精神と心理

人間の行動が寄生虫にコントロールされている!?猫好きな人の体内に巣くう危険生物!

人間が自分が考えて選んでいると信じている行動。

そんなかけがえのない”自由意志”ってやつが、体内に寄生したある種の寄生虫に操られた結果だったとしたら?

 

アメリカはコロラド大学の研究チームが、人間の体内に存在する寄生虫の影響で人間の行動の傾向が変化するという衝撃的な事実を発表した。

しかも、その恐るべき寄生虫は人類全体の3分の1が感染している可能性があるという。

 

「馬鹿な!?おれが自分から選んだと思っていたこの職場は、寄生虫によって”選ばされていた”とでもいうのか?」

「昼に10分悩んで選んだ天丼ランチ・セットは…あれは”俺”が選んだものではないのか?」

「おれが決めてきたはずの”おれの人生”は、おれだけのものではないのか!?」

 

これは決して他人ごとではない。

 

あなたの体内にも、その寄生虫がうごめいているかもしれないのだから。

人間の尊厳や自由意志を根底から覆す、恐るべき寄生虫を紹介したい。

寄生虫トキソプラズマが人間の行動に影響を及ぼす研究結果が!

トキソプラズマという寄生虫に感染している人は起業志向が強いとの研究を、米コロラド大などのチームが25日、英王立協会紀要に発表した。

因果関係は証明できていないが、ホルモンや脳の情報伝達物質の出方を変え、感染者をリスクの高い行動に駆り立てている可能性もあるという。

参照元:トキソプラズマ感染で起業志向強く? 米大調査

コロラド大学の研究チームは調査に協力してくれた大学生1,500人の唾液を検査し、トキソプラズマに感染している生徒や、その生徒が専攻している分野を調べたという。

その結果、トキソプラズマに感染している生徒の方が、していない生徒よりもビジネス系を専攻する確率が1.4倍に、しかもよりリスクの高い経営・企業関連を選ぶ確率は1.7倍になったという。

 

たんなる寄生虫に過ぎないトキソプラズマが人間をよりリスキーな起業に駆り立てる!!

 

なぜこんなことが起きるのか?

その謎を解くためにも、宿主の行動をコントロールすることで有名な「ロイコクロリディウム」という不気味な寄生虫と、本題である「トキソプラズマ」とはどんな寄生虫なのかを順番に説明していきたい。

恐るべきロイコクロリディウムの生態

ロイコクロリディウムとは、カタツムリに寄生してその行動をコントロールし自殺へ導くという恐るべき寄生虫だ。

カタツムリにロイコクロリディウムに感染すると、ロイコクロリディウムは体内で少しずつ大きくなっていき、次第にカタツムリの行動をコントロールするようになる。

大きくなったロイコクロリディウムはカタツムリの目の部分に移動し、葉っぱの先端などの危険な場所へとカタツムリを導く。

そこでロイコクロリディウムはカタツムリの目をグリグリと動かして芋虫に擬態するのだ。

目の中で蠢くロイコクロリディウム画像(Wikipediaより参照)

すると、それを見た鳥が芋虫と勘違いしてカタツムリごとぱっくりと食べちゃう。

 

実は「鳥に食べられること」こそがロイコクロリディウムの目的。

その目的を達成するために、カタツムリは脳を侵され自殺を強要されたわけだ。

 

ロイコクロリディウムの最終宿主は鳥であり、鳥の体内に寄生しているときが一番居心地が良くて繁殖しやすくなるってわけ。

恐ろしくも気持ち悪い…。

このロイコクロリディウムという寄生虫の存在は、「寄生虫は宿主をコントロールすることができる」という可能性を示唆している。

だとしたら、何億種という生物が存在する地球の中で、”人間をコントロールする寄生虫”がいたっておかしくはないだろう。

 

では、人間をコントロールしているかもしれない「トキソプラズマ」という寄生虫はどんな特徴を持っているのだろうか?

寄生虫トキソプラズマの特徴とは?

国立感染症研究所によると、トキソプラズマは幅3 µm、長さ5-7 µmの半円〜三日月形をした原虫だという。

画像:国立環境研究所ホームページより参照

では、トキソプラズマは何から感染するのか?

 

トキソプラズマはほとんどすべての哺乳類や鳥類に寄生することができる。

人間が感染する場合は、豚肉・鶏肉・鹿肉などの哺乳類の肉から感染するパターンが多いという。

しかも世界中のどこにでも存在する寄生虫で、全人類の3分の1が感染しているともいわれている。

もちろん、清潔な環境で暮らしている日本人にだって、たくさん感染者はいるはずだ。

トキソプラズマの感染を防ぐには

  • 生肉を避け、肉を食べる場合はよく加熱する
  • 包丁やまな板が感染することもあるので、肉料理に使った調理器具は他の料理にそのまま使わずによく洗う
  • ネコの糞にも存在しており、手についたものが口や粘膜を通して感染することもある。ネコと触れ合った後はよく手を洗おう。

健康な成人であれば、たとえトキソプラズマに感染してもほとんど症状は表れない。

しかし免疫力が低下している場合は、発熱などの風邪に似た症状があらわれる。

ただ、稀に重篤な症状があらわれる場合もあるものの、命の危険があるような寄生虫ではない。

 

というわけで、トキソプラズマは身近に存在する、とてもありふれた寄生虫だということがわかる。

そんなトキソプラズマが人間の意志をコントロールする?

簡単には信じられない事実だ。

 

なぜトキソプラズマは人間をコントロールする必要があるのかを考えるとき、あの不気味なロイコクロリディウムの生態が参考になる。

ロイコクロリディウムの最終目標は、”鳥に寄生すること”であった。

だから鳥に食べられるようにカタツムリをコントロールした。

 

では、トキソプラズマの最終目的とは何なのだろうか?

トキソプラズマの恐るべき”目的”とは?

まず結論を言ってしまえば、トキソプラズマの最終目的はネコに感染することだ。

トキソプラズマの最終宿主はネコであり、猫の体内にいるときだけ有性生殖を行うことができる。(人間や他の動物の体内では自分をコピーするだけの無性生殖しかできない)

つまり、ネコ以外の動物に”不本意ながら”寄生してしまったトキソプラズマは、あらゆる方法でネコに寄生しようと試みるだろう。

 

例えば、このトキソプラズマに感染したネズミには驚くべき変化が起きることが知られている。

ネズミは天敵であるネコがいたらすぐに逃げてしまう。

しかしトキソプラズマに感染したネズミは、ネコへの恐怖が薄れるらしく、ネコに出くわしても逃げずに捕食されてしまう。

その結果、ネズミの体内にいたトキソプラズマは無事に猫の体内に寄生できるというわけだ。

 

また、最新の研究によるとトキソプラズマはサバンナのハイエナの行動にも影響を与えていることがわかった。

トキソプラズマに感染しているハイエナはライオンへの警戒心が薄れ、ライオンに捕食される確率が劇的に上がってしまうという。

トキソプラズマはネコ科のライオンが最終宿主ってわけだ。

分析の結果、調査対象となったハイエナのうち、1歳未満の子どもの35%、1歳から2歳までの成熟間近の71%、2歳を過ぎたおとなの80%がトキソプラズマに感染していた。

そして、トキソプラズマに感染していない子ハイエナがライオンに近づく距離が平均91mだったのに対して、感染した子ハイエナは平均44mという危険な距離まで近づいていた。この違いは子ハイエナが1歳を超えるころにはなくなっていたが、それはおそらく、生き残った個体がライオンに近づきすぎないことを学習していたためだと論文の著者らはみている。

参照元:寄生虫がハイエナを「操作」、ライオンに襲われやすくなると判明

トキソプラズマは人間を社長にすることで”目的”を達成しようとしている

このトキソプラズマは人間に寄生すると、その精神にも影響を及ぼす。

リスクを恐れない性格になり、その結果、トキソプラズマに感染した学生たちの起業精神が活発になったのだろう。

なぜ、トキソプラズマは人間を社長にしたがるのか?

それはトキソプラズマの目的を考えれば一目瞭然だ。

人間がトキソプラズマに感染する→起業精神が旺盛になる→会社を作って社長になる→大金持ちになる→金持ちは猫を飼う!!→人間の体内にいるトキソプラズマが猫に感染しやすくなる

そう、トキソプラズマは人間を社長にするという、常識では考えられないような非効率なやり方でもって、最終宿主である猫に感染しようと試みていたのではないだろうか!!!?

 

…違うか。

人類はいつから───猫が好きだと”錯覚”していたのか?

トキソプラズマに感染することによって人間はリスクを恐れなくなるという研究結果がある。

リスクを恐れなくなるからこそ、リスキーな起業も躊躇なく行えるってことなのだろう。

それ以外にもトキソプラズマに感染すると注意力散漫になりやすくなり、交通事故のリスクが2.6倍になるという研究結果もあったり、反社会的行動が増える社交性が上がる、といった精神的影響もあるようだ。

アメリカはメリーランド大学の発表によると、「トキソプラズマに感染した女性は、感染していない女性に比べて自殺リスクが1.5倍になる」という研究結果も。

 

なんとなく、ネズミがトキソプラズマに感染した場合の精神的な影響にも似ているし、ロイコクロリディウムの恐ろしい生体にも通じるものがある。

だけどトキソプラズマの精神的な影響は、このような”気質の変化”にとどまらないほど深くて強いものなのもしれない。

それを証明するような”驚くべ報道”が2017年に発表された。

 

2017年に一般社団法人ペットフード協会が行った「全国犬猫飼育実態調査」の結果、1994年の調査開始以来初めてペットの猫の数が犬を上回ったのだ!!

 

ペットとしてネコを飼うという意思決定は、本当に人間がしたものなのだろうか?

 

それは人間に寄生しているトキソプラズマが、最終宿主であるネコの体内に移動するために人間をコントロールした結果なのではないだろうか?

 

一説には、人間に飼われている犬たちは、もし飼い主が死んでしまったら寂しさを感じるし、自由になっても野生では生きられないという。

だが、人間に飼われている猫たちは、飼い主が死んでしまったとしても、そのほとんどがたくましく野生で生き残るとか。

ネコはただ快適に過ごすために人間を利用しているに過ぎない、そんな可能性すらある。

くそっ!!可愛すぎる!!

なぜ、あなたはネコが好きなのか?

いつからネコを飼いたいと思っていたのか?

どうして、ネコと触れあっていると癒されるのか?

恐らく、ほどんどの人がうまく説明できないだろう。

 

その理由の根源には、脳に影響を及ぼすトキソプラズマの存在があるのかもしれない。

そして猫を飼うというこはトキソプラズマに感染リスクを上げるという意味を持っている。

 

ネコを飼うのが先か、トキソプラズマに感染するのが先か、ともあれ昨今の猫ブームの陰でトキソプラズマが暗躍している可能性もゼロではないだろう!!

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