水の入ったコップのフチにコバエが止まっていた。
このままコップごとコバエを叩いたら、水がこぼれて大惨事だ。
どうすればいいのか?
そこで一計を案じた。
コバエが飛ぶであろう場所を想定し、そこに飛んできたところをやっつけてやろうと。
まるで諸葛孔明のような先の先を読んだ知的な戦略だ。
まず、コバエの近くてパンッ!と手の平で大きな音を立てる。
するとコバエが驚いて飛ぶ。
すかさずそこでもう一度手のひらをクラップして迎撃する。
コップの近くに忍び寄り、コバエの上空5センチくらいのところで「パンパンッ!!」と手の平を2回打ち合わせた。
予想では1度目の大きな音で危機を感じたコバエが飛び立ち、そこにすかさず2度目の手の平が襲い掛かるはず…
が、その予想の斜め上を行く驚くべきことが起きた。
コバエは大きな音に驚いて滑落し、コップの水で溺死してしまったのだ。
…そもそもハエというものは大きな音を聞き分けることができるのか?
大きな音で驚くことがあるのだろうか?
叩いたときの風圧で落ちてしまったのだろうか?
驚きすぎて心筋梗塞にでもなってしまったのか?
よくわからないが、想定外の結末にこっちが驚いてしまったのでした。