人間には予知能力があるのだろうか?
中には、意味もなく嫌な予感に襲われたり、虫の知らせを感じたことがあって、その予感が当たったことのある人もいるかもしれない。
人間の予知能力に科学的、心理学的にアプローチした実験を紹介しつつ、予知能力の真実に迫ってみよう。
人間には10秒後を予知する力がある!?
ノースウエスタン大学の神経学専門家ジュリア・モスブリッジ氏のチームが人間の予知能力についての面白い実験を行った。
たくさんの被験者を集めて、モニターのある部屋に通す。そこでモニターの前に座らせて、脳波や汗、心拍数などの計器を取り付ける。
その後、目の前のモニターにランダムで”普通の映像”と”怖い映像”とを見せるのだ。
普通の映像が流れても、被験者の身体は何の反応も示さない。だけど怖い映像が流れると、無意識レベルで脳波に反応が出たり、手が汗ばんだり、心拍数の上昇、瞳孔の収縮が現れる。
このランダムで流れる”普通の映像”と”怖い映像”をしばらく眺めていると、とても不思議なことが起こった。
完全にランダムであるはずが、被験者は怖い映像が流れる10秒ほど前から「怖い映像を見た時の反応」を始めたというのだ。
もちろん、普通の映像が流れる10秒前には何の反応も示さない。
つまり、被験者は無意識的に”10秒前から怖い映像が流れることを知っていた”という事になる。
どのような原理かは不明だが、人類はその進化の過程で、恐怖や生命の危機を事前に察知できるよう第六感を発達させてきたのかもしれない。
「悪い予感」や「予言」の正体は、進化した第六感なのではないだろうか!?
人間は無意識に未来を感じている
プリンストン大学のロジャー・ネルソン教授を中心に、人間の意識の力を解き明かすための「地球意識プロジェクト」という壮大な実験が行われている。
地球意識プロジェクトは「乱数発生器」を使って実験をしている。
乱数発生器は0と1の乱数を完全に2分の1で発生させることができる精密機器のことで、素粒子の”ある特性”を利用して作られている。
通常ボールを壁に投げれば、100%の確率で跳ね返って手元に戻ってくる。しかしミクロの世界の「素粒子」は違う。ヘンテコな話だが、素粒子はある一定の確率で壁を突き抜ける性質を持っている。
この性質を利用し、素粒子を当てる壁の厚さを調節して”素粒子が壁をすり抜ける確率”と”跳ね返る確率”を完全なる2分の1にする。こうすることで、0と1の出る確率が完全に2分の1になる乱数発生器が作れるのだ。しかも電磁波や大気などの様々な外的要因の影響を受けないように、乱数発生器には頑丈な合金でカバーされているといった徹底ぶり。
コインの裏表よりも確実に正確に、0と1の乱数を作りだす。
そんな0と1の発生確率がまったく同じ乱数発生器であるが、人間の”意識”によってその発生確率に偏りが生じるという。
それを地球規模で計測しようというのが「地球意識プロジェクト」というわけ。
地球意識プロジェクトでは、地球上のいろんな国々に乱数発生器を設置して、その偏りを計測し続けている。
たとえば、ある国で大規模な”お祭り”があった場合、何万人という人々がひとつのところに集まり熱狂することで乱数発生器に偶然とは思えない偏りが生じるという。その祭りが最高潮に達した瞬間に、乱数発生器も大きく乱れるのだ。
人間の目に見えない”意識”ってやつが、鋼鉄のカバーに覆われた素粒子に影響を与えている可能性があるのだ。
世界規模で乱数発生器が異常値を示した事件
この乱数発生器が計測史上最高の規模で大きく乱れた大事件がある。
2001年9月11日アメリカで発生した同時多発テロだ。
この大事件が発生したとき、世界中の乱数発生器が異常な数値を示した。
しかし最も注目すべきは、事件が発生する前から乱数発生器には明確な変化が発生していたという事だ。
それまでは乱数発生器の数値にまったく異常はなかった。しかし事件当日の早朝4:30から、乱数発生器は通常では考えられないような異常な反応を示しはじめていた。
この時間帯はまだハイジャックが発生していないばかりか、ハイジャックされる予定のボーイング機も離陸していない状態であったのに。
人間の意識が乱数発生器に影響を与える仕組みはわかっていない。もちろん、大事件が起きて乱数発生器に変化が現れる理由もまだわかっていない。
事件が発生する前から、あたかも未来を予知したかのように乱数発生器に異常が見られた原因もまったく不明だ。
しかしこの実験結果をみると、大規模な事件や災害が起きる前から人間の第六感はそれを感じ取れる可能性があるとはいえないだろうか?
人間は誰しもが未来を予知する第六感を持っている。そして予言者というのは、この第六感を強烈に感じる力を持っているのかもしれない。
無意識に感じた未来が「予知夢」や「予言」となって現れる可能性もゼロではないだろう。
人類は種の繁栄の為に予知能力を利用している
大地震の前に犬や猫が騒ぎ出す、ナマズが暴れる、深海魚が浜辺に打ち上げられる、そんな動物の異常行動があるといわれている。もし動物に未来に起きる大地震を予知できるとしたら、人間にも同じことが出来るはずだ。だって、人間の大脳新皮質の奥には、太古の昔から培った”原始的な脳”があるのだから。
動物よりも脳が発達した人間であれば、より精度が高く確実な予言を行う事も可能なのではないだろうか?
人間という種を存続・繁栄させるため、100万人に1人程度の割合で危機を察知する能力に優れた「予言者」が生まれて人を導く…。
もしかしたら人間は、その進化の過程でそんな力を手に入れているのかもしれない。
そういえば、人類繁栄のキッカケとなる文化や文明の背後には必ず「予言者」がいたような…。
いつか研究が進んで脳と意識の仕組みが解明されたとしたら、未来予知や予言者の存在も科学的に立証できるかもしれないッ!