある程度大きな揺れを感じると自動的にブレーカーが落ちる仕組みになっている。
これ、電気工事を行うと数万円もかかってしまうが、後付の簡易的な感震ブレーカーなら3,000円くらいで取り付け可能なのだ。
鉄筋コンクリート造りの防火対策バッチリの家や、電気機器のあまりない家なら、感震ブレーカーを取り付ける必要はないだろう。
しかし、木造住宅や木造の建物が密集している地域の家、電気コードがたくさんある家、電気ストーブを使っている家などは、通電火災が発生する可能性が高い。感震ブレーカーを取り付けることを強くオススメする。
自分の家が火元になって近所に火災が広がるなんて自体が起きたら目も当てられない。
もしもの時のために感震ブレーカーを取り付けておけば、通電火災ですべてを失う事も防げるだろう。ちょっとだけ、安心できるはずだ。
火災予防は感震ブレーカーにお任せして、地震直後は真っ先に安全な場所に逃げよう!!