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2015年イグノーベル賞受賞内容一覧!9年連続日本人受賞の快挙を成し遂げた研究内容とは?

2015年9月18日

イグノーベル賞を知っているだろうか?

ノーベル賞は人類に貢献するような発明や、素晴らしい発見をした人に送られる賞だ。だけどイグノーベル賞はちょっとちがう。おもしろい研究やくだらない発見をした人に送られるという、なんともブラックユーモアにあふれた賞なのだ。

そんなイグノーベル賞に9年連続で日本人が受賞したという。

すばらしい!

9年間のイグノーベル賞受の歴史、その受賞内容を紹介しよう。

2015年のイグノーベル賞受賞内容

  • すべての哺乳類は21秒で膀胱をからにできることを発見
  • “はぁ?”という言葉はどんな言語にも存在する事実の発見
  • 半熟卵の化学的レシピの発見
  • 多くのビジネスリーダーは若い時に『自分に悪影響なければ』リスクをとるのを好む事実の解明
  • 賄賂を拒否した警官にボーナスを支給することにしたバンコク警察
  • 近世モロッコの君主が800人以上の子供をつくったとされる史実を数理解析で検証
  • 鶏に重りのついた棒をつけると恐竜と同じような歩き方をすることを発見
  • 急性虫垂炎は道路の凸凹で痛みを感じるかどうかで診断できることを発見
  • ミツバチに刺されるとどの部位が最も痛いのかを解明
  • キスをするとアトピー性皮膚炎患者のアレルギー反応が弱まることを発見

これらの研究が2015年のイグノーベル賞受賞内容だ。

「キスをするとアトピー性皮膚炎患者のアレルギー反応が弱まることを発見」についての研究が日本人によるもの。キスの文化が西洋に比べて発展してないのに、こんな研究が日本から生まれるなんて驚きだ。

 

個人的に最も興味を引いたのは「鶏に重りのついた棒をつけると恐竜と同じような歩き方をすることを発見」という研究。

現在の進化論で鳥類は恐竜の直接的な子孫だと言われている。現代に生きる動物の中で一番恐竜に近い身体構造を持っているのは、コモドオオトカゲでもクロサイでもなく鳥類なのだ。

そんな鳥類であるニワトリに棒を付けることで、恐竜そっくりの歩き方になるなんて!やっぱり鳥は恐竜なんだ!!

…でもこの研究をした人はなんで「恐竜の歩き方」を知っているのだろうか?

9年間の日本人イグノーベル賞受賞内容

日本人は9年連続でイグノーベル賞を受賞したという事だが、日本人がイグノーベル賞を受賞した歴史を振り返ってみよう。

 

1995年:ピカソとモネの絵画を見分けられるようにハトを訓練し成功

1997年:数百万人の労働時間を、仮想的なペットの飼育に転換したことに対して(たまごっち)

1999年:妻が夫の下着に用いると不貞行為を検出できるスプレー「S・チェック」への”情熱”に対して。

2002年:コンピュータによって自動的にイヌ語をヒト語に翻訳する機械「バウリンガル」を発明し、種の間の平和と調和を促進したことについて、平和賞受賞

2003年:ハトがまったく近寄らず、糞害から免れていた銅像の研究

2004年:カラオケを発明し、人々が”お互いに許容しあう”全く新しい方法を提供したことで、カラオケ発明者井上氏が平和賞受賞

2005年:34年間も自分の食事を撮影し、その影響を分析し続けた(ドクター中松)

*ここから9年連続受賞が始まる

 

2007年:ウシのうんこからバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究

2008年:単細胞生物の真性粘菌が迷路の最短経路を見つけることを発見

2009年:パンダのふんから取り出した菌を使って生ごみの大幅な減量に成功

2010年:迷路を最短で通り抜ける力が粘菌にあることを発見

2011年:「わさびのにおい」を使って睡眠中の聴覚障害者らの覚醒に成功し、警報音の代わりに「わさびのにおい」を使った火災報知器を開発

2012:年自身の話した言葉を、ほんの少し遅れて聞かせることで、その人の発話を妨害する装置「スピーチジャマー」の発明

2013年:タマネギを切ると涙が出る真相を解明

2014年:床に置かれたバナナの皮を、人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究

2015年:キスをするとアトピー性皮膚炎患者のアレルギー反応が弱まることを発見

 

見事、日本人が9年連続で受賞している。もちろん、もっと歴史をさかのぼっても、たくさんの日本人研究者がイグノーベル賞を受賞しているのだ。

 

この日本人受賞歴の中で最も気になるのが「わさびの臭いを使った火災報知器」だ。

今まで考えもしなかったが、聴覚障がい者には火災報知器が聞こえないのだ。当然のことながら。だとすれば、この発明は少なくとも聴覚障がい者の施設に設置するには最適なのではないだろうか。

音が聞こえなければ、普通の目覚まし時計は使えない。わさびの臭い発生装置は、目覚まし時計にだって使えるだろう。

JRの職員は絶対に寝過ごさないために、起床時間になったら強制的にベットが動いて身体がのけ反り状態になり目が覚めるっていう目覚ましを採用しているという。

このシステムは音を使わない代わりにかなり高額なシステムになってしまうだろう。その点、わさび目覚まし時計なら、もっとお手軽で安価に販売できるのではないだろうか。

 

今年受賞したキスによるアレルギー反応の実験では、「恋人やパートナーと30分のキス」をした後にアレルギー反応が弱くなったという。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎には30分のキスが有効なのだ。

でも、30分って長すぎないだろうか!?

きっと3分や10分など、いろんな試行錯誤の末に30分という時間が導き出されたのだろう。唇がふやけちゃうよ!

また、そのアレルギー反応の検証実験では好き同士のカップルはもちろん、「ペットの犬とのキス」「写真とのキス」「おっさん2人のキス」なんかも行われたのではないだろうか?

…おぞましい!

 

研究をした博士より、むしろ実験に協力したカップルやおっさんの方にイグノーベル賞をあげたい。30分のキスの間に絶対思ったはずだ。

「これ、何の役に立つの?」

これ、何の役に立つの?が大事

日本人の「これ、何の役に立つの?」というような研究にも情熱を注げる国民性は素晴らしいと思う。それに、一見不毛なそんな研究が、めちゃめちゃ役に立つ研究にも生かされているに違いない。

その探求心や努力、生真面目さとユーモアセンスは世界に誇れるものだろう。

来年のイグノーベル賞も、きっと日本人が受賞するのではないだろうか。

 

きっと今頃、日本のどこかの研究所で、なんともよくわからない研究実験につき合わされている人がこう思っているだろう。

「これ、何の役に立つの?」

 

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