この眉毛の太い、奇妙な男を見たことがあるだろうか?
男は本名も人種も国籍も不明。通称This man(この男)と呼ばれている。
This manは突如として夢に現れるドリーム・ウォーカーだ。
彼と実際に面識がある人はいない。にもかかわらず、世界中の人々の夢の中に登場している。
This manの正体とはなんなのだろうか?
This manの都市伝説の恐るべき内容
2006年のニューヨーク。ある精神病院に通う患者の女性が、「夢の中に変な男がいつも出てくる」と担当の精神科医に相談をする。得てして夢は現実世界の記憶の影響を受けるものだけれども、その女性は夢に登場する奇妙な男に面識はないと断言した。その男はなぜか夢の中で、女性に私生活についてのアドバイスをしていたという。
精神科医は念のため、その男(This man)の似顔絵を書いておいた。
その後、精神科医はその似顔絵のことをすっかり忘れて業務にあたっていたが、後日、他の患者の診察をしていると、その男性が夢の男の似顔絵を見て「私の夢の中にこの男が出てきたことがある」と言い出した。彼もまたこの男には面識がないという。
奇妙に思った精神科医は、その男の似顔絵データを同僚に送った。
すると数か月のうちに、その男が夢の中に出てきたという患者が4人も出てきたという。
すべての患者が夢の中の男を「この男」(This mam)と呼んでいた。
それからというもの、この夢の中に現れる奇妙な男は「This man」と呼ばれるようになる。
This manの存在が話題になると、ネットを介して画像が広まり、世界中の国の人々がこのThis manと夢の中で出会っていることが判明した。
夢では会うけれども、だれもこの男の正体を知らないし、実際に会ったこともない。
はたしてThis manとは何者なのだろうか…!?
このストーリーはEVER DREAM THIS MAN?というウェブサイトで紹介されている。
「EVER DREAM THIS MAN?」はこのThis manという都市伝説が世界に広まるきっかけとなったサイト。
このサイトを閲覧した世界中の国も人種も違う人々から、たくさんのThis manに関する目撃証言が寄せられたという。
「わたしもこの男を、夢の中でみたことがある!」
「僕は通学路の途中で、この男が立っていてこちらを見ている夢を見た!!」
その数たるや全世界で2,000人以上にも上り、現在進行形で増え続けている。
夢に登場する謎の男「This man」の正体とは何なのだろうか?
This manの正体と真相!!
アメリカ軍の陰謀だった!?
テレビ東京のやりすぎ都市伝説では、このThis manの都市伝説が紹介された。
この都市伝説を紹介したカンニング竹山氏によると、This manはアメリカ軍の実験によって生み出されたのだという。
アメリカ軍の超能力部隊が電気信号によって夢を操る実験をしていて、その実験の影響で、全世界的に同じ男が夢に現れるという不自然な状況が作り出されたのだ。
この「夢を操る技術」によって、戦争で敵国兵士に精神攻撃を行ったり、大統領選挙にも利用されるかもしれないという。
夢のメカニズムはまだまだ解明されていない。夢を利用することで、人類をコントロールする…この恐るべき実験を、世界のどこかにいる白衣を着た男This manが行っているのかもしれない。
死刑囚の生霊だった!?
この「This man」は漫画「地獄先生ぬ~べ~NEO」でも、ネタとして取り上げられている。
夢の中で謎の男「This man」に襲われる生徒たち。
このThis manの正体は長年昏睡状態にあった死刑囚の生霊であり、無事ぬ~べ~に退治されたのでした。めでたしめでたし。(詳しくは地獄先生ぬ~べ~NEO第8巻を読んでみよう!)
それが生霊なのか、それとも超能力なのかはわからないが、この漫画のように「何者かが他人の夢に侵入している」という可能性も否定できないだろう。
毎晩誰かの夢を覗き見てほくそ笑む、ドリームウォーカー。変態的だけれども、他人の夢を覗き見るのはなんだか楽しそうだ。
ただの実験だった!?
もともと、このThis manの都市伝説が世界中に広まったきっかけは、「EVER DREAM THIS MAN?」というウェブサイトにあるといわれている。
このウェブサイトでThis manの不気味な画像と共に、先ほど紹介したそれらしい精神科医のストーリーが公開されたのだ。
それを読んだ世界中の読者が「私も夢で見たことがある!」「ワイもや!!」と話題になった。
なぜ世界中から目撃証言が集まったか?
そもそも夢で出会った人の顔なんておぼろげにしか覚えていないもの。
そこで夢にこんな不気味な男が夢に出てくる!なんて情報がインプットされたら、「夢で会ったことがあるかも?」なんて錯覚する人もあらわれるだろう。
また、この画像を見たことがきっかけで、その夜にThis manの夢を見る可能性もある。
昼に見たインパクトのある光景は、夢の内容にも影響を与えるからだ。
もともとこのThis manを紹介したサイトは、イタリアのバイラル・マーケティング専門家Andrea Natellaが作成したものといわれている。
つまり、ネット上でデマがどのように広まるか、情報がどのように拡散するかをThis manというデマ情報を使って実験していた可能性があるのだ。
This manの夢を見た患者なんて、もともと存在しない架空のストーリーだったってわけだ。
世界中の人々の夢に現れたThis manは、すべて想像と錯覚が生み出した幻想なのかもしれない。
なぜ、人は夢を見るのか?
そもそも、なぜ人間は眠っている間に夢を見るのか?
- 夢を見ることで記憶の整理をしている。
- 怖い夢は実際に危険に遭遇した時のための予行演習になっている。
- 自分の願望が夢となって現れ、欲望によるストレスを解消してる。
いろんな説があるけれども、実際のところ、その確かなメカニズムは解明されていない。
だけど最新の研究では、夢は自分が直近に経験したことと関連があることがわかってきた。
その日1日で強烈に思い出に残ること、すごく感情が揺さぶられたことが起きると、その内容が夢にあらわれる可能性が高くなるというのだ。
だとしたら、ディスマンが世界中の人々の夢の中にあらわれるのも説明がつく。
ディスマンの不気味な顔と、「夢の中にあらわれる」という不気味な情報がセットになり、その人の脳に強烈な印象を残す。
「ディスマン怖いなぁ~」
「ホントに夢の中に出てきたらどうしよう…」
「夢の中で襲われるってホントかなぁ…」
そんな風に怖がれば怖がるほど、ディスマンは夢に出やすくなるってわけだ。
ディスマンは人類共通の恐怖が作り上げた幻なのかもしれない。
ディスマンは今夜はあなたの夢にもあらわれる!?
「A dream from Poland」
「A dream from Australia」
「A dream from Sweden」
「A dream from Bulgaria」
「A dream from UK」
ディスマンの公式?サイトである「EVER DREAM THIS MAN?」はフェイスブックにアカウントを開いていて、そこには世界中からのThis man目撃証言が集まっている。
ポーランド、オーストラリア、スウェーデン、ブルガリア、イギリス、毎日のようにThis manはどこかの誰かの夢の中に現れているのだ。
確かにThis manは、イタリアに住む奇特なオッサンの悪質な実験の産物なのかもしれない。
しかし、このゲジゲジ眉毛の不気味な男が夢の中に登場するのは、まぎれもない事実だ。
改めてこの画像をよ~く見て欲しい。
「今夜、夢で逢いましょうね」
もしかしたら、あなたの今夜の夢の中にThis manがあらわれる…かもしれない!?