精神と心理 自己啓発

斬新なアイディアを得られる「ひらめきの方程式」とは?ひらめきに必要不可欠な2つの材料について

2018年3月18日

自由自在に画期的なアイディアを”ひらめく”にはどうしたらいいのだろうか?

問題解決の突破口とのなるような素晴らしいアイディアは、何時間も頭を抱えて思い悩んでいたとしてもま~ったく思いつかない。

そんな風にどれだけ考えてもひらめきが得られないのは、私たちの脳の働きが原因かもしれない。

最新の脳科学では”思い悩む”とか”問題を考える”よりも、もっと効率的にアイディアを”ひらめく”方法があるという。

「NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク」で紹介された、ひらめく瞬間の脳の働きと共に、ひらめくために必要な2つの事を紹介したい。

”ひらめく”脳の神秘とは!!

「天才は1%のひらめきと99%の努力」

これは偉大な発明王トーマス・エジソンの名言だ。

トーマス・エジソンは何度実験に失敗しても、「この方法はダメであることを発見した」と捉えて諦めずに発明を続けたという逸話が残っている。

そのため、エジソンのこの名言は「成功するためには努力がめっちゃ大切だよ!」という意味合いで捉えられていることが多いが、エジソンの真意はちょっと違う。

 

99%努力したとしても1%のひらめきがないと成功はなしえない

 

これがエジソンが言いたかったことだという。

エジソンは99%の努力をしてるのに”ひらめき”を得られず、発明に失敗した経験があるのだろう。

誰より努力家だからこそ、誰よりも”ひらめき”の大切さを肌身で感じていたのだ。

 

確かに努力とか才能によって強引に問題を解決することはできるだろう。でも、良いアイデアを”ひらめく”ことができれば、より効果的にあらゆる事象に対処できるはず。

では、人生を成功に導くために必要不可欠な”ひらめき”は、どのようにして発生するのだろうか?

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ひらめく瞬間の脳の活動

「NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク」では、番組に出演していたお笑い芸人で直木賞作家のピース又吉に協力してもらい、「ひらめく瞬間の脳」の観察に成功した。

京都大学脳機能総合研究センターにご協力いただき、世界最高性能のMRIという装置を使って、又吉さんが「ひらめいた」と思った時の脳の状態を調べてみました。その時の又吉さんの脳は、広い領域が一斉に活動している状態になっていました。

参照元:NHKスペシャル「人体」”脳”すごいぞ!ひらめきと記憶の正体

ピース又吉をMRIに入ってもらい、アイディアをひらめいたときにボタンを押してもらうという奇妙な実験。

この実験で「ひらめいた瞬間の脳の状態」を観察すると、脳の中心から前後左右にかけて、全体的に活性化している不思議な状態になっていた。

これは集中して考えたりする脳の状態とはまったく違ったものだった。

 

実験でわかった「ひらめく瞬間の脳の状態」は「ぼ~っとして何も考えていないときの脳の状態」と似ているという。

ぼ~っとして何も考えていない、と思っても、実は脳全体は活動を続けていて、無意識に記憶の断片を繋ぎ合わせているのだ。

このような複数の脳の領域が同時に、お互いに影響しあって活動する機能を「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ぶ。

実に脳活動全体の70%がデフォルトモードネットワーク状態で使われているという。

 

つまり、素晴らしいアイディアを”ひらめく”には、脳をデフォルト・モード・ネットワーク状態に持っていく必要があるというわけだ。

 

リラックスして何にも考えない。

そんな状態でも、脳は無意識に活動を続けていて、まさに「天からアイデアが降ってくる」ように”ひらめき”が巻き起こる。

iPS細胞でノーベル賞を受賞した中山教授も、その基幹となるアイディアは、子どもをお風呂に入れた後に一人で湯船につかってぼ~っとしている時に思いついたという。

ピース又吉が自身の芸を磨くために先輩芸人のみなさんに「ネタを思いつくときはいつ?」と聞きまわったところ、「散歩」と「お風呂」がダントツだったという。

何も考えないことが、実は脳に考えさせているというわけだ。

 

「おれ、日々、なんも考えないで生きてるけど、ひらめいたことなんて人生で一度もないよ???」

だけどこんな風に、アイディアをまったく思いつかないという人もいるだろう。

しっかりと”ひらめく”には、それなりの”手順”ってものが必要なようだ。

アイディアをひらめくために必要な2つのこと

海に沈む赤く染まった夕日。真っ赤な太陽が水平線に沈む瞬間、大気の屈折によってごくまれに緑色に輝くことがある。これを「グリーンフラッシュ」と呼ぶ。

例えば、ぼ~っと海を見ていて偶然にもグリーンフラッシュを目撃したミュージシャンがいたとしよう。

そのミュージシャンの脳はデフォルト・モード・ネットワーク状態になっていて、その瞬間に新曲のサビのメロディを思いつくかもしれない。

しかし同様の状況でも、そのミュージシャンは「斬新なトリックを利用した推理小説のネタ」を思いことはないし、「量子世界における事象の矛盾を解決するアイディア」を思いつくこともないはずだ。

もちろん、なんの悩みもない一般ピープルが100万回お風呂に入ってぼ~っとしても、「タイムトラベル理論に関する斬新なひらめき」や「火力発電の発電効率を上げるひらめき」や「海水をより効率的に真水に変えるひらめき」を得ることもないだろう。

 

”ひらめき”は何もないところから勝手に生まれてくるものではなく、それなりの準備や材料が必要。

つまり、よいアイディアをひらめくには「問題意識」と「知識」が必要不可欠なのだッ!!

 

中山教授がお風呂でiPS細胞についての”ひらめき”を得られたのも、常に「あ~研究ど~しよ~かな~」と思い悩んでいたから。そしてその問題を解決するための膨大な知識を記憶していたから。

リラックスして何も考えていないデフォルトモードネットワーク状態では、脳内で大脳皮質のいろんな記憶を無意識につなぎ合わされていて、それと同時に様々な部位が場所が同時に働いていてる。その結果、斬新なアイデアが生まれたというわけだ。

お笑い芸人が散歩やお風呂でネタを思いつくのも、常に”面白いネタ”を考え続けているから。そしてネタを思いつくだけの経験や知識をもっているからだろう。

 

このことから、天才でもない私たちがひらめくための手順が見えてくる。

「ひらめき」という料理の材料は、「具体的な問題」と「問題解決に必要な知識」のふたつ。

具体的な料理手順は、デフォルト・モード・ネットワーク状態の脳が勝手にやってくれるので心配はいらない。

 

では、ひらめきへの手順をまとめてみよう。

ひらめくための手順

①問題を明確にする

②問題解決のための知識をため込む

③常に問題について考え続ける

④①~③の条件を満たしたうえで、リラックスし、問題について考えずにぼ~っとする

一番大切なのは、問題を明確にすること。問題は明確で具体的であればあるほどよい。

少しくらい知識が不足していても、勝手に脳がカバーしてくれて、持ち合わせの知識をより集めてひらめいてくれるはず。

だけどそもそも問題が明確でないなら、現状を打破するような画期的なひらめきなんて得られるわけはない。

 

「幸せになりたいなぁ~」

なんて曖昧で腑抜けた希望を持っていても、幸せになれるアイディアは生まれるわけはない。

自分にとっての幸せとは「金」なのか「恋人」なのか「権力」なのか「ポメラニアンを飼うこと」なのか、そこらへんの問題を明確にしない限り”ひらめき”は訪れないだろう。

 

逆に十分な問題意識と知識を兼ね備えているのなら、ぼ~っとバラエティ番組を観ているとき、出勤途中の電車の中で窓の外の流れる風景を観ているとき、スタバで珈琲を注文して店員さんの機敏な動作を眺めながら待っているときなんかに、電撃的にひらめきが訪れるかもしれない。

これは比喩ではない。

何も考えていないとき、人間の脳は中心から全体にかけて縦横無尽に電気信号が走り、ひらめいた状態に近くなるのだから。

画期的なひらめきは偶然に訪れない

世の中にはたったひとつの”ひらめき”や”ちょっとしたアイディア”で大成功し、巨万の富を得る人がいる。

それはラッキーな偶然なのか?

ひらめきに関する最新の脳の研究を見る限り、それは違うといえるだろう。

 

「99%の努力をしたものが1%のひらめきを得る可能性を手にする」

 

ここでいう”99%の努力”は、ただやみくもに知識を得るために勉強し続けたりすることではない。

ひらめきにとって一番大切なのは、土台となる”目的意識”を持ちつつも考え続けること。

それがないとどれだけ努力しても”ひらめき”は得られないし、まったく無駄な努力になってしまう。

まあ、努力しても得られるのは「ひらめきの可能性」なんだけど…。

 

というわけで、脳は私たちがぼ~っとしているときでも、私たちのためにめっちゃ頑張っていることがわかった。

今回紹介した「ひらめきの手順」を上手に利用すれば、自分の脳の可能性を最大限に発揮できるかもしれない。

 

最後に、ひらめきを得るための最終兵器ともいえる3つ目の材料を紹介しよう。

それは脳の直接のエネルギーとなる糖分、つまり甘いチョコレート・ケーキだ!!

問題意識+知識+チョコレート・ケーキ=ひらめき

これが最新の脳科学が解き明かした「ひらめきの方程式」といえるだろう。

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