人類史上最も人間を救うと同時に地球環境を激変させた発明とはなんだろう?
言葉の発明。
車輪の発明。
蒸気機関の発明。
電気の発明。
コンピュータの発明。
核分裂反応の発明。
インターネットの発明。
人類はいろんな発明をし続けて発展してきたけど、中でも最も人類そのものを救った発明のひとつが「ハーバー・ボッシュ法」だろう。
ハーバー・ボッシュ法はドイツで1906年にフリッツ・ハーバーとカール・ボッシュが発明したもので、この技術で”空気から窒素を作り出す”ことができる。
空気のほどんどは窒素と酸素。
それを抽出するわけだ。
では、なぜ窒素を作ることがスゴイのか?
窒素は植物の肥料としてとても大切な成分で、この技術によって大量の化学肥料を生成することができるようになった。
それまでの農業はすでに限界に達しており、どんなに頑張っても地球人口の20億人分くらいしか作ることができなかった。
深刻な食糧不足が目の前に迫っていたのだ。
しかしハーバー・ボッシュ法とそれによる化学肥料の登場で、農業の生産量は数倍にも増加!!
農作物が大量にできることで、食肉の生産も増加し、人類は食糧難の危機を脱することができた。
結果、地球の人口は75億人を突破している。
これはハーバー・ボッシュ法のおかげ。
たった一つの発明のおかげで、何十億という人間が餓えに苦しまずに済んでいるわけだ。
と同時に、過剰な窒素供給の影響で地球環境を破壊している可能性もあるのだとか。
フリッツ・ハーバーはこの発明で1918年にノーベル化学賞を受賞している。
しかし優秀な科学者であったフリッツはナチスドイツで毒ガス兵器の責任者となり、とんでもない毒ガスを次々と発明していったという一面もある。
フリッツ・ハーバーの発明は大げさでなく人類を救ったといえるだろう。
けど同時に多くの人間を殺害し、そして地球を破壊した科学者、ともいえる。
それにしても、たった一行の化学式が世界を激変させるんだから、科学ってすごい。
「空気から水を作り出す方法」
「プラスチックゴミを無害な物質に分解する方法」
「地球温暖化を止める方法」
「放射能を消去する方法」
今後、そんな技術がが発明されたらいいですね。