緊張と重圧、サービス残業、そして理不尽な上司からの叱責、そんなストレスにまみれた職場の空気は重い。
…ばかりか、とっても臭いかもしれない!!
なぜならば人間はストレスを感じると、皮膚から臭いガスが放出されることがわかったからだ。
みんながストレスを感じている空間は、重いだけではなく臭いってわけだ。
その原因と解決方法を紹介しよう。
心理的ストレスで異臭が発生する原因とは!?
2018年10月2日に資生堂がストレスが原因で皮膚から独特のにおいを持ったガスが発生することを発表した。
資生堂は長年にわたり、調香師による香りの創出だけでなく、臭気判定士による体臭の研究を行ってきました。その中で、人が緊張によるストレス状態にあると硫黄化合物のような特有のニオイが発生することに気づきました。
(中略)
採取した全ての人の皮膚ガスを臭気判定士が確認した結果、特有の「硫黄化合物系のニオイ」がすることを発見しました。さらに、このニオイの原因となる物質を特定するためGC/MS-ODP*2を用いて分析した結果、主要成分がジメチルトリスルフィド(dimethyl trisulfide, DMTS)とアリルメルカプタン(allyl mercaptan, AM)であることを見出し、この2成分を「STチオジメタン」と名付けました。
参照元:資生堂、緊張によるストレスで皮膚から特徴的なニオイが発生することを発見(資生堂)
人が緊張したり強いストレス下に置かれると自律神経が乱れ、交感神経が優位になる。
その結果、ドキドキしたり、手が震えたり、汗が噴き出したり、いろんな身体的変化があらわれる。
その中のひとつに、異臭ガスの発生があるようだ。
本来、体臭というのは皮膚から分泌される”皮脂”が酸化したものと”汗”が混ざり合い、雑菌が繁殖することで発生する。
体臭の原因の一つは汗なので、汗をかきやすい夏は体臭がキツくなるし、汗をかきづらい冬は体臭が気にならなくなる。
体質的に皮脂の分泌が盛んな人も、体臭がキツくなりがちだ。
なので体臭を防ぐには、皮膚にある皮脂を奇麗に洗い流すか、汗をかかないようにするのが効果的。
だがしかし、たとえ身体を奇麗に洗っていようと、汗をかいていなかろうと、ただ緊張するだけで体中から硫黄化合物系のニオイがするガスが発生することがわかった。
これにはどう対処すればいいのだろうか?
皮膚ガスが原因のストレス臭に対する4つの対策
人間は皮膚からはとってもたくさんのガスが排出されていて、その皮膚ガスの中の一部が、異臭・体臭の原因となっている。
皮膚ガスは生活習慣や食生活にも大きく影響されていて、私などはニンニクを爆食いしたあと3~4日くらいは、歯を磨こうが、身体をしっかり洗おうが、身体からにんにく臭い体臭が立ちのぼる”にんにく人間”と化す。
恐らく酒を飲んだ後や、煙草の習慣がある人も、特有の皮膚ガスが発生しているかもしれない。
このような皮膚ガスの一種である「ストレスによって発生するストレス臭」を軽減させるには、どうすればいいんだろうか?
対策1:ストレスに強くなる!
ストレスに強くなれば、交感神経が優位になることもなく、特有のストレス臭も軽減するはずだ。
例えばストレス対策として、男性であればストレスのもととなる問題に対する解決法を考えて実践すると、そのストレスが少し軽くなる。
女性であれば友人や家族に話を聞いてもらうと、気分がスッキリしてストレス解消になるだろう。
でも、こういったストレス解消法はあくまでもストレスを感じた”後”に行うもの。
ストレスを感じた瞬間にストレス臭はガスとなって発生するわけだから、これじゃあ効果的な対策とはならない。
では、どうすればストレスを感じづらくなるのか?
運動をするとか、場数を踏んで経験値を上げるとか、考え方を変えるとか、ストレスマネジメントのセミナーに参加するとか、まあいろいろと方法はあるだろう。
だけど、どれも即効性はないし、人によっては効果が表れない。
そこで誰でも出来て効果的で実践的なストレスに強くなる方法を一つだけ紹介したい。
それは、ぐっすりと眠ること。
睡眠不足だとストレス耐性が低くなり、ちょっとしたことでも強いストレスを感じてしまう。
脳の疲れ、身体の疲労は、ストレスと密接にかかわっているのだ。
逆にぐっすりと眠って心身ともに元気な時は、ちょっとくらいの嫌なことでも跳ねのけることができる。
質の良い睡眠をとる。
これはどんな性格の人でも、どんな環境に置かれている人でも、確実に効果のあるストレス対策のひとつなのだ!!
ぐっすりと眠れば、ストレス臭も軽減するのではないだろうか。
対策2:よ~く換気をする!
ストレス臭は皮膚ガスが原因。
だとしたら、その臭いガスを除去するには換気が有効だ。
さりげなく窓を開けて空気を入れ替えたり、エアコンをつけたり、換気扇を回る。
そういったことができないのなら、トイレに行って個室で自分の服の中にたまったガスを外にだす。つまり自分の皮膚と服との間の空間にたまったストレス臭いっぱいの空気を入れかえる。
このようにしてストレス臭を喚起すれば、たとえどんなストレスを感じたとしても嫌な臭いで周りに迷惑をかける必要はないだろう。
対策3:香りでごまかす!?
白人や黒人のほとんどはワキガである。
それはもう、遺伝的にそうなのだからしかたない。
(ちなみに日本人は耳垢が湿っていればワキガ体質、耳垢が乾燥していればワキガ体質ではないとされている)
だからこそ、海外では香水の文化が発展してきた。香水は体臭を隠すのに絶好のアイテムってわけだ。
もちろん香水はストレス臭をごまかすためにも使える。
ストレス臭は硫黄系の悪臭なので、ほのかに爽やか系の香りをつけておくといいだろう。
対策4:資生堂の商品を使う!
今回の知見は皮膚ガスが生理的に重要な指標であり、心理的変化も捉えることが出来ることを示すものです。また、このニオイに対して、強いニオイでマスキングするのではなく、ニオイを包み込んで目立たなくする独自のSTアンセンティッド技術を開発しました。
参照元:資生堂、緊張によるストレスで皮膚から特徴的なニオイが発生することを発見(資生堂)
このストレス臭の研究を通して、資生堂はSTアンセンティッド技術を開発!!
それを活用した臭いケア商品を開発している。
発売は2019年の春ごろになるとか。
もしストレス臭が気になるのなら、資生堂の新商品を使ってみることで万事解決するだろう。
ストレス臭まとめ
ストレスを感じると体臭がキツくなるなんて…なんか嫌な事実を知ってしまった。
もし強いストレスを感じたら「あ、いまめっちゃストレス感じてる!ひょっとして、臭くなってるかも!?」と思っちゃって、それがさらに精神的ストレスになり、さらにさらにストレス臭がキツくなってしまうかもしれない。
まさに負のスパイラル。
でも、このストレス臭、意外と日常生活で活用できるかもしれない。
もし会社の面接に行ったとして、その会社の空気が異様に臭かったとしたら、たとえ面接で好感触だったとしても止めておいた方がいいかもしれない。
なぜならその会社で働くことは凄まじいストレスであり、社員全員がストレス臭たっぷりのガスを放出している可能性があるからだ。
もし深夜まで飲んだくれて帰宅したとき、リビングルームの椅子に一人で座っている嫁の後ろ姿から、異様なほど強烈な硫黄の臭いがしたら…下手な言い訳はやめて土下座したほうがいいかもしれない。
なぜなら妻は、連絡もよこさずに深夜に帰宅した旦那に対して強烈なストレスと怒りを抱え、ストレス臭たっぷりのガスを放出している可能性があるからだ。
とにかく「臭い」ということは、「本能的な危機を知らせるサイン」ってことなのだろう。
食べものの「苦み」も「毒」を知らせるサインだというしね。
というわけで、どうやら精神状態と体臭には何らかの関連性があるようだ。
だとしたら最近ストレスが溜まってるな~と感じたら、しっかりと体臭ケアをしたほうがいいだろう。
体臭って自分では意外と気づかないもの。
もしかしたら、周りに硫黄化合物の悪臭をまき散らしているかもしれないのだから。