2018年4月9日午前1時32分に島根県西部を中心としてM6.1の地震が発生した。
画像:tenki.jpより参照
実は当サイトの2016年6月20日の記事では、島根県を中心とした山陰地方で地震の危険があるかもしれないと指摘していた。
今後の「島根県を中心とした山陰地方」と「三重県南東沖海底」を震源とする地震には、特に注意しておくほうがいいだろう。
一瞬「おおっ!!」と思うかもしれないけれど、これは特に地震発生を的中させたわけではない。
記事では「2016年9月くらいまでは大きな地震に気を付けよう」と注意喚起しているけど、実際に地震が発生したのは2018年の4月。
期間が空きすぎている。
とはいえ、島根県周辺は「地震起きるかもしれないゾーン」であったことは確か。
「山陰地方にはひずみが溜まっていて地震の危険性が高い」と専門家も以前から指摘していた。
では次に注意すべき「地震起きるかもしれないゾーン」はどこなのだろうか?
今後2,3日は強い揺れをもたらす地震が発生することある
2018年4月9日午前1時32分に島根県を震源として、最大震度5強の強めの地震が発生した。津波の心配はないと発表されたし、島根原発にも影響はないという。
しかしながら、その後も朝方にかけて10回以上は地震が発生している。
今回のM6.1の地震が”余震”である可能性もゼロではないだろう。
「これは余震でもっと大きな地震が起きるんじゃ!?」
ネット上ではそんな不安の声も上がっているし、この考え方は間違っていない。
気象庁は「揺れの強かった地域では、今後1週間程度は最大震度5強程度の地震に注意し、特に今後2、3日は強い揺れをもたらす地震が発生することが多くあり、十分に注意してほしい」と発表している。
ポイントとなるのは”震源の深さ”だ。
今回発生した島根地震の震源の深さは約10kmと、比較的浅い。
地震調査研究推進本部地震調査委員会が過去の地震データを分析したところ、内陸で発生していて、震源の深さが30kmよりも浅く、M5.0以上の規模を持った地震は、その後にもっと規模の大きな地震が発生する確率が6%あるという。
今回の島根地震は、この3つの条件をすべて満たしている。
つまり、今後約6%の確率で島根でもっと大きな地震が起きるかもしれない。気象庁が発表しているように、少なくとも1週間程度は大きな揺れに気を付けたほうがいいだろう。
島根県地震は地盤の割れ目が原因!?
島根には「宍道(鹿島)断層」と「弥栄断層・地福断層」という2つの大きな断層が走っているけれど、今回の地震が発生した震源地には大きな断層はない。
近くで発生した地震として思い出されるのは、2016年10月21日に発生した鳥取中部地震。
この地震の震源地にも、大きな断層は走っていなかった。
これらの地震は恐らく「地盤の割れ目」が原因だと考えられる。
2016年4月6日に放送されたNHKスペシャル「巨大災害 MEGA DISASTER Ⅱ日本に迫る脅威 地震列島 見えてきた新たなリスク」という番組では、断層がない地域でも大きな地震が発生する原因として「地盤の割れ目」という考え方を紹介していた。
日本列島は複数のプレートの境目に位置していて、西日本はユーラシアプレートに、東日本は北アメリカプレートに乗っかっている。
画像参照:海と陸から仕組みに迫る(JAMSTEC)
このプレートは一塊の強固な地盤というわけではなく、複数のプレートが複雑に組み合わさっているという。
プレートを構成する巨大な地盤の境目が「地盤の割れ目」であり、そこで大きな地震が発生する可能性があるのだ。
こちらはNHKスペシャルで紹介された地盤の割れ目の画像。
2016年10月の鳥取中部地震も、2018年4月の島根地震も、山陰地方を突き抜ける地盤の割れ目近辺で発生しているのがわかる。
地盤の割れ目的に危険な場所は?
地盤の割れ目という考え方を提唱している京大防災研究所の西村淳教授による、ひずみが溜まりやすい場所を示したマップがこちら。とくに赤い地域でひずみが溜まりやすいとされている。
地盤の割れ目的にみて地震リスクが高いのはこちらの4つの地域。
①山陰の島根県東部から鳥取県にかけて
②四国の中央構造線断層帯沿いや高知県東部
③近畿の和歌山市周辺や淡路島から神戸、京都を通り福井市付近にかけての帯状のエリア
④九州の鹿児島県北部から宮崎県南部にかけて、そして熊本地震の震源域になった布田川(ふたがわ)、日奈久(ひなぐ)の両断層帯付近
地盤の割れ目マップを見ると、特に和歌山や淡路島周辺が赤く染まっている。
この地域は明らかに「地震起きるかもしれないゾーン」といっていいだろう。万が一、ここらへんで巨大地震が発生した場合、南海トラフ巨大地震を誘発する可能性も否定できないはずだ。
「島根県を中心とした山陰地方」と共に指摘した「三重県南東沖海底」もまた、地盤の割れ目が走っている場所といえる。
今回の島根地震である程度溜まっていたひずみが解放されたと考えるのなら、今後数年は「和歌山・淡路島周辺」や「三重県南東沖海底」に注意したほうがいいかもしれない。