小学校5年6年で担任だったI先生にはとてもお世話になった。
I先生は男性で、当時20代~30代前半くらい。いつでもジャージを着ている、頭よりも体を動かす方が好きなタイプの先生だった。
今では考えられないが、当時のボクはやんちゃで落ち着きのないお子さんで、騒ぎを起こしてはI先生に迷惑をかけていた。
ある日の給食時間。
ボクはI先生の真ん前の席だったのだけれど、I先生は食後に胃腸薬を飲みながら笑ってボクにいった。
「お前らのせいだからな!!」
とにかく問題児が多かったのだ。
そんな気苦労の多いI先生であったが、2年間担任をしてもらって教えてもらったことはたくさんある。
が、まったく覚えていない。
だけど、なぜか今でもI先生に教えてもらって明確に覚えていることがたったひとつだけあるのだ。
小学校の担任の先生から学んだたったひとつのこと
なんの授業だったか憶えていないけれど、教室を飛び出し小学校の周りをクラスのみんなで歩いていた時のこと。
I先生が唐突にみんなに質問をした。
「このオオイヌノフグリの意味はわかるか~~!?」
オオイヌノフグリ?
そんな言葉は聞いたこともない。
どうやらオオイヌノフグリというのは、そこらへんに生えている小さな雑草のことらしい。
誰も答えないのを確認すると、I先生は叫んだ。
「オオイヌノフグリというのはな~イヌのキンタマだ~!!がははは!」
オオイヌノフグリ画像(wikipediaより参照)
オオイヌノフグリはイヌのキンタマ。
これがボクが小学校で学んだ唯一の知識だが、今のところ何の役にも立っていない。
恐らく今後の人生においても、この知識が絶体絶命の危機を回避するのに役立ったり、披露することで誰かを唸らせるようなことはないだろう。
これが小学校の担任のI先生から学んだたったひとつのこと。
そんなI先生は、
「どうしようもなくなったら、俺んとこ来い。漁師にしてやる!」
と、とびっきりのバカで掛け値なしのアホだったボクにいってくれたこともある。
とてもよい先生だったし、いろんな大切なことを学んだ気がする。
まあ、オオイヌノフグリ以外はあまりおぼえてないけど。