雑学

洞窟病ってなに?タイの洞窟から救出された少年たちや田中隊長に及ぶ危機!!

タイの洞窟にサッカーチームに所属する12人の少年とそのコーチ閉じ込められてしまった!!

このセンセーショナルなニュースは世界的に報道され、世界中の洞窟関係のプロフェッショナルが現地の救出作業に加わった。

そのおかげか、13人全員が無事に洞窟の外へと救出されて全世界が安堵。すでにハリウッドで映画化の話も出ているとかいないとか。

 

救出された少年たちは、すぐさま病院に担ぎ込まれ治療を受けている。

というのも、長いこと真っ暗な洞窟に閉じ込められていたおかげで洞窟病(cave disease)の危険性があるから。

でも、洞窟病ってなんなのだろうか???

洞窟病とはなんなのか?

ではまず、洞窟病について言及したABCニュースの記事を紹介しよう。

Cave disease, also called speleonosis, is an infection with a fungus called Histoplasma capsulatum.

It was first described in the 1940s as an “unusual” lung disease affecting a group of men camping in an abandoned storm cellar.

参照元:The boys trapped in the Thailand cave could face an unusual disease(ABCニュース)

この文章をグーグル先生によって意訳するとこうなる。

洞窟病、またの名を脾症(splenosis)。こいつは洞窟内に生息する”Histoplasma capsulatum”という真菌が原因の感染症だ。

この珍しい肺疾患は、嵐の洞窟でキャンプする男たちに影響を及ぼす疾患として、1940年代に最初に報告された

結論を言ってしまえば、洞窟病とはヒストプラズマ症のこと。

ヒストプラズマ症の英語版wikipediaにも、「洞窟病として知られている」という記載がある。

 

洞窟特有のジメジメした環境や、コウモリや鳥のフンなどの栄養素は、ヒストプラズマ症を引き起こす真菌にとっては正に最高の環境

こういった危険な真菌が蔓延している洞窟で長いこと生活していると、真菌に肺などが侵されてしまいヒストプラズマ症になってしまうという。

ちなみにヒストプラズマ症は、感染症のひとつとはいえ、人から人への感染は起こらないとされている。

ヒストプラズマ症の症状とは?

ヒストプラズマ症の症状は結核に似ているといわれている。

発熱、せき、筋肉痛、胸の痛み、慢性的な倦怠感など。

悪くすると急性肺炎や呼吸困難になることもあるという。

風邪だと思って放っておいたら重症化してしまう、なんて事例が多そうだ。

 

では、日本の洞窟に入っても洞窟病になってしまうのだろうか?

日本ではヒストプラズマ症のリスクがある?

国立感染研究所のヒストプラズマ症についての説明を抜粋して紹介しよう。

ヒストプラズマ症は米国中央~北東部のミシシッピ渓谷からオハイオ渓谷のほか、中南米、東南アジア、オーストラリア、ヨーロッパ(カプスラーツム型ヒストプラズマ症)、中部および南部アフリカ(特にウガンダ、ガボン、コンゴなど)(ズボアジィ型ヒストプラズマ症)を流行地とする輸入真菌症である。なお、明らかな海外旅行歴を持たないヒストプラズマ症患者が報告され、国内発症の可能性が指摘されていることに留意する。

国立感染研究所より参照

この記述からわかる通り、ヒストプラズマ症は基本的に海外の病気であり、日本人の罹患者も海外渡航経験がある人ばかりのようだ。

ただし、国内にもヒストプラズマ症を引き起こす真菌がまったくいないわけではないよう。

 

なんにしろ、洞窟内は真菌や細菌が大繁殖しているのは確か。

今回のタイ人の少年たちは閉じ込められてしまったからしょうがないものの、洞窟内は長居するのはなるべく避けたほうがいい。

少なくとも洞窟内にお菓子を持ち込み、友人の誕生パーティをするなんてことは止めておいた方が良さそうだ。

田中隊長は洞窟病に気をつけてくださいね

洞窟、といえば「世界の何だコレ!?ミステリー」で日本中のいろんな洞窟を半強制的に冒険させられている田中隊長が思い浮かぶ。

田中隊長はホント、洞窟の潜り過ぎで洞窟病にならないように気をつけて欲しい。

洞窟ってゲジゲジとかコウモリとか、変な動物が生息しているのも怖いけど、それ以上にいろんな細菌や真菌が大繁殖している方が恐ろしいんですね。

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