「ああ、なんかやる気が起きない…」
「人生に意味なんてあるのだろうか…」
世知辛い世の中を歩んでいると、時折、そんなどうしようもないうつ気分や落ち込みを感じる場合がある。
気分転換に運動をしても、ゲームをしても、友達と遊んでも、なんとなく気分が晴れない。だけど、メンタルクリニックに行くっていうほど重症でもない気がする…。
そんな時にはセントジョンズワートのサプリメントを使ってみるのがいいかもしれない。
「セントジョンズワート」なんて聞いたこともないかもしれないが、これはオトギリソウ科の植物の名前。
セントジョンズワートのエキスにはうつ病や不安障害に効果があると古くから知られていて、欧州では一般的に使われている。
うつ病患者に対して抗うつ剤よりも広く使われている国もあるという。
今回はセントジョンズワートの効果と副作用について紹介したい。
セントジョンズワートの効果とは!?
ストレスや体質など、うつ病の発症には様々な理由が考えられる。
その主要な原因のひとつに「脳内伝達物質」の不足がある。
脳内伝達物質のセロトニンが不足すると「安心する気持ち」が持てなくなり、いつでも何となく不安を感じるようになる。
ノルアドレナリンが不足するとやる気が起きず、思考能力や行動力が低下する。
うつ病の治療には脳内のセロトニンを維持するための抗うつ薬が使われるわけだけど、セントジョンズワートのエキスにも同様の効果があるといわれている。
セントジョンズワートには「天然の抗うつ薬」とも呼ばれる「ヒペリシン」が含まれていているからだ。
とはいえ、重症のうつ病には効果がなく、軽度のうつ症状や、セロトニン不足が原因のイライラ、不眠症、自律神経失調症、慢性的なストレスの緩和に効果を発揮するという。
各国のセントジョンズワートの評価
日本ではあまり知られていないが、セントジョンズワートはうつや落ち込みに効く成分として、特に欧州で広く使用されている。
ドイツでは医薬品として承認されていて、抗うつ薬よりも広く使用されているという。
一方でアメリカではセントジョンズワートに抗うつ効果はないという研究結果もあるようだ。
では、日本でのセントジョンズワートの評価はどうなのだろうか?
日本うつ病学会治療ガイドラインにはこうある。
セントジョーンズワートは副作用がある上、SSRIなどの抗うつ薬との併用にも注意が必要である。
セントジョンズワートはエビデンスが十分ではないし、副作用もあるため、注意が必要という評価なようだ。
では、セントジョンズワートの副作用とは何なのだろうか?
セントジョンズワートの副作用
セントジョンズワートには、免疫抑制剤、血液凝固防止剤、強心薬、気管支拡張薬、経口避妊薬、抗不整脈薬などの薬の効果を弱めたり副作用がでやすくなる作用がある。
セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ、ヒペリクムソウとも呼ばれる。)を含有する製品の摂取により、薬物代謝酵素が誘導され、一部の医薬品の効果を減弱させるという注意喚起がされています。
また、うつ病の治療としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)服用している場合にも、脳内のセロトニン量が増えすぎてしまう可能性があり、併用してはいけないことになっている。
もし毎日服用している薬があるとしたら、セントジョンズワートのサプリを使用する前に医師か薬剤師に相談した方がいいだろう。
セントジョンズワートまとめ
日本では法律上、口に入れるあらゆるものを「薬品」か「食品」に分類しなければならない。
その意味では、セントジョンズワートのサプリメントは「食品」に分類される。
とはいえ、海外での評価や効果を見る限り、かなり医薬品に近い強い効果があると思われる。
強い効果があるということは、副作用の可能性も強いということ。
うつ気分や落ち込みに効くといっても、使いすぎには注意したい。
もちろん、何らかの薬を服用している場合は、医師・薬剤師に相談するのが必須だ。
また、強いうつ気分や不安、不眠が2週間以上も続く場合はうつ病の可能性がある。
「セントジョンズワートのサプリを飲めば大丈夫!!」
なんて自己判断せずに、ちゃんと心療内科を受診した方がいいだろう。