人気漫画ワンピースでは”Dの一族”が物語のキーとなっている。
主人公のモンキー・D・ルフィ。
海賊王だった男、ゴール・D・ロジャー。
黒ひげマーシャル・D・ティーチ。
Dの一族にはミドルネームにDが入っているが、その意味についてはいまだ謎に包まれている。
それはそれとして、日本人もまた世界的に珍しいDの遺伝子を受け継ぐ特殊な民族であるという。
日本人のDNAに、太古の昔より刻まれた”Dの意志”とは何か?
そのルーツに迫ってみたい。
日本人はどこからやってきたのか?
そもそも、日本人はどこからやってきたのだろうか?
人類は約20万年前にアフリカ大陸で生まれたとされている。
全人類のミトコンドリアDNAを調べると、アフリカのたった一人の女性に行きつくからだ。
日本人も、アメリカ人も、韓国人も、フランス人も、そのルーツは同じ。
この女性は全人類の母、「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれている。
アフリカで生まれた人類は、何万年もかけて世界に散らばり、その生息域を広げてきた。
その中でも注目すべきは、「アジアに向かって旅立ったグループ」だ。
黄色人種のルーツである彼らは、その旅の途中で大きく2つのルートに分かれたとされる。
①東アジアに向かったグループ
②東南アジアに向かったグループ
では、日本人はどちらのグループに所属しているのか?
そのまえに、まず日本に住んでいた人々についての歴史をおさらいしておこう。
日本には約1万6000年前(紀元前1万4,000年ごろ)、縄文人が住んでいた。
縄文人は固有の狩猟文化を形成していて、この紀元前14,000年前から紀元前400年くらいの期間を”縄文時代”と呼ぶ。
そんな縄文時代の最中、紀元前2,000年くらいに、大陸から最初の弥生人がやってきたといわれている。
弥生人は稲作や農耕などの高い技術を持っていて、日本の縄文文化に強い影響を与えていく。
そんな弥生人の文化が隆盛を極めた紀元前1,000年~紀元後300年くらいまでを”弥生時代”と呼ぶ。
*時代考証については諸説あります。
弥生人と縄文人は交流し、血が交わり、それが日本人のルーツとなっている。
日本にもともと住んでいた縄文人。
縄文人のDNAを調べると、他のアジアの国々とはまったく違っていることがわかったという。
では、話を戻そう。
南アフリカで誕生した人類の中でアジアを目指したグループは、「東アジアルート」と「東南アジアルート」にわかれたと紹介した。
東アジアルートは、中国人やモンゴル人、韓国人のルーツになっている。
東南アジアルートは、ベトナムや東南アジア各国の国々の人々のルーツになっている。
同じアジアと言っても、その顔立ちを見れば人種が違うのはよくわかる。
では日本人は?
紀元前に大陸から渡ってきた弥生人は、東アジアルートをたどった人類をルーツにもっている。
問題は縄文人だ。
発掘された縄文人の骨から採取されたDNAを調べると、他のアジアの国々とは全く違ったルーツがわかった。
なんとアジアへ向かった人類が「東アジアルート」と「東南アジアルート」にわかれる”前”にすでにDNAは分岐しており、その謎のグループが日本へと渡って縄文人になっていたという。
島国である日本にたどり着いた人類は、弥生人がやってくるまで他の地域との交流がなかった。
そのため、他のDNAと混じることなく、独自性を保持したまま生き長らえてきたと考えられる。
ただし、縄文人がどの時点で「アジアへ向かった人類」から分岐し、どうやって島国である日本にたどり着いたかは、依然として謎に包まれている…。
日本人に流れるDの遺伝子とは?
人種のルーツはY染色体を調べることで、ある程度分類することができるという。
これは”ハプログループ”と呼ばれ、A~Rまでのアルファベットで分類される。
なかでも日本人は「ハプログループD」というグループに分類される。
Dグループは、日本列島やチベットに多く見られ、その他の地域にはほとんどいない。
チベットに多いのがハプログループD1aであり、日本に多いのがハプログループD1bだ。
中国や韓国、東南アジアでは”ハプログループO”が多数派を占めている。
ハプログループDはハプログループOやそのほかのグループから7万年以上前に分岐しているとされる、独立的なグループ。
おそらく「東アジアルート」と「東南アジアルート」にわかれた人類がハプログループOとなっていて、それよりも遥か昔に分岐したハプログループDがチベットや日本にたどり着いたのだろう。
このDグループが、東アジアにおける最古の人類だとされている。
自分のルーツを判断するチェックリスト
アジア人の中でもまったく異質なDNAを持つ縄文人と、大陸からやってきた弥生人との混血が、今の日本人。
最新の研究によると、平均的な現代日本人全体の2割くらいが縄文人、8割が弥生人だという。
見た目で言うと、沖縄人や北海道のアイヌ、そんな”濃い顔”が縄文系で、逆に”薄い顔”が弥生人系。
100%純血の縄文人もいないし、弥生人の血を受け継いでいる人もいない。
いろんな血とルーツが混じりあって今の日本人が形成されているわけだけど、どの血を強く受け継いでいるかを判別する方法がある。
シンプルな縄文人と弥生人の違いを判別するチェックリストがこちら。
縄文人の特徴 | 弥生人の特徴 |
背が低め | 背が高め |
顔の形が四角い | 顔の形が面長 |
鼻が高い | 鼻が低い |
耳垢が湿っている | 耳垢が乾燥している |
髪の毛がくせ毛 | 髪の毛がストレート |
蒙古斑がない | 蒙古斑がある |
二重まぶた | 一重まぶた |
お肌にシミができやすい | お肌にシミができにくい |
ウインクがキレイにできる | ウインクすると口とかが動いちゃう |
ウインクにも違いがあるんだから、ちょっと面白いね。
まあ、これも参考までのチェックリストに過ぎないのでご注意を。
ちなみにアフリカで生まれた人類の祖は、大きく3つのグループに分かれてアフリカを旅立った。
驚くべきことに、3つのグループの遺伝子すべてが日本列島にやってきたという。
このような例は、世界中見渡しても稀らしい。
太古の日本には国際都市があった
今から20年ほど前、鳥取県で道路工事をしていると、弥生人の遺跡が発見された。
この遺跡は「青谷上寺地遺跡」と名付けられ、発掘が続けられた。
すると遺跡から100体以上もの弥生人らしき人骨が見つかる!!
この弥生人の骨をDNA解析すると、驚くべきことがわかった。
もともと大陸からの渡来人である弥生人は、地理的に九州地方に最初にたどり着いたと思われている。そこから次第に勢力を広げて、縄文人との交流を深めていった。
鳥取の遺跡から発掘された弥生人は、地理的に縄文人との混合が進んでいると思われたが…。
DNA解析をした結果、調べた37体のうちで縄文系はたったの1体だけだったのだ!
では、ほかの36体は??
なんと36体の人骨からは、渡来人のDNAが発見された。
しかもそのDNAは「ミトコンドリアDNAハプログループ」で分類すると、とてつもなく多種多様なことがわかった。(ミトコンドリアDNAパブログループは、最初に紹介したY染色体パブログループとは違った分類だよ)
37体の内訳がこちら。
- M7a(縄文人) 1名
- D4 15名
- C 1名
- G 1名
- D5 1名
- N9a 4名
- B5 2名
- B4 2名
- M7b 4名
このことから、渡来人は紀元前に日本に渡ってきたのは始まりに過ぎず、それからず~っと、いろんなルーツを持った人々が日本にやってきていたことがわかる。
しかもDNA解析の結果、縄文人と渡来人のDNAが混ざり合っていることもわかった。
もともと日本に住んでいた縄文人と、大陸からやってきた渡来人は、わりと仲良くやっていたのかもしれない。
放射能炭素年代測定法で調べたところ、青谷上寺地遺跡は2世紀ごろのものだと判明した。
この時代の鳥取には、いろんな国々の渡来人が暮らす、国際都市があったことがわかった。
このことからも、島国である日本でもいろんな国々との交流があったことがうかがい知れる。
韓国や中国とは違う!日本人のルーツまとめ
同じアジア人なのに、なんとなく中国人や韓国人と日本人の顔立ちって違う。
その性格も文化も、似ているようでぜんぜん違う。
ハプログループOが多い中国人や韓国人って感情的でアクティブな印象だけど、日本人は理性的で落ち着いた民族って感じ。
では、チベットはどうだろう?
チベット人ってなんとなく穏やかで平和的なイメージで、日本人と似ている。
チベット仏教の聖人ダライ・ラマだって、見た目は日本人の普通のおじさんっぽい。
これはおそらく、チベットと日本が同じ染色体ハプログループDだからだろう。
そこから更に分岐し、日本人は世界各国のDNAを取り入れ、現在の独特の遺伝子を持つ日本人が形成されたってわけだ。
つまり日本人はDの遺伝子を受け継いだDの一族!!
…と、いえなくもない。
漫画ワンピースのなかでは、Dの一族は”神の天敵”であり”嵐を巻き起こす”といわれている。
日本という国が再び世界に嵐を巻き起こす日は来るのだろうか!?
ちなみに私は昔「前世が見える人」に前世を教えてもらったことがある。
それによると…前世は「チベットの僧院で僧侶の世話をしている女の人」だったとか。
チベットと日本の繋がりを思うと、なんとなく納得してしまうような…。