- イエスセット話法は相手に「はい」と答える質問を繰り返すテクニック
- 「はい」と答え続けさせることで「肯定的な雰囲気」を作為的に作り出すことができる
- 肯定的な雰囲気はコミュニケーションを円滑にする
イエスセット話法を知っているだろうか?
この恐るべきテクニックを使う事によって、どんな無理な提案も通すことが出来るし、どんな高根の花の異性をデートに誘ってもOKを貰えるのだ!
この心理的小手先の技術はどの様なものなのか?
どの様に有効利用することが出来るのだろうか?
この記事ではイエスセット話法の内容や使い方をシンプルに説明したい。
イエスセット話法とは?
イエスセット話法、イエスセット法でもいいけれど、このテクニックを使うと相手のイエスを引き出す事が出来る。
使い方はとても簡単。相手が必ず「YES」と答えてしまうような質問を繰り返せはいい。
イエスセット法とは、相手に「ハイ」と次々に答えさせることによって肯定しやすい雰囲気を作りだし、最終的に自分の提案を受け入れさせるというテクニックのことなのだ。
そんな馬鹿な!!と思うだろう。
人間はそんなに単純に出来てはいないと。
しかし人間はこんな簡単なテクニックに、おどろくほど簡単に引っかかってしまう。
その使用例を見てみよう。まずは法外に高い高級羽毛布団の営業だ。
イエスセット話法の使用例
「今日はいい天気ですね?」
「そうですね」
「だけど、最近はすっかり寒くなってきましたね?」
「そうですね」
「寒いのって嫌ですよね?」
「はい」
「夜もだいぶ冷え込むでしょう?」
「そうですね」
「この50万円の高級羽毛布団をローンで買ってくれませんか!?」
「いいですよー!!」
どんな人にでも高級羽毛布団を売りつけられる、驚異の心理テクニックだ。
では次に、自分にとっては高根の花である異性に勇気を振り絞ってデートのお誘いをしてみよう。
「今日はいい天気ですね」
「そうですね」
「東京ディズニーランドって行った事あります?」
「ありますよ」
「東京ディズニーランドは千葉にあるって知ってました?」
「はい」
「とっても楽しい場所ですよね」
「そうですね」
「一緒にデートに行きませんか?」
「行く行く~♡」
ごく自然にデートの約束を取り付けることが出来る。
イエスセット話法を使いこなすことが出来れば、あらゆる夢を実現できるのだ。
イエスセット法のデメリット
そんな、イエスセット話法にはひとつだけ重大な欠点がある。
それは「世の中そんなに甘くはない」って事だ。
どれだけイエスを言わせたところで、簡単に羽毛布団は売れないし、デートのお誘いも成功しない。
大体にして「相手のイエスを引きだす」という考え方自体、傲慢すぎやしないだろうか?
相手への思いやりがぜんぜん感じられない。
このイエスセット話法は、そんな傲慢な考え方で使っていてはまったく効果がないばかりか、相手に嫌われるだけだろう。
テクニックは表面だけマネしても上手くいくもんじゃない。
その裏側にある心理を理解しなければならない。
イエスセット話法の正しい使い方
イエスセット話法は「相手のイエスを引き出す」というよりも「相手の気持ちを嬉しくさせる」ためのテクニックと捉えた方が良い。
自分の我を通すためではなく、相手への思いやりや共感を根っこにおいてこそ効果を発揮する。
「せっかくのデートなのに雨なんて、最悪だね」
(えっ!?)「そ、そうだね…」
こんな会話では、相手は一応同意しているものの、まったくダメダメ。
「雨だから、動物園じゃなく水族館にしようか」
「そ、そうだね!!」
これなら気持ちよく同意してくれるだろう。
万が一、イエスセット話法を使って強引に「イエス」を引き出したとしよう。
相手がホントはいらないと思うような商品を買わせてしまったり。
その相手はいくら「イエス」と言ったとしても、最終的には不満感を覚えるだろう。
それは一時的には自分の利益になるかもしれない。
だけど長い目で見れば、絶対にマイナスになるはずだ。
相手の心からの気持ちよい同意を得るには、相手の気持ちに寄り添って、自分の頭で考えなければならない。
相手に対して否定的な質問はしない。
否定的な気持ちになる言葉を使わない。
それこそが、思いやりだ。
もしそんな心温まる思いやりの積み重ねがあったとしたら、それこそ本当にイエスを引き出せるかもしれない。
イエスセット法はイエスを引き出すのではなく「肯定の積み重ね」でもって、お互いの関係をよくするためのもの。
相手になにかを奪ったり求めたりするものではなく、相手になにかを与えるもの。
コミュニケーションが上手い人は、ごく自然にやっているはずだ。
相手が気持ちよく同意してくれるためには、相手の気持ちをよ~く考えなければならない。
小手先ではない思いやりのあるイエスセット話法ならば、仕事や恋愛でも円滑なコミュニケーションを実現できるハズだ!!