2135年9月21日に直径500メートルの小惑星ベンヌが地球に衝突するかもしれないという。
この隕石衝突は人類にとって驚異的で深刻なダメージを与え、ヘタしたら人類滅亡のきっかけにすらなり得る。
それを危惧したNASAは、隕石の地球衝突を回避するためにHAMMERと呼ばれる恐るべき作戦を開始した!!
HAMMER(ハマー)と言えば何を思い浮かべるだろうか?
そう、人気漫画うしおととらに登場する「ハマー」機関だ。
画像参照:うしおととら24巻
うしおととらに登場するハマー機関はNASAと同様にアメリカにある研究機関であり、妖怪を科学的に研究し対妖怪用の兵器を開発するための研究を行っている。
HAMMER機関(HEAD ANTI METAMORPHOSE MEASURE RESEARCH」は対妖怪変化測定研究所という意味だ。
対してNASAのHAMMERは妖怪ではなく、小惑星の衝突から地球と人類を守るための作戦や宇宙船を意味する。
では、HAMMER(Hypervelocity Asteroid Mitigation Mission for Emergency Response)を日本語に翻訳するとどうなるのだろう?
Hypervelocity Asteroid(超高速小惑星)
Mitigation(ミティゲーション:生態系や自然環境への影響を最小限にする処置)
Mission(作戦)
Emergency Response(緊急対応)
あえて日本語の漢字で訳するのなら「緊急対応用超高速小惑星環境保全作戦」といったニュアンスになるだろう。
約100年後に地球に衝突する小惑星ベンヌへの対策としてHAMMERは立ち上げられたわけだけど、それはどういった作戦なのか?
2135年に人類は滅びてしまうのだろうか??
小惑星ベンヌの衝突を防げ!!
米航空宇宙局(NASA)は、直径500メートルを超す巨大小惑星「ベンヌ」が、2135年9月22日に地球に衝突する可能性があると発表した。衝突の可能性は低いものの、衝突した場合の威力は、米国が現在配備している核弾道ミサイル群に匹敵するとしている。
NASAはベンヌが地球に接近する事態を想定して、衝突回避のための計画「HAMMER」の宇宙船コンセプトデザインを設計した。このHAMMERをベンヌに突っ込ませるか、核装置を使うかのいずれかの手段で、地球に向かうベンヌの軌道を変えさせることを期待する。
参照元:巨大小惑星、117年後に地球衝突も NASAの対策とは(CNN)
CNNの報道によると、100年後の2135年9月22日に小惑星ベンヌが地球に衝突する可能性があるという。
その確率は2,700分の1くらいだといわれている。
小惑星ベンヌのような「地球に衝突するかもしれない小惑星」を見つけ、もし地球に衝突するのならそれを回避する対策を行う組織、それがNASAに設置された「惑星防衛調整局」だ。
HAMMERの研究はNASAにある惑星防衛調整局が行っているという。
どうやって惑星の衝突を防ぐのか?
その方法は複数立案されている。
約8トンの核搭載宇宙船で体当たりして軌道をそらすとか。(エキセントリック少年ボウイかよ)
惑星ベンヌの表面に”色”を変えることで惑星の熱バランスが変化し軌道を逸らすとか。
本当にこのような方法でベンヌの軌道が逸れるかはわからない。
NASAは2016年に無人小惑星探査機「オシリス・レックス」を、問題の小惑星ベンヌに向けて打ち上げた。
オシリス・レックスは2018年の8月に小惑星ベンヌに到着。写真を撮影したり、詳細な調査を行う。
惑星ベンヌのちりや小石も回収予定だ。
この調査結果によって、小惑星ベンヌの大きさや何で出来ているかが詳細にわかる。
そうすれば、まったく新しい確実な対策が打ち立てられるかもしれない。
いまごろ宇宙空間で頑張っているオシリス・レックス(NASAのHPより参照)
小惑星ベンヌが地球に衝突したら人類は滅亡するのか?
直径約500メートルの巨大な小惑星ベンヌが地球に衝突したら、どれほどの被害がでるのだろうか?
もし仮に小惑星ベンヌが地表に衝突した場合、1,450メガトンのNTNに相当するエネルギーが放出されるという。
広島に落とされた原子爆弾リトルボーイの威力は、TNT換算で約15キロトン。
ということは、小惑星ベンヌの衝突は広島原爆の約97,000倍の威力ということになる。
もし仮に小惑星ベンヌが首都東京に衝突したとしたら?
TNT換算で1,450メガトンであれば、恐らく人類は滅亡しないであろう。
ヨーロッパもアメリカも中国もかろうじて無事なはず。
だけど、日本は沖縄から北方領土まで焦土と化し、地球上から消えてなくなるはずだ。
太平洋のど真ん中に落ちたとしても、富士山の頂上まで届くようなとんでもないレベルの津波が発生するかもしれない。
とにかく小惑星ベンヌがは地球上のどこに落ちたとしても、人類に再起困難なほどのダメージを与える。
だけど、きっと大丈夫。
小惑星ベンヌが衝突するかもしれないのは2135年。
そのころには恐らく、今の人類では考えられないほどの技術が発達しているだろう。
きっと、小惑星ベンヌの軌道なんて問題なく変化させられる技術が確立されているはずさ!!
追記:2027年に100分の1の確率で隕石が衝突する!!?
2019年5月、世界中の宇宙関連機関が集合する「惑星防衛関連会議」で、NASAを中心としてある作戦が開始されている。
それは2027年に100分の1の確率で衝突するといわれる隕石に対して、どのように対策が行えるのか!!?
…という”演習”だ。
100分の1の確率で地球にぶつかる隕石が発見されたというシミュレーションで演習を行い、世界各国の専門機関とどのように協力できるのか、連絡方法などはどうすればいいのかなどを、検討するという。
この演習に参加するのは、先ほど紹介したNASAの惑星防衛調整局や、欧州宇宙機関、国際小惑星警報ネットワークなど。
なんだかSF映画の中の話みたいだけど、リアルな現実。
ちなみにホントに2027年に100分の1の確率で落ちてくる隕石はないので安心して欲しい。
NASAの”隕石防衛線”は確実に進歩しているみたいだ。
ちなみに地球に衝突するかもしれない小惑星ベンヌを調査するために打ち上げた探査機オシリス・レックスも2018年12月に無事、ベンヌに到着。
2年かけてベンヌの調査をする予定とか。
いつか地球に衝突するかもしれない小惑星ベンヌはもちろん、近年の宇宙観測機器の発達により、地球に衝突するかもしれない危険な小惑星は数多く発見されている。
それらによって人類が滅びる可能性はゼロではない。
近い将来、まるで映画アルマゲドンみたいなことが現実に起こり得るかもしれない。