女の子ならば誰もが持っていたであろうリカちゃん人形。そんなリカちゃんの家族には、とある秘密がある。
リカちゃん、本名香山リカには、素敵なお父さんやお母さん、双子の妹がいることが知られている。
しかし、お姉さんがいたことはあまり知られてはいない。
何故なら、リカちゃんの実姉香山リエは失踪しているからだ。
いったいなぜ?事件に巻き込まれた?香山リエ失踪の真実とは何なんだろうか?
リカちゃんファミリーの謎
福島県には「リカちゃんキャッスル」と呼ばれる日本で唯一、見学できるリカちゃん人形工場がある。
そこでは様々なリカちゃんドールの展示がしてあって、こどもたちはリカちゃんのコスプレて遊ぶことも出来る。工場なので、リカちゃんの修理や髪型や体型を変えるなどのカスタマイズも、オーダーメイドで行うことが出来るのだ。
ここに一度だけ遊びに行ったことがある。そこでは、製造中止になった年代物のリカちゃん人形や、様々なコスチュームで着飾ったリカちゃん人形が、山のように展示されていた。
リカちゃんの生首!!まるで中世ヨーロッパのさらし首のようで恐ろしいッ!!(ホントは髪の毛のカスタマイズ作業中です)
その展示の中に、リカちゃんファミリーを紹介するものもあった。
リカちゃんのお父さんはフランス人で音楽家、お母さんは日本人でファッションデザイナー。女の子の憧れを体現したような、なんとも言えない設定だ。憧れのカッコいいお父さん=フランス人という発想が、昭和の臭いを感じさせる。まあ、確かにリカちゃんのお父さんがイタリア人のジローラモみたいなちょいワルオヤジだったら嫌だが。
そんなリカちゃんの設定が古い順から並んだ通路があるんだけど、その中でひときわ気になる箇所があった。
リカちゃんのお姉さんだ。
香山リエ
誕生日・年齢不明。
国際線のスチュワーデス。
ふたごの妹、ミキちゃん・マキちゃんの誕生1年後になぜか突然姿を消し、現在消息不明。
公式設定なのに誕生日や年齢が不明であるばかりか、消息不明と明記されているのだ。
リカちゃんのお姉さんである香山リエの紹介の後も、時代ごとにリカちゃん登場人物の紹介は続く。リカちゃんのお婆ちゃんが登場したり、友達やボーイフレンドが出来たりと、いろんなキャラクターが現れるわけだけど、この謎のお姉さんは以降まったく登場することはなかった。
きっと、ず~っと行方不明のまま、現在に至るまで見つかっていないのだ。
彼女はいったい何者なのだろうか?
現在の公式プロフィールを確認しても、リカちゃんに姉がいるなんて事実はどこにも記載されていない。行方不明のまま歴史から抹消されてしまったのだ。
リカちゃんの公式設定から予測するリエの消息
りかちゃんの公式設定を改めて確認してみよう。
香山リカ。年齢11歳の小学5年生。
父親のピエール36歳
母親の織江33歳
双子の妹ミキとマキ4歳
三つ子の妹と弟、みく・かこ・げん1歳
リカちゃんの母親である織江はデザイナーの勉強でフランスに留学していた。その時に出会ったのがピエール。そしてそこで最初の子である長女リエを出産する。
その後、夫とリエをフランスに残し、夢のため日本に帰国し、ショップを開店する。織江は日本でデザイナーとして成功を収めるが、フランスに父親と住んでいるリエがずっと気がかりだった。ついに織江はリエに会いにフランスに飛ぶのだが、その飛行機内でキャビンアテンダントをやっていたのが偶然にも娘のリエだったのだ!感動の再会でめでたしめでたし。(確かリエと織江が抱き合っている写真も展示されていた)
これが”公式”のストーリーだ。
いったいこのストーリーの中で、どのタイミングでリカちゃんが生まれたのか?キャビンアテンダントになっているという事はリエは18歳以上であったわけだから、織江はどれくらいリエと離れて暮らしていたのか?リエはリカちゃんの双子の妹が生まれた1年後に失踪しているが、その時期との矛盾していないだろうか?様々な謎が浮かび上がる。
これらの公式設定を踏まえた上で、そのストーリーを再構築しよう。
リカちゃん家族にまつわる真実のストーリー
まず公式設定から確実に推測できる事実から考えてみよう。
①リエの失踪時期
リエは双子の妹ミキとマキが生まれた1年後に失踪、と明記してある。現在の織江は33歳で双子は4歳なので、織江が双子を生んだ年齢は29歳という事になる。という事はその1年後、つまり織江30歳の時にリエは失踪していることになる。
②織江とリエが出会った時のリエの年齢
織江とリエの再会、その時にはすでにキャビンアテンダントの職に就いていたわけだから、少なくとも18歳以上ではあっただろう。
リエの失踪時期を考慮に入れると、織江30歳の時にはすでに18歳のリエと再開は果たされているのだ。そう考えてみると、織江がリエを生んだ年齢は遅くとも12歳くらいになってしまう。
そこから判明したストーリーはこうだ。
香山織江の謎に満ちた人生遍歴
織江12歳:小学校卒業と同時にフランスに留学する。そこで3歳年上のピエール(当時15歳)と恋に落ち、すぐさまリエを出産する。その年齢での出産は、きっと周りからも猛反対にあったに違いない。しかし二人の愛は深く、結局反対を押し切り出産したのだ。
織江15歳:リエ出産から3年後、勉強を終えた織江はフランスを離れ日本に戻る決断をする。泣く泣くピエールやリエを残し、日本へ帰国。
織江20歳:15歳で帰国した後はブティック「ジュエル」を開店して大成功を収める。帰国後もピエールとの交際は続き、成人した後に正式に結婚をする。
織江22歳:22歳でリカちゃんを出産する。しかしピエールと織江はそれぞれに仕事があり、家族は一緒に住むことが出来なかった。フランスにピエールとリエ、日本に織江とリカ、という形で別居婚を続ける。
織江29歳:りかちゃんの双子の妹ミキとマキを出産
織江30歳:織江はリエの事が気がかりでたまらない。何らかの理由ですっとリエとは会えていなかったのだろう。そこで一念発起し、リエに会いにフランスに飛ぶ。(この事からこの時点でリエは失踪していなかったことがわかる)そしてその機内で、高校を卒業後キャビンアテンダントになったばかりの18歳のリエと偶然の再会を果たす!
…これならなんとか辻褄が合う。
しかし、奇妙なのはここからだ。織江と感動の再会を果たしたリエは、その直後に謎の失踪を遂げている。
リエの失踪と織江との偶然の再開は、明らかに何らかの関係があると言えるだろう。
いったい2人に何があったのか?
常識的に考えて、何年もあっていなかった親子が”偶然”客とキャビンアテンダントとして再開するなんてありえるのか?
リエは失踪しているとの事だが、織江は失踪届をだしているのか?
長いこと会っていないリエに突然会いに行くなんてのも不自然だ。ひょっとしたら、織江はリエを抹殺しに行ったのでは?
本当はもう戻ってこないことを、母織江だけは知っているのではないだろうか?
…真相は闇の中だが、すべての設定を矛盾なく織り込むと、上記のような謎に満ち満ちたストーリーにならざるを得ない。
富と名声、地位と名誉、理想的家族、その全てを手に入れた香山織江。ひょっとしたら、そんな織江にとってリエという存在は、12歳で出産したという過去の汚点でしかなかったのかもしれない。そう考えると、30歳までまったく会う事がなかったのも頷ける。30歳になってなぜ突然、織江はリエと会おうとしたのか?リエを抹殺した後に、徹底的にその存在を抹消しているとしたら?リカちゃんはお姉さんがいることすら知らないかもしれない。
理想的なお母さん像である織江のダークサイドが垣間見えて恐ろしい。
これはあくまでも想像の域を出ない妄言だ。しかしこれが真実の一端をつかんでいるとしたら、リカちゃんファミリーの闇は相当に深いものであると言えないだろうか。