精神と心理

頭が良い人は字が汚くて、頭が悪い人は字がキレイ説は本当なのだろうか?

2018年7月24日

予備校講師でタレントの林修先生曰く「字が汚い人の方が頭がいい」という。

なんとなく頭がいい人は字もキレイな気がするが、林先生の経験上、東大合格者をみているとトップレベルの合格者は字が汚い人が多いらしいのだ。

 

その理由とは何なのだろうか?

 

字が汚い人の方が頭がいい秘密と、筆跡でわかる性格や心理を判断する方法を紹介したい。

文字はその人の人柄をあらわしている

その人の書く文字と、その人の頭の良さには、なんらかの関係があるのだろうか?

 

ポイントは「部分は全体を表す」という考え方だ。

 

「人を外見だけで判断してはいけない」とか「人を成績だけで判断してはいけない」とか「人の一面だけを見て判断してはいけない」といわれている。

確かにそうかもしれない。

だけど、外見という”部分”も、成績という”部分”も、その人の全体を判断するための重要なヒントになるのは揺るぎない事実。

 

部分的な特徴は、全体を的確に表していることが多い。

  • めっちゃせっかちな性格なのに、食べる時にはゆっくりとよく噛んで時間をかけるという人はあんまりいない。
  • のんびり屋さんなのに、歩くスピードだけは早いという人もあんまりいない。
  • 職場のロッカーが汚いのに、自分の部屋はキレイに片付いている人はあんまりいない。
  • SNSで自分の写真をバンバン乗せているのに、自分が嫌いという人はあんまりいない。
  • 毎朝目くそを付けてきているのに、鼻毛だけはキレイにカットしている人はあんまりいない。

もちろん絶対そうというわけではないけれど、その人の振る舞いの一部分をみれば、その人の全体的な人柄を判断する重要なヒントになる。

 

では、字がキレイな人と、字が汚い人の性格的な傾向はどんなものなのだろうか?

字が汚い人と綺麗な人の性格は?

林修曰く「東大合格者トップ層は字が汚く、2番手グループは字が綺麗」だという。

果たして本当なのだろうか。

それぞれの筆跡心理学的に見た性格の特徴はこんな感じになる。

字がキレイ→几帳面・真面目・理論的・常識的・規範を大事にする

字が汚い→自由奔放・常識のとらわれない・他人の目を気にしない・細かいことを気にしない

と、だいたいそんな性格的傾向を持っているのではないだろうか。

 

たしかに、常識はずれの発想をする一部の天才は、きっと字が汚いのだろう。だけど「字が汚い=頭がいい」ということにはならない。

字のキレイ、汚いでわかるのは、あくまでも”性格的傾向”であって”頭脳の明晰さ”ではない。

  • 天才的な変人→字が汚い
  • 頭のキレる秀才→字がキレイ
  • 常識にとらわれない経営者→字が汚い
  • 成績が優秀な営業マン→字がキレイ
  • 世界的な大発明家→字が汚い
  • 世界的な技術力を持つ職人→字がキレイ

あえて言うのなら、こんな感じなのではないだろうか。

 

ちなみの私自身はとんでもなく字が汚いにもかかわらず、頭が悪い。

このことからも、字が汚いからといって頭が良いわけではないのがわかるだろう。

 

個人的な経験で言わせていただくなら、たぶん字がキレイな人の方が、頭の良い人の割合は多い気がするんだけど…。

さらに深く!筆跡で性格を診断する方法

人が書く文字というのは、「キレイ」や「汚い」以外にも、様々な情報を我々に与えてくれる。

例えば、紙が破れるんじゃないか!というくらい筆圧が強く、しかも直線だけで書いたような角ばった字体、そのうえ凄く小さい文字でびっしりと隙間なく書いてある手紙をもらったらどうだろう?

 

一目見て「ヤバい!」と思うはずだ。

 

こういった”筆跡”も、その人の性格を判断する重要なヒントになる。

  • 筆圧が強い→激しいストレスを感じている
  • 角ばった字体→神経質
  • 小さい文字→内向的
  • びっちり書いている→執着心が強い

先ほどの手紙からは、こんな情報が得られる。

逆に丸くて、大きくて、スキマだらけの適当な字体だとしたら、おおらかで外交的でテキトーな性格かもしれない。

友達の文字を見るとわかると思うけど、書く文字にはその人の性格がすごくよく出るのだ。

筆跡の特徴性格の傾向
筆圧が強い積極的・ストレスを感じている
筆圧が弱い協調性がある・内向的・意気消沈している
文字が大きいおおらか・大雑把・楽天的
文字が小さい慎重・慎み深い・ネガティブ
角ばった文字真面目でキッチリした性格・神経質
丸文字穏やか・優しい・協調性がある
右上がりの文字協調性がある・保守的
右下がりの文字マイペース・個性的・わがまま
線の間隔が一定理性的
線の間隔がバラバラ感情的になりやすい
漢字の偏と旁の間隔が広い心が広い
漢字の偏と旁の間隔が狭い心が狭い

人間は哺乳類の中でも飛びぬけて指先が起用で、そのためにここまで進化してきた。

指先の神経は脳とはホットラインでつながれていて、そのために指は繊細な動きができるという。

 

指は脳の影響を受けやすいからこそ、指を使って書く文字にはその人の性格が出やすいのかもしれない。

机の乱雑さと知能の関係

2013年にミネソタ大学が発表した研究によると、汚い机では創造性がアップするのだとか。

世界的に成功した科学者、研究者、事業家などの机は、書類が散らばり雑然としている傾向にあり、アルベルト・アインシュタインやスティーブ・ジョブス、マーク・ザッカーバーグなどの机もめちゃくちゃだったとか。

字が汚い人は机の上も汚いイメージがあるけど、やはり乱雑さ知性には関係があるのかもしれない。

脳内の思考スピードと身体や現実のスピードが乖離してしまい、その結果として字が汚くなったり机が汚くなったりするのだろう。

基本的に「乱雑な環境」というのは集中力が低下し、仕事の生産性も低下する。しかしそれは一般的な知性を持つ人の話。

整理整頓された机は脳への刺激が少なくなりすぎて、創造性が低下してしまう可能性がある。

「何もない真っ白な部屋」と「雑多な生命と光と音が溢れる公園のベンチ」をイメージするとわかりやすいかもしれない。

 

字もそうだし、机や家、性格もそう、ある種の”乱雑さ”というのは知性や創造性を高める可能性がある。

字が汚い人の方が天才的というのもなんとなくわかる気がする。

結論:字が汚い人の方が頭がいいのか?

たしかに林先生が仰っている「東大合格者トップ層は字が汚く、2番手グループは字が綺麗」という話も分からなくもない。

本当に天才的な人ってのは、頭の回転も速いし、普通の人とは違う価値観を持っている。

字がキレイな事に意味を見出せなかったりするのだろう。

特に外国だと頭のいい人たちは文字がすごく汚いらしく、字がキレイなことに価値を見出すのは日本人特有の価値観だという。

 

日本人が文字の美しさに価値を見出す理由は、つまり”日本語が美しいから”だろう。

 

他の言語の文字は、情報を伝えるツールでしかない。

だけど日本語はひらがなにも漢字も、絵的な美しさがある。

書道があって、文字の美しさを感じれるのも、日本人特有の美徳と言えるだろう。

 

字がキレイ→美的センスがある、芸術家タイプ

字が汚い→芸術に価値を感じない、理系タイプ

日本語を絵として捉えるのなら、こんな風に考えることもできるかもしれない。

 

結局のところ、文字がキレイであることや、字が汚いことで、その人の頭の良さはわからない。

 

もしわかるとすれば、その人が真面目で几帳面な傾向を持っているのか、大雑把な傾向を持っているのかぐらいのもの。

だけど、ビジュアル的な美しさを持つ日本語を書くのなら、絶対にキレイに書ける方がいいに決まってる!

 

「オレは字が汚いから、きっと頭が良いんだ!!」と思ったのなら…それは頭が悪い証拠!!

 

誇り高き日本人として、すぐさまニンテンドーDSの「美文字トレーニング」を購入し、美しい文字を書けるようトレーニングした方がいいだろう。

 

*私は美文字トレーニングを持っているのだけれど、確かに熱心にトレーニングしたら文字が綺麗になった。

だけど、しばらくトレーニングをサボったら、すぐに汚い文字に戻ってしまった…。美文字トレーニングは継続しないと効果を発揮しないようです。

追記:林先生が語る「汚い字と知能の4分類」

2018年7月に放送された「林先生が驚く 初耳学」でも、「勉強ができる子は字が汚い」という説が紹介された。

林先生曰く、「字が綺麗・字が汚い」と「知の整理が上手・下手」の組み合わせで”4つのパターン”が存在するという。

字と知能の4分類

  • 字が綺麗×知の整理が上手→優等生タイプ
  • 字が綺麗×知の整理が下手→努力しても成績が伸びないタイプ
  • 字が汚い×知の整理が下手→自分のノートすら解読不能なアホタイプ
  • 字が汚い×知の整理が上手→自分なりのまとめ方で整理しながら書いている天才タイプ

林先生によると、もっとも成績が優秀なのは「字が汚い×知の整理が上手」なタイプなのだとか。

 

字が綺麗であること、字が汚いことは、直接的に成績と関係があるわけではない。

成績にダイレクトに結びつくのは、”字”そのものではなく、知識を自分なりに整理する知能のようだ。

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