地震が少ないといわれていた熊本県で地震が発生し、その次は北海道の内浦湾でもM5.3の地震が発生。函館では最大震度6弱を記録した。
これらの地震は専門家の間でもまったく予測できないものであったという。
しかし、熊本地震も北海道内浦湾地震も、前兆とおもえるような前震があったと思っている。
どのような前震があったのか?そして、これから危険な地域はどこなのか?を考えてみたい。
大地震の前に発生する前震の特徴とは?
大地震の前には、その前触れとなる”前震”が発生するといわれている。
前震となる小さな地震が地下にある地盤の圧力に変化を生じさせ、それが大地震のきっかけになるという説もある。
つい最近発生した熊本と北海道の地震と、その前に発生していた前震から、大地震の前触れとなるであろう前震の特徴を探ってみよう。
北海道内浦湾地震の前震
2016年6月16日北海道内浦湾を震源にM5.3の地震があった。
函館などは最大震度6弱とかなり強い揺れを観測したが、幸いにも被害は少なかったようだ。
実はこの内浦湾地震の直前に2回の小さな前震があったのだ。
内浦湾を震源とする地震
2016年6月16日 9時5分頃 内浦湾 M2.3(前震)
2016年6月16日 9時13分頃 内浦湾 M2.5(前震)
2016年6月16日 14時25分頃 内浦湾 M5.3(本震)
ふだんめったに地震の起きることのない内浦湾で、めずらしく2回連続で小さな地震が発生した。
今思えば、これがM5.3の地震の前震であったのではないだろうか。
熊本地震の前震
2016年4月14日熊本をM7.5の巨大地震が襲い、最大震度7を記録した。しかし、この大地震すらも実は前震で、本震は4月16日に発生したM7.3の地震であったといわれている。
個人的にはこの熊本地震の前にも前震があったのではないかと思っている。
地震発生の記録を確認すると、熊本地方ではM1~3程度のほとんど揺れを感じない小さな地震が、平均して月に0回~3回程度発生していた。
それが2015年の12月に突然13回も連続して地震が発生した。
熊本県熊本地方の地震
- 2015年12月30日 8時22分頃 M2.0
- 2015年12月30日 7時56分頃 M2.0
- 2015年12月22日 11時35分頃 M2.9
- 2015年12月10日 15時8分頃 M2.4
- 2015年12月8日 15時33分頃 M2.1
- 2015年12月8日 14時32分頃 M2.5
- 2015年12月8日 14時26分頃 M2.8
- 2015年12月7日 6時25分頃 M2.9
- 2015年12月6日 23時44分頃 M1.9
- 2015年12月5日 0時6分頃 M1.9
- 2015年12月4日 5時40分頃 M3.0
- 2015年12月4日 5時35分頃 M2.3
- 2015年12月3日 17時39分頃 M2.5
その後、2016年の1月・2月・3月の地震頻度は、元通りの月平均1~3回程度であった。そして4月にいきなり大地震が発生したのだ。
今思えば、熊本地震の約3か月前に発生した12月の地震が熊本地震の前兆だったのかもしれない。そう思うのは私だけだろうか?
気を付けたい前震の特徴
このふたつの「地震の前兆かもしれない前震」から、気を付けるべき地震発生パターンが見えてくる。
①めったに地震が発生しない地域で地震が頻発する。
②地震の発生回数が平均よりも極端に跳ね上がる。
このような地震が発生した場合、それは前震である可能性が高いのではないだろうか?
今後大きな地震に気を付けたい二つの地域
熊本→北海道→??
「次に起きるのは首都圏直下地震だ!!」なんて危機をあおる記事が週刊誌に乗っていたけれでも、これから警戒したほうがいい地域とはどこなのだろうか?
東海地方の沖合の地震には気を付けよう!!!
東海地方では巨大地震が来るといわれつづけているが、そのわりに不自然なほど地震が少ない。
とくに発生が危惧されている三重県や静岡県の沖合は、揺れなさ過ぎて逆に怖い。
そんな中で久しぶりに大きく揺れたのが「2016年4月1日三重県南東沖地震 M6.1」だろう。三重県沖で2016年に初めて発生した地震だ。
しかしこの地震が発生した後には、小さな地震も発生することなく、また静かになっている。
もしこれから三重県南東沖を含めた三重県や静岡県の沖合で、小さな地震が頻発したとしたら…それが南海トラフ巨大地震の前兆である可能性が高いのではないだろうか?
今のところ、これらの地域ではまったく地震は発生していないが、小さな地震も見逃さずに注視する必要があるだろう。
島根県周辺で大きな地震が発生するかもしれない。
島根県で気になる地震が発生した。
発生した地震自体はとても小さく、震度2~3程度のもの。
しかしほとんど地震の発生していない地域での連続した地震は、北海道で発生した地震のパターンととてもよく似ている。
また、山陰地方は地盤の割れ目が走っていて、大きな地震が発生するリスクが高いともいわれている。
…なんだか嫌な予感がしないでもない。
山陰地方は2016年の9月末くらいまでは大きな地震に気を付けたほうがいいだろう。
熊本地震と北海道内浦湾地震のふたつしか検証していない、なんとも心もとない推論ではあるが、「地震があまりない地域での突然の地震」や「異常な回数の地震」は、どれだけ小さな規模でも大地震の前兆である可能性がある。
今後の「島根県を中心とした山陰地方」と「三重県南東沖海底」を震源とする地震には、特に注意しておくほうがいいだろう。