2018年2月24日、アリゾナ州を飛んでいた民間の飛行機パイロットから、相次いでUFOの目撃報告があったという。
UFOの目撃報告を受けたアメリカ連邦航空局は、パイロットと管制官とのやり取り音声を公開した。
はたしてどのようなやり取りがあったのだろうか?
目撃されたUFOの正体とはなんなのだろーか??
旅客機よりも遥か上空に未確認飛行物体が!!
まずは、UFO目撃情報を伝えるCNNとハフィントンポストの記事を抜粋して紹介したい。
未確認飛行物体が観測されたのは2月24日。ニューメキシコ州アルバカーキの管制塔に、リアジェットのパイロットとアメリカン航空のパイロットから連絡が入った。FAAは管制塔とのやり取りを録音した音声も公開している。
それによると、まずリアジェット機から、「30秒ほど前に、何かが我々の上空を通過したのか」という問い合わせが入った。
管制官が「いや」と否定すると、パイロットは「何かが通過したんだ」と伝え、「UFOだ!」と誰かが応じている。
その数分後、管制塔は付近を飛行していたアメリカン航空1095便に連絡を取り、「この先15マイルの地点で上空を何かが通過したら知らせてほしい」と告げて、事情を説明した。
同機からは間もなく返答があった。「こちらアメリカン1095。確かに、何かが我々の上空を通過した」「正体は分からないが、少なくとも我々の2000~3000フィート上空だった。確かに我々の真上を通過した」
1095便はサンディエゴからダラスへ向かう途中だった。
次にハフィントンポストの記事を紹介したい。
2月24日、アリゾナ州南東部の砂漠を飛んでいた、小型機リアジェットのパイロットが「上空を何かが通った」と、航空交通管理センターに報告した。
パイロットは「何かわからないけど、飛行機じゃなくて...正反対の方向に飛んでいった」と話した。
管制官は近くを飛んでいたアメリカン航空のパイロットに、もし上空で何かを見たら知らせてほしいと伝えた。
「何かが上空を通り過ぎたら?」 アメリカン航空のパイロットは当惑した声でたずねた。
しかし、数分後に彼は「何か」を見た。
「いま、ちょうど何かが上空を通ったよ。何かはわからなかったけど。でも、少なくとも2~3千フィート上空だった」。アメリカン航空のパイロットは続けた。「そう、上空を飛んでいったよ」
アメリカン航空のパイロットは、それが何かはわからなかったが、「大きな反射光を放っていた」と証言。飛行機とは違う方向に向かったと答えた。
無線の会話は続く。
「Googleの気球かな?」「違うだろ」というやりとりに続いて、誰かが「UFOだ」と、まるでそれが当然であるかのように応えた。
では次に、これらの記事で紹介された管制官とパイロットの間で交わされた会話を、わかりやすくまとめてみよう。
小型リアジェット機パイロット「30秒ほど前に、何かが我々の機体の上空を通過したんだけど…?」
アルバカーキの管制官「いや、なにも飛んでないし、そんな報告は受けてないよ」
小型リアジェット機パイロット「なにかが飛んでいたんだ。何かわからないけど、飛行機じゃなくて…正反対の方向に飛んでいった」
アルバカーキ管制官「わかった、じゃあその地域を飛ぶ予定の他の航空機にも聞いてみるよ」
アルバカーキ管制官、サンディエゴからダラスへ向かうアメリカ航空のパイロットに連絡を取る。
アルバカーキ管制官「この先15マイルの地点で上空を何かが通過したら知らせてほしい」
アメリカン航空パイロット「なにか…?」(困惑)
(数分後)
アメリカン航空パイロット「いま、ちょうど何かが上空を通ったよ。何かはわからなかったけど。でも、少なくとも2~3千フィート上空だった」
アルバカーキ管制官「マジで!?」
アメリカ航空機パイロット「そう、上空を飛んでいったよ。何かはわからないけれど、大きな反射光を放っていた」
アルバカーキ管制官「「Googleの気球かな?」
アメリカ航空機パイロット「違うだろ」
このような会話が交わされているとき、誰かが「UFOじゃない?」なんて言ったという。
では、このUFOはアメリカのどのあたりで目撃されたのだろうか?
UFOはソノーランデザート国定公園と、ニューメキシコ州の国境との間で目撃されたという。サンディエゴからダラスへ向かう航空機のパイロットが目撃し、アルバカーキの管制塔へ報告した。
それぞれの位置関係をグーグルマップで確認すると、恐らく赤丸で囲んだ地域のどこかでUFOが飛んでいたということになる。
アメリカン航空の航空機は約37,000フィートで東に飛行していたので、目撃されたUFOは約40,000フィート(12,192m)の上空を西に飛行していたということになるだろう。
このUFOの正体とは何なのだろうか!??
UFOの正体は??
アメリカでUFOの目撃事件が多数報告され始めたのは、1950年頃から。
そのころはアメリカとソ連が冷戦状態で、そういった目撃情報は最初「ソ連の秘密兵器では?」と思われていた。
しかし次第に地球外生命体が乗る宇宙船、いわゆるエイリアン・クラフトではないかと話題になり、アメリカ中に大ブームを巻き起こす。
UFO目撃事件は何千件も報告されたが、その目撃事件の90%以上は何らか物体を誤認しただけであるといわれている。
金星や火星、隕石、鳥、大気のイオン化などの何らかの気象現象…その中でもUFOの誤認事件として多かったのが「スカイフック気球」だ。
画像:Wikipedia「スカイフック気球」より参照
スカイフック気球はアメリカ海軍が大気の研究のために飛ばしていた特殊な観測用気球。
もちろん、そんなものが飛ばされているなんて民間人は知る由もなく、「奇妙な物体が飛んでいた!!」というUFO目撃事件を多数量産することとなる。
有名なトーマス・マンテル大尉のUFO目撃事件も、その正体はスカイフック気球であるといわれている。(トーマス・マンテル大尉は戦闘機でUFOを追撃し、高度25,000フィートまで上昇、酸欠状態で気を失い墜落!命を落とした)
しかしスカイフック気球を使った研究は、1950年代には終了している。
今回のUFO目撃事件がスカイフック気球の誤認であった可能性はゼロといっていいだろう。
かわりに登場したのが「Googleの気球じゃないか?」という説だ。
なんとグーグル社は気球を使ったProject Loon(プロジェクト・ルーン)という計画を行っているという。
ルーン計画では、通信設備が整っていない地域に通信機能を搭載した特殊な気球を飛ばすことで、どこでもインターネット接続ができることを目指している。
これが実現すれば、な~んにもない砂漠の真ん中でも、標高何千メートルの山の上でも、ジャングルのど真ん中の秘境でも、「いい感じのカフェはある?」なんて検索できるかもしれない。
画像:Wikipedia「Project Loon」より参照
もしこんなヘンテコな形をしている気球が飛んでいたら、UFOと誤認するのも致し方ない!!
プロジェクト・ルーンで飛ばす特殊気球は地表から20kmの成層圏に飛ばすという。
今回目撃されたUFOは、地表から約12kmの地点を飛んでいたと報告されている。必ずしもプロジェクト・ルーンの気球であるとは限らないが、何らかの秘密実験を行っていたという可能性もゼロではないだろう。
「飛行機の進行方向とは逆の方向に飛んで行った」という目撃証言も、それがあまり動かない気球であったのなら頷ける。パイロットの目から見れば、動かない気球は「飛行機とは正反対の方向に飛んでいく謎の物体」に見えるはずだから。
まとめ
UFOが目撃された時点で、UFOと誤認する可能性のある他の飛行機は飛んでいなかった。
高高度を飛行する鳥はUFOとよく誤認されるけど、鳥類が航空機よりも上空を飛行することは不可能。2人のパイロットが目撃していることからも、金星や火星の誤認とは考えずらい。数分のタイムラグがあるにもかかわらず目撃されたことを考えると、隕石というのも無理な気がする。近日中に地球に落下する予定の中国の衛星というわけでもないだろう。
だとしたら、グーグル社の特殊な気球というのも、あながち間違っていないかもしれない。
もちろん、アメリカ軍が秘密裏に開発した特殊なドローンかもしれないし、未来人の乗ったタイムマシーンかもしれないし、ホントに宇宙人が乗った宇宙船かもしれない。
今後の調査で真相が判明してくれることを期待せざるを得ない!!