「あれ…この場所、前も来たことあるような…?」
「!?この瞬間、確かに前も経験したぞ?」
こんな未体験の出来事をあたかも体験したことがあるように錯覚する感覚をデジャヴ(既視感)と呼ぶ。
はじめて登山して、山頂で見下ろした景色。
はじめて来た街の、裏路地の風景。
はじめて遊びに行った遊園地で行列に並んだ瞬間。
「あれ、昔見たことがある…」なぜかそう感じてしまう。
不思議な感覚だけれど、デジャヴは多くの人が、実際に体験したことがあるだろう。
これと似たような感覚に”ジャメヴ”というのもある。
ジャメヴはデジャヴとは逆で”いつも体験していることが未体験なように錯覚する”というヘンテコな感覚。
数年ぶりに帰ってきた実家の、自分の部屋。
いつも通い慣れた通勤途中の小道。
毎日会っている同僚の顔。
「あれ、こんなだったっけ…?」そんな、初めてみるような違和感。
ジャメヴの方が頻度は少ないかもしれないけど、こんな感覚に襲われた人もいるだろう。
なぜデジャヴやジャメヴは起きるのか?
その原因はどうやら脳みその中にありそうだ。
デジャヴが引き起こされる4つの原因
記憶の類似性
脳は”類似性”に敏感にできている。
過去にとんでもなく危険な目にあった場所や状況があったとして、脳は再び同じ危険にあわないように似た場所や状況の”類似性”を探し、危険信号を発する。
物事の類似性を見つけるのが得意な脳は、その優秀な能力のおかげで、時に誤作動を引き起こす。
これがデジャヴの正体だ。
もし、はじめて見た風景にデジャヴを感じたとしたら、それは脳の奥底で自分でも忘れていた記憶の断片との”類似性”があるのかもしれない。
つまり、昔見た風景と、今見ている風景が、ちょっと似ていたってこと。
田園風景が広がる田舎。
高層ビルが立ち並ぶ都会。
風景にはある程度のパターンがあり、私たちはそれを記憶し、また想像し、予測できる。
まったく新しい景色なんて、異世界に転生しない限りで会えないのかもしれない。
風景も体験も、人間が想像できる範囲内に収まる限り、デジャヴが起きる可能性はあるってわけだ。
そのデジャヴを補強するのが、脳の圧倒的な記憶力。
人間の脳は、生まれてこのかた体験したあらゆる情報を記憶しているといわれている。
自分たちが意識できる記憶は、全体の2%ほどしかないとか。
たまたま目の端が捉えていた、テレビ画面の風景。
街ですれ違っただけの人々の顔や服装。
無意識に見たすべての風景の中から、目の前の風景と似ているものがあった場合「前に見たことがある!!」と感じてしまう。
デジャヴで前に見たことがあると感じても、いつ頃に見たことがあるのかまったくわからないのは、見たことがない風景なのに見たことがあると勘違いしているからなのだ。
脳の誤認識
もう一つの可能性は、脳の誤認識。
デジャヴを最も多く体験するのは旅行中なのだとか。
旅行中は普通の生活よりも疲労がたまりやすく、自分でも気づかないうちにストレスを感じたり、睡眠不足などで脳に負担がかかっている場合が多い。
それでいて”新しい体験”という刺激もたくさん。
この脳への負担が、脳の誤作動を引き起こす。
初めて訪れた場所なのに、脳が疲れているせいで「見たことがある」と勘違いしてしまうのだ。
並行宇宙の記憶
日系のアメリカ人で理論物理学のミチオ・カクは、デジャヴの正体は多次元宇宙にあると指摘する。
この世界はひとつひとつの選択の結果、無数のパラレルワールドができ続けている。
ランチで焼肉定食を選んだパラレルワールド、焼き魚定食を選んだパラレルワールド、どうでもいいようなパラレルワールドから重要なパラレルワールドまで、分裂を繰り返し、増え続ける。
宇宙はひとつではなく、たくさんの宇宙が重なり合って存在しているのだ。
多次元宇宙とのコンタクトのカギを握るのが、量子デコヒーレンスだ。
あの有名な「シュレーディンガーの猫」では、箱の中の猫は量子学的に「死んだ猫」と「生きた猫」が重なり合わさっている状態なのだとか。
これが”観測”などの外部干渉の影響で、どちらかが消失(デコヒーレンス)してしまう。
これが量子デコヒーレンスだ。(言っている意味が自分でもわからない!)
私たちの世界は、箱の中にいるシュレーディンガーの猫と同じように、多次元宇宙が重なり合って存在している。
これに何らかの干渉(あるいは神の”観測”)が加わることで、瞬間的に多次元宇宙の”先触れ”に触れられる。
これこそがデジャヴの正体。
「ここ、見たことある!」という錯覚は、多次元宇宙の情報によってもたらされるというわけだ。
…わけがわからん!!
蘇る前世の記憶
私たちは何度となく人生を繰り返し、生まれ変わっている。
そんな中で、まれに前世の記憶を持ったまま生まれてくる人もいる。
”前世の記憶”は世界中に例があり、前世の記憶を専門とする研究者もいるほどだ。
また、特別な人間でなくても、幼児期には母親の胎内にいた記憶を持っている子もいるし、母親の胎内にくる”前”の記憶を持っている子もいるとか。
「お空の上で見てて、おかあさんが、優しそうだから選んだんだよ」
なんてことを言っちゃうお子さんもいる。
こういった生まれる前の記憶は、新しい人生でたくさんの経験を重ねるごとに消えていってしまう。
しかし、ある種の”きっかけ”でふと思い出すこともあるだろう。
それがデジャヴの正体。
”見たことがある景色”は生まれる前に魂がおぼえていた記憶なのかもしれない。
ジャメヴの原因とは?
本来ならよく知っていることを、まるで知らなかったかのように錯覚するジャメヴという現象。
その原因とはなんなのだろう?
脳の誤認識
デジャヴの原因でも紹介した「脳の誤認識」。
これはデジャヴだけでなく、ジャメヴの原因にもなる。
ストレスや睡眠不足などで脳が疲れていると、いつものことがまるではじめてのことのように錯覚してしまう。
何らかの精神疾患
ジャメヴの原因は、何らかの精神疾患や脳の異常の可能性もゼロではない。
認知症、記憶障害、てんかん、統合失調症、そんな疾患がジャメヴを引き起こすともいわれている。
たしかに「よく知っていること」を「まったく知らない」と勘違いするのは、軽度の記憶喪失症状ともいえる。
もしジャメヴの感覚が頻繁に起こっていたり、長時間ジャメヴ状態に陥っていて"いつものこと"が思い出せない状況になっていたら、念のために病院に行って検査してもらった方がいいかもしれない。
異世界(並行世界)に紛れ込んでしまった可能性も
いつも歩いている駅への道が奇妙に感じたとしたら、それは本当に自分が知っている道ではないのかもしれない。
毎日顔を合わせる家族が見知らぬ他人のように感じられたら、それは本当に自分が知っている家族ではないのかもしれない。
先ほど少し紹介した通り、この世界にはパラレルワールドがいくつも重なり合って存在しているという。
何らかのきっかけでその並行世界に紛れ込んでしまったとしたら…その世界は今まで知っていた世界とは少し違っていて、でもほとんど同じという奇妙な世界なのだろう。
いつもの風景もほとんど同じ、だけどちょっとだけ違う。
もしそんな感覚が続いているとしたら、あなたはすでに異世界に足を踏み入れているのかもしれない…。
デジャヴとジャメヴが頻繁に起きるなら注意が必要です
デジャヴの原因
- 記憶の類似性
- 脳の誤認識
- 並行宇宙
- 前世の記憶
ジャメヴの原因
- 脳の誤認識
- 何らかの精神疾患
- 異世界に紛れ込む
私たちの脳みそは、思いのほか正確ではなく、よく勘違いや誤作動を引き起こす。
これが主なデジャヴやジャメヴの原因みたいだ。
個人的には、重なり合う宇宙の影響とか、前世の記憶の方が面白いんだけど。
まあ、デジャヴにしろジャメヴにしろ、あまりにも頻繁に起きる場合は注意が必要。
「うっ!頭が痛い…前世の記憶が蘇るッ!!」
「この世界は…?どうやら紛れ込んでしまったようだな…」
なんて言っている前に病院に。
何らかの記憶障害の可能性もあるので、念のため脳の精密検査を受けてみた方がいいかもしれない!?