映画は私たちにたくさんの「感情」を与えてくれる。
楽しい!
嬉しい!
悲しい!
怖い!
つらい!
ドキドキ!
びっくり!
それがポジティブな感情であれ、ネガティブな感情であれ、感情が動いていく。
これが”感動”(感情が動くこと)であり、わたしたちは感動を求めている。
「お金持ちになりたい!」も「偉くなりたい!」も「モテモテになりたい!」も、突き詰めて考えていけば「感動」を得る手段でしかない。
簡潔に言えば、感動することが”幸せ”の正体、あるいは人生の目的ではないかと思う。
努力。
友情。
勝利。
愛情。
快感。
刺激。
人生における、そういった様々なファクターから感動を得ること。
これは「足し算の幸せ」だ。
「あること」が幸せにつながる。
一方で「ないこと」が幸せにつながる「引き算の幸せ」もある。
簡単に言えば、「心の平穏が幸せ」という感じ。
へいおん【平穏】
変わった事も起こらず、おだやかなさま。
どんどん引き算していって、”ない”ということに価値を置く。
何も起こら”ない”こと。
喜びも悲しみも”ない”こと。
友人もお金も”ない”こと。
他者への愛憎も”ない”こと。
なにももってい”ない”こと。
ただそのままの自分で”ある”こと。
そこには感動では得られない真の幸せがある…かもしれない。
感動の中にも平穏がある人生
おそらく「感動」と「平穏」は対義語なんだろう。
足し算の幸せばっかり求めていたら、きっと幸せの中にも不安を感じてしまうだろう。
引き算の幸せばっかり求めていたら、きっと仙人のような、植物のような人生になってしまうだろう。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。
すべてを得た人は自分が何も持っていないことに気づき、すべてを失った人はすでに自分が得ていたことに気付く。
人生ってのはそんなものなのかもしれない。
できることなら、ほどよく感動し、その中にも平穏がある、そんなバランスのとれた人生を送りたいものですね。