「育毛剤を使ったら髪の毛が生えてきた人」
というのは、この世の中に存在しない。
友人、知人、親戚のおじさん、どこを探してもいない。街中でハゲを見つけて1,000人くらいアンケート調査してもいないだろうし、恐らく「この育毛剤で髪の毛が生えてきたんだ!」という人にあったことがある人もいないだろう。
その理由は単純明快で、育毛剤には一度抜けた髪の毛を再び生やす効果はないからだ。
最近、抜け毛が増えてきたな…。
そんな悩みを抱えている男性は多いだろうし、最近では女性の薄毛の悩みも増えている。
薄毛改善のためにとりあえず育毛剤を使う、多くの人がそう考えるはずだ。
だけど、ちょっと待ってほしい。
今回は薄毛が引き起こされる理由と、本当に育毛効果のある3つの方法を紹介したい。
抜け毛が増えて薄毛になってしまう理由
男性であれ、女性であれ、抜け毛が増えて薄毛になってしまう理由は同じだ。
その薄毛になってしまう理由を、わかりやすく2つにわけてみたい。
①男性ホルモンの影響による薄毛
②それ以外が原因の薄毛
まずは、薄毛の原因の概要について、それぞれを簡単に説明しよう。
女性も注意!男性ホルモンの影響による薄毛
薄毛に悩んでいる方のほとんどが①の「男性ホルモンの影響による薄毛」に分類される。
専門用語でいうとAGA(男性型脱毛症)ってやつで、女性の場合はFAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれる。
どちらも男性ホルモンが頭皮に影響して抜け毛が増えてしまう。(男性ホルモンによって抜け毛が増えるシステムは後述する)
AGA(男性型脱毛症)の場合はおでこや頭頂部からだんだんとハゲが広がってくる。
FAGA(女性男性型脱毛症)は男性とは違い、頭頂部を中心として頭髪が広範囲にわたって薄くなる。
今回この記事で紹介する「科学的根拠のある3つの育毛法と抜け毛予防方法」は、主にAGAやFAGAを改善するための方法だ。
なので②の「それ以外が原因の薄毛」には効果を発揮しないし、それぞれの原因に見合った治療を施す必要がある。
次に「男性ホルモン以外が原因の薄毛」の概要を説明したい。
病院で相談を!男性ホルモン以外が原因の薄毛
男性ホルモン以外が原因の薄毛として最もポピュラーなのが「円形脱毛症」だ。
円形脱毛症といえばストレスで発症すると考えられがちだけれど、実際は免疫システムの異常によって引き起こされると考えられている。
なのでストレスを感じていない子どもでも発症するし、アトピー性皮膚炎だと発症リスクが上がるともいわれている。
円形脱毛症の改善に普通の育毛剤を使ってもまったくの無駄。
ほとんどの円形脱毛症は自然治癒するが、確実に改善するためにも皮膚科を受診して適切な治療を受けるのが大切だ。
脂漏性皮膚炎と呼ばれる頭皮の炎症で薄毛になるケースもあるが、これはマラセチアと呼ばれるカビの一種が原因。これもまた育毛剤は意味がなく、皮膚科で治療を行う必要がある。
加齢が原因の薄毛もあるけど、これは老化のひとつであり、ある程度はしょうがない。男性であれ女性であれ、65歳以上になってから始まった薄毛はどうやっても改善するのは難しい。身体を若返られせるのが難しいように。健康的な食生活と生活習慣で老化を遅らせるくらいしかできないだろう。
さらに僅かではあるが、「何らかの内臓疾患が原因の薄毛」や「薬の副作用による抜け毛」のケースもある。
その場合も育毛剤や頭皮マッサージは無意味なので、かかりつけの医師に相談する必要があるだろう。
- 円形脱毛症→皮膚科で治療
- 脂漏性皮膚炎→皮膚科で治療
- 加齢による薄毛→改善不可
- 何らかの疾患が原因の薄毛→まず病気を治すのが大切
- 薬の副作用が原因の薄毛→薬を変えてもらったりする
脱毛ホルモン「ジヒドロテストステロン」が抜け毛を引き起こす
男性であれ女性であれ、男性ホルモンの影響で抜け毛が増えると紹介したが、そのメカニズムについてもう少し詳しく説明しよう。
そもそも男性ホルモンのテストステロンはやる気を増やしたり、筋肉量を増やす作用がある。男性はもちろん、男性に比べて圧倒的に少ないものの女性でも分泌されている。
中年期以降にテストステロンの分泌が減ると、男性だって更年期障害になってしまうこともあるくらい、健康維持に欠かせない大切なホルモンだ。
実は、このテストステロン自体は、直接的に抜け毛の原因にはならない。
テストステロンが頭皮に存在する5αリダクターゼという酵素と反応すると、DHT(ジヒドロテストステロン)という強力なホルモンが生成される。
このDHTこそが薄毛の元凶であり、頭皮に存在する毛乳頭細胞に作用し、活動を低下させ委縮させてしまうのだ。(不思議なことにDHTはヒゲや体毛を濃くする作用があり、部位によって作用が正反対になる)
体質的、遺伝的にテストステロンの分泌量が多かったり、頭皮に存在する5αリダクターゼが多かったりすると、DHTが大量に作られてしまい、AGA(男性型脱毛症)が引き起こされてしまう。
5αリダクターゼは側頭部や後頭部にはあまり存在しないので、AGAが進行してもハゲるのは前頭部や頭頂部だけ。5αリダクターゼが薄毛に強い影響力を持っているのがわかるだろう。
女性も中年期以降に女性ホルモンの分泌が減ると、相対的に男性ホルモンの働きが優位になる。そのため、頭皮のDHTが増えてしまいFAGA(女性男性型脱毛症)が引き起こされてしまうのだ。
ポイント
- テストステロンが頭皮の5αリダクターゼと反応するとDHTが生成される
- DHTはヘアサイクルを乱し、AGAやFAGAの原因となる
- 5αリダクターゼは側頭部や後頭部にはあまり分布していない
- 女性でも女性ホルモンが減るとDHTの悪影響で抜け毛が増える
世の中に蔓延する間違った薄毛対策
大切なことなのでもう一度言うけれど、薄毛が引き起こされる原因は脱毛ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)にある。
少なくともAGAやFAGAを改善するには、DHTの量を減らすしか方法がない。
にもかかわらず、世の中に蔓延する育毛対策のほとんどがDHTにアプローチしない間違ったものばかり。
それらがいかに無意味かを説明しよう。
ストレスや栄養不足は抜け毛・薄毛の原因にはならない
よくストレスでハゲるとかいわれるけれど、それはまったくのデタラメだ。
世の中にはすさまじいストレス下で仕事をしているにもかかわらず、フサフサの髪の毛を維持している人もいるし、まったくストレスを感じていないお気楽な生活を送っているっていうのにハゲている人もいる。
確かに強烈なストレスを慢性的に感じていると、交感神経が常に興奮状態になってしまい、毛細血管が収縮してしまう。その結果、頭皮の血流が滞る可能性もあるが、それでも頭皮の血行が悪くなったからといって必ずしも薄毛が引き起こされるわけではない。
ストレスと薄毛にはほとんど関係がないといっていいだろう。
また、最近では過度のダイエットが原因の「栄養不足による抜け毛・薄毛」も増えているといわれている。
確かに髪の毛はケラチンというたんぱく質でできているので、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足すると健康な状態に維持できなくなってしまう。
とはいえ、拒食症レベルで食べ物を摂取しない限り、頭皮が目立つほど薄毛になることはないし、たとえそうなってしまったとしても栄養不足を改善すれば再び健康な髪の毛が生えてくるだろう。
頭皮マッサージは薄毛対策の基本、なんていわれているけれどAGAやFAGAを改善する効果はほどんど見込めないだろう。
よく考えればわかることだけど、頭皮の血行を促進したからといってジヒドロテストステロンの生成量は減らない。むしろ血液中のテストステロンがより多く供給されることでDHTが増えちゃうかもしれない。
確かに血流が良ければ毛乳頭への栄養補給も十分に行われるけれど、薄毛を改善するほどの効果は見込めないだろう。
ポイント
- ストレス、栄養、頭皮マッサージ、すべてAGA(男性型脱毛症)やFAGA(男性型脱毛症)の発症や進行とほとんど関係がない。
- 関係があるといっているのは薄毛対策で金儲けをしようとしている企業や研究者だけ。
よく考えればわかる育毛剤で髪の毛が生えてこない理由
世の中にはたくさんの育毛剤が発売されているけれど、それらのほとんどが失った髪の毛を再び生やす効果を持っていない。
育毛剤の広告ではあたかも髪の毛が生えてくるような印象を受けるかもしれないが、自分の身近で実際に「育毛剤で髪の毛が生えてきた!」なんていっている人は見たことがないだろう。
親戚のおじさん、友達の友達まで探しても「育毛剤で髪の毛が生えてきた人」は存在しなはずだ。
なぜなら、育毛剤には発毛を促す有効成分が一切入っていないから。
もし育毛剤を持っているのなら、試しに育毛剤の裏に記載されている「成分表」を確認して欲しい。
多くの製品が「有効成分」と「その他の成分」とで分けて表記してあると思う。
「有効成分」は厚生労働省が定めた「身体に何らかの薬効をもたらす成分」のこと。
「その他の成分」は、香料や防腐剤も含めた製品を構成する成分で、厚生労働省がその効果を認めていない「使ってもほとんど意味がない成分」だ。
育毛剤に含まれる有効成分としては、例えばセンブリエキスやグリチルリチン酸などが有名。
だけどこれらの有効性に育毛効果は一切ない。
成分名 | 効果・効能 |
センブリエキス | 血行促進作用 |
グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症作用 |
ジフェンヒドラミンHCL | 抗炎症作用 |
育毛剤でどれだけ頭皮を血行促進しようが、頭皮の炎症を抑えようが、ジヒドロテストステロンが生成される量は同じ。
市販の育毛剤にはAGAやFAGAを改善する作用はまったくない!!
そしてそれは、育毛剤を販売する側もよ~くわかっている。
育毛剤には発毛効果がないし、しっかりとしたエビデンス(科学的根拠)があるわけではない。
そのため、広告で「髪の毛が生えてくる」という表現を使うことができないのだ。
ここで例として育毛剤の刺激的なネット広告を少し紹介しよう。
「定期購入者の90%が満足している!!」
→”髪が生えた”と記載していないところがポイント。使用感に満足しているから取って髪の毛が生えてくるわけじゃない。
「万が一、満足できなければ全額返金いたします!」
→全額返金は定期購入が前提条件で、しかも全額返金の対象は初回購入分だけ。途中解約できずにトラブルも多発している。しかも箱や書類を同封して郵送しなければならないし、電話での連絡が必須で、スタッフにしつこく説明を求められるおまけつき。ほどんどの購入者が全額返金手続きをしないであろうことを見越したうえでの”返金商法”だ。
「育毛剤○○は第三者機関で商品検査を行っています!」
→いかにも発毛効果をしっかり検証している印象を与えるが、ただ安全性の検査を行っているだけ。そもそも医薬部外品は効果が薄いので、副作用の危険性はほぼない。
モンドセレクション金賞受賞!!
→モンドセレクションは成分が表記通りに配合されているかを確認することしかしない。モンドセレクションを受賞したからといって、優れた育毛効果がある証明にはならない。
「天然成分エキスを○○配合!」
→天然エキスは「その他の成分」に分類される。このような有効成分以外の「その他の成分」がたくさんの配合されていたとしても、それらに新しい髪の毛を増やす効果はほとんどない。
さらに特筆すべきは、ほとんどの育毛剤が”外注”で製造されているということ。
医薬品というものは、本来であればその製品の開発や製造に多額の資金を必要とする。
成分の研究や、安全性の臨床試験、厚生労働省の認可まで、プロジェクトが発足してから10年以上かかることだってある。
育毛剤だって同じで、いちから開発しようとしたら、それはもう凄い労力と開発費がかかるだろう。
だけど外注で専門の業者に頼めば、成分を選ぶだけで簡単に新しい育毛剤をつくることができる。
これをOEM(original equipment manufacturer)と呼ぶ。(OEMとは他社企業のブランドを開発・製造すること)
大手の製薬会社は薬の開発や製造に専門の研究室を設けていて、莫大な研究費を投じている。
そのような施設を持っておらず、自社特有の技術や専門の製造ラインを持っていない企業は、製品の製造を外注するしかない。その外注を請け負うのがOEM会社だ。
育毛剤のOEMで超有名な会社があり、ネットで有名な育毛剤のほとんどがその会社を使っている。
そのOEM会社のホームページには育毛剤OEMのメリットが紹介されている。
効能・効果がうたえる有効成分が配合できる!
「短納期」「小ロット」で資金が少なくてもはじめられる!
”売れる”育毛剤をつくる万全のサポートをしてくれる!
ちょっとした資金と気の利いた宣伝文句さえあれば、明日からでも新しい育毛剤ブランドを立ち上げられそうだ。
「チャップアップ効かないな~。よし、次はイクオスを試してみよう!」
なんて有名な育毛剤を色々と試しては、髪が生えずにガッカリしている人がいるかもしれない。
しかし、それすべての育毛剤がOEM商品だとわかれば納得。違う商品だと思っていた育毛剤の内容がほとんど同じなのだから、髪が生えないのも当たり前だ。
注意ポイント
- 育毛剤に配合された有効成分にはジヒドロテストステロンの生成を抑える効果はない
- 育毛剤の広告は消費者に”間違ったイメージ”を与えるよう工夫されている
- 市販の育毛剤のほとんどが外注で製作されていて、内容も似たり寄ったりになっている
高価なスカルプシャンプーを使ってもまったく意味がない
薄毛対策として頭皮に優しいスカルプシャンプーを使っている方も多いかもしれない。
だけど、残念ながらAGAやFAGAに対してスカルプシャンプーはまったく意味がない。
頭皮が汚れていようが、清潔であろうが、ジヒドロテストステロンの生成量には一切影響がないからだ。
「毛穴に汚れが詰まっていると抜け毛や薄毛の原因になる」というのも、金儲けしたい業者が作り上げたウソ。
髪の毛は毛根の奥にある”毛母細胞”が細胞分裂を繰り返しすことで作られている。
毛母細胞の活動は毛穴が詰まったからとって衰えることはないし、新しい髪の毛が伸びてくる過程で毛穴に詰まった汚れも押し出されてしまう。
少しくらい頭皮が汚れていても、髪の毛を作り出す作用には一切悪影響はない。
例えば「脂漏性皮膚炎」が原因の薄毛であれば、頭皮の炎症を防ぐためにも、毎日のシャンプーは重要だ。
だけど、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)の改善のためにはほとんど意味がないだろう。
もし頭皮の汚れが本当に薄毛に繋がるとしたら、毎日洗髪する習慣のない国の人や、そもそも洗髪の習慣がなかった時代の人たちはハゲばっかりだったはず。
だけど実際にはそんなことはない。
むしろシャンプーで毎日洗髪をすることの方が頭皮への刺激となって薄毛リスクを上げてしまう。
その意味でいえば、安物のシャンプーを使うよりも成分にこだわったスカルプシャンプーを使う方が頭皮への刺激は抑えられるかもしれないが…。
ポイント
- 毛穴の汚れはAGAやFAGAの原因にはならない。(脂漏性皮膚炎であれば有効)
- スカルプシャンプーを使うことが育毛に繋がらない。
- 毎日界面活性剤の配合されたシャンプーを使う方が頭皮への刺激になる。
育毛サロンで髪の毛が生えてこない理由
育毛業界というのは、そりゃあもう胡散臭いところ。
どんな薄毛対策にも即効性があるものはないし、効いてるのか効いていないのかわかりづらい。
だから高額なだけで意味のない薄毛対策サービスを行っているところも多い。
特に育毛サロンなんかは要注意だ。
例えば育毛サロンが専用で製造した育毛剤や育毛サプリメントを高額で売り付けられることもある。
ヘッドスパで頭皮の汚れを除去して数万円!なんてところもあるけど、先ほども説明した通り、頭皮が汚れていたから取ってAGAの原因にはならないし、ほとんど意味がない。
同様に専門のスタッフがどれだけ丁寧に頭皮マッサージをしてくれても、AGAやFAGAの改善にはつながらない。
世の中には本当に効果のある薄毛治療のための内服薬や外用薬があるけれど、育毛サロンはそれらを使うことができない。
なぜなら育毛サロンは医療機関ではないからだ。
育毛サロンが提供できるのは「頭皮ケア・サービス」であり、「薄毛治療」ではない。
この差は果てしなく大きい。
もし頭皮ケア・サービスに高額を支払うくらいなら、適切な薄毛治療を行った方が遥かにマシだ。
ポイント
- 育毛サロンは頭皮マッサージや育毛剤など、個人でできるレベルの育毛対策を高額で提供しているだけ
- 医療機関が行うようなエビデンスのある薄毛治療を行うことができない。
本当に髪の毛が生えてくるたった3つの方法
世の中に蔓延する育毛対策や育毛サービスのほとんどは、残念ながらまったく意味がない。
真剣に薄毛に悩んでいる人たちの金をむしり取ろうと考えている業者ばかりだ。
では、本当にAGAやFAGAを改善できる、科学的根拠がしっかりとある育毛方法とは何なのか?
日本皮膚科学会が作成した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」という、全国の皮膚科医が薄毛治療の参考にする資料がある。
このガイドラインより、本当に効果のある薄毛治療の3つの方法を紹介したい。
薄毛を改善する内服薬
AGAを治療するための最も一般的な方法が、ジヒドロテストステロンの生成を抑える内服薬を使うこと。
日本皮膚科学会の薄毛治療ガイドラインでは、フィナステリドとデュタステリドという2つの成分の使用が勧められている。
ただしこれらの内服薬や男性しか使えないので注意が必要だ。(女性に対する使用は禁忌となっているので、FAGA(女性男性型脱毛症)の治療は、後述する2つの治療法を行う)
治療の手順もある程度決まっていて、初めて薄毛治療を行う場合はとりあえずフィナステリドの内服薬を数か月使ってみる。
フィナステリドの効果については個人差があるので、それで効果が見られない場合はフィナステリドよりも発毛効果が強いデュタステリドの内服薬を試す。
これらの内服薬を使用し続ければ、ほどんどAGAで改善効果が見込めるとされている。
悪徳育毛クリニックに注意!!
フィナステリドやデュタステリドの内服薬は、そこらへんのドラッグストアでは販売されていない。
効果が強力で副作用のリスクもあるので医師の処方箋が必要な「処方箋医薬品」に分類されている。そのため、手に入れるには必ず医療機関を受診する必要がある。
そこで注意して欲しいのが、テレビのCMやネットの広告をバンバン打っているような育毛クリニックだ。
育毛クリニックは育毛に特化した医療機関で、医師によって薄毛治療の内服薬を処方してくれる。
しかし、それだけでは済まされない場合が多い。
育毛クリニック独自にブレンドした育毛剤を勧められたり、頭皮に直接成長因子を注入するような高額の薄毛治療を勧められたりと、とにかく金がかかる場合が多い。
薄毛治療のための内服薬は、高くてもせいぜい1か月で5,000円くらい。
薄毛治療のガイドラインに沿った薄毛治療は、どこの医療機関でも同じ。
何万円もするような薄毛治療を勧めてくるような、悪徳育毛クリニックは使わない方がいいだろう。
ちなみに私が風邪をひいたときに行く小さな内科の医院でも、フィナステリド錠を処方してもらうことはできる。
適正価格で薄毛治療がしたいのなら、まずは育毛クリニックではなく近くの内科医や皮膚科医に相談してみることがオススメだ。
ポイント
- AGA治療のためにはDHTを抑える内服薬の使用が効果的
- 内服薬は女性は使えない
- 一部の悪徳な育毛クリニックは高額の治療を勧められる場合があるので注意
- 近所の内科や皮膚科でも薄毛治療はできる
発毛を促す外用薬
ミノキシジルは厚生労働省が発毛効果を認めていて、薄毛治療のガイドラインでも効果が期待できるとされている、有効な選択肢のひとつ。
全世界の90か国以上で薄毛治療に使用されている、とても信頼のおける有効成分だ。
例えば一般的な育毛剤に配合されているセンブリエキスには血行促進作用があるだけだが、ミノキシジルは毛乳頭そのものを活性化させる作用がある。
厚生労働省が認めているので、その効果・効能にも「髪の毛が生える」と明記できる。
男性でも女性でも使えるのも大きなメリットだ。
このミノキシジル配合の発毛剤は医療機関を受診しなくても、街のドラッグストアで購入できる。
ただし第一種医薬品に分類される強力な医薬品なので、ドラッグストアに薬剤師がいないと販売してくれない。例えば深夜で薬剤師が帰宅してバイトしかいない時間帯には販売してくれないので注意が必要だ。
*アデノシン外用もB評価であるが、AGAへの効果はミノキシジルの方が強い。外用薬の併用はオススメできないので、ここでは最も有効な外用薬としてミノキシジルを取り上げている。
現在の日本でミノキシジルが配合されている発毛剤は2つだけ。
大正製薬のリアップと、アンファーのメディカルミノキ5だ。
リアップ・シリーズはミノキシジルが5%配合された男性用の「リアップX5プラス」と、ミノキシジル1%配合の女性用発毛剤「リアップリジェンヌ」が用意されている。
予防医学のアンファーからは「メディカルミノキ5」が発売されている。これは男性専用で、アンファーからは女性用の発毛剤は発売されていない。
国内ではミノキシジル配合の発毛剤の後発医薬品として初めての商品。リアップに負けないように成分にもこだわっている。
どちらも街のドラッグストアやネット通販で購入できる。
もしAGAやFAGAを改善したいのなら、高いだけでまったく意味のない育毛剤を使わずに、しっかりと有効成分の配合された発毛剤を使うのが大切だ。
注意ポイント
- 薄毛改善のためにはミノキシジル配合の外用薬を使う必要がある
- 多くの育毛剤は「医薬部外品」でありコンビニでも購入できるが、発毛剤は「第一種医薬品」であり薬剤師のいるドラッグストアでしか購入できない
- 発毛剤はネット上で問診を行うことでネット通販でも購入できる
低出力レーザーと赤色LEDによる発毛効果
3つ目は「LEDおよび低出力レーザー照射による薄毛治療」だ。
恐らく最も馴染みのない薄毛治療法だと思うけど、このLEDおよび低出力レーザー照射による薄毛治療は世界的にかなり浸透している効果的な薄毛対策のひとつ。
薄毛治療のガイドラインにおいても、いろんな論文や臨床試験の歴史を踏まえて「薄毛治療効果アリ」とオススメされている。
先日放送されたアメトーーク!の「薄毛バレたくない芸人」において、薄毛芸人の筆頭であるブラマヨ小杉が低出力レーザーによる薄毛対策を行っていることを明かした。
ブラマヨ小杉氏が被るヘルメット状の育毛機器からは、頭皮に向けて低出力レーザーが照射され、毛母細胞が活性化される。
その恰好があまりにも滑稽だったのでみんな笑っていたけれど、低出力レーザーによる薄毛は日本皮膚科学会が認めた、育毛剤よりもはるかに効果的な薄毛治療法なのだ。
自宅でLEDや低出力レーザーによる薄毛治療を行う方法
自宅でLEDや低出力レーザーによる薄毛治療を行うには、専門の育毛器を購入する必要がある。
とはいえ、低出力レーザーによる薄毛治療は国内では浸透しておらず、育毛器もほとんど日本で製造されていない。そのため海外製のものを購入する必要がある。
オススメは「ヘアマックス」という低出力レーザー育毛器。
先ほど紹介したブラマヨ小杉氏は「セラドーム」と呼ばれる育毛器を使用していた。
だけどヘアマックスはアメリカのFDAで承認された唯一の低出力レーザー育毛器であり、セラドームより機能的にも優れていて、値段的にも安い。
数々の臨床試験で発毛効果が認められ、その発毛率は93%にも及ぶという。
ヘアマックスの臨床試験では8週間(約2か月)の継続使用で少しずつ発毛効果があらわれはじめ、16週間(約4か月)の使用で93%の被験者が発毛効果を得られた。
そんなヘアマックスは機能によって3種類から選べる。
それらの値段と特徴をまとめて紹介しよう。
商品名 | 価格 | レーザー照射口の数 | 1日の使用時間 |
レーザーバンド82 | 108,900円 | 82個 | 90秒 |
ウルティマ12 | 71,400円 | 12個 | 8分 |
プリマ9 | 38,400円 | 9個 | 11分 |
ヘアマックスはハードな耐久試験をクリアしていて、普通に使っていれば10年~15年は使い続けることができる。
もしヘアマックスの最高級機レーザーバンド82を10年間使い続けるとしたら、毎月の費用は900円くらい。育毛剤を使うよりも遥かに割安だし、科学的根拠もしっかりしていて発毛効果も期待できるだろう。
ちなみに下記のバナーからヘアマックスの購入サイトに飛ぶと、購入画面にクーポンコードを入力する欄が現れる。
そこにhmx2016と入力すると、通常販売価格から8%の割引価格で購入できる。
レーザーバンド82であれば通常価格108,900円から8,712円割引されて100,188円になる。キャンペーンが行われている期間中であればいつでも、割引で購入できるぞ!!
ポイント
- 低出力レーザーやLEDはしっかりとしたエビデンスのある育毛法のひとつである
- 低出力レーザーやLEDは専用機器を購入すれば自宅で簡単に行える
- 低出力レーザーやLEDは女性の薄毛でも安全に使える
- 専用機器は10万円以上するが、長期使用を前提とすれば割安である
本当に効果のある育毛方法まとめ
育毛剤を使っても髪の毛は絶対に生えてこない。
だけど、育毛剤の販売業者はそんな事実を知っていながら、それを隠して販売している。
もし育毛剤を使って発毛効果が得られなくても「使用している期間が短すぎますね」とか「体質に合わなかったんですね」といえば、使用者側は黙るしかないだろう。
だからこそ、いかがわしい商品や、高額の育毛サービスが後を絶たない。
この記事で一番言いたいのは、
しっかりとしたエビエンスがない育毛法を試すべきではないし、高額の費用をかけるべきではない!!
ってこと。
例えばフィナステリドの内服薬にかかる費用は、毎月3,000~4,000円くらい。
ミノキシジル配合の発毛剤は、ひと月で6,000~7,000円くらい。
低出力レーザーやLEDの育毛機器は初期投資は高いけど、長期的に見れば毎月1,000円以下。
これらの3つのエビデンスのある育毛法を”併用”することで、かなりの確率でAGAやFAGAは改善する。
1本1万円するような育毛剤を定期購入する必要はないし、数万円もするような育毛サービスはやるべきではない。
いくら効果があるからといっても、育毛クリニックで特別な薄毛治療をやる必要もない。
本当に効果のある薄毛治療は、家の近所にある小さな内科の病院でも適正価格でうけられるのだから。