「最近なんだか野菜やお肉の値段が上がったな~」「生活費だけでしんどいわ~」
それってQEが原因ですよ!
QE(量的金融緩和)とはなにか?そして、我々一般ピープルが自分の資産を守るために何ができるのか?
なるべくわかりやすく説明したい。
QE(量的金融緩和)とはなんなのだろうか?
ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は14日、ECBとして資産買い入れプログラムを完全実施すると明言するとともに、現時点で金融の不均衡を示す兆候はほとんど見られないとの見解を示した。5月14日ロイター通信より抜粋
EUがQE(量的金融緩和)に積極的な姿勢を見せたという報道があった。景気の良いドイツ、景気の悪いギリシャなどの様々な国が加入するEU。そのため、その量的金融緩和の舵取りはアメリカや日本とは比べ物にならないくらい難しいものになるだろう。
ではQEとはなんなのだろうか?
量的金融緩和は英語でQuantitative easing。その頭文字をとって「QE」と呼ぶ。
量的金融緩和とは経済政策のひとつだ。経済政策は中央銀行が行う景気をコントロールする作戦のこと。日本なら日本銀行と黒田総裁が舵を切ってる。
そんな経済政策には大きくふたつの方向性がある。
①景気を抑える
②景気を刺激する
景気を抑える?なんでそんな事やるの?景気良いならガンガンいっちゃえばいいじゃん!!と思うかもしれないが、事はそう簡単には行かない。過剰な発展はバブルを生む。1980年代のバブルとその後の悲惨な日本経済を見れば、経済を抑える事の重要性はわかるだろう。
そして昨今問題になっているのが、景気を刺激する作戦の方だ。
景気を刺激して不景気を抜け出そうぜ!ってミッション。
ではどういった方法で不景気を改善するのだろう?
景気をコントロールする作戦とは?
景気刺激策には何パターンかあるものの、最終的にはたったひとつの方法で景気をコントロールする。
それは市場に流れる貨幣の量を調節するという事だ。
その昔、最もポピュラーな金融政策は、中央銀行銀行の金利を上下させて調節するというものであった。
金利を下げると金融緩和。
金利を上げると金融引き締め。
金利が下がればみんなお金を借りやすくなるし、企業がたくさんお金を借りて商売すれば景気も良くなる。
金利が上がればお金を借りずらくなり、好景気にブレーキがかかる。
そうやって今まで中央銀行は、世の中の景気をコントロールしてきたのだ。
そしていま主流となっている景気刺激策がQE(量的金融緩和)というわけ。
金融緩和は中央銀行がお金を刷りまくって、全体の貨幣の量を増やす。その金で銀行の国債を中央銀行が買い上げたりする。
すると銀行は金利のつく債券が現金に変わったことになる。「現金もってても金利もつかないし、しゃーない!貸すかー」というわけでこれまた企業に金が回り、経済活動が活発化する。
ではなぜ金利政策をやらないで、量的緩和なのだろうか?
日本はバブル崩壊後、金融政策で限界まで金利を下げた。これをゼロ金利政策という。それでも景気は良くならない…もう下げる金利の余地ないし、どーすりゃいいの!?
そこで取った作戦が量的金融緩和なのだ。
貨幣を刷って市場に流す、ある意味ではもう一度バブルを起こそうとしていると見えなくもない、非常に舵取りの難しい作戦。
この政策はアメリカや欧州から批判の対象になることもあった。
「ジャパーン!量的金融緩和なんてムチャクチャやで!今すぐ止めなはれ!」
しかしそんな態度を一変させる大事件が起こった。2008年のリーマンショックだ。この事件で一日にして経済の世界は変わった。
アメリカはバブル崩壊後の日本と同様の道をたどる。金利を限界まで下げて、その後は超大規模な量的金融緩和だ。
そして欧州もギリシャのデフォルト問題で未だにギリギリの綱渡り状態。金融緩和を続ける発表をした。
では、このお金を刷りまくる量的金融緩和は、我々の生活レベルではどういった影響が考えられるのだろうか?
金融緩和の生活への影響
日銀の黒田総裁は「デフレを脱却し、インフレにするぞ!!」とたびたび明言している。
デフレとは貨幣の価値が上がり、物の価値が下がること。その象徴が戦うサラリーマンの味方「牛丼」。一時期は一杯280円(税込)でかっくらい仕事へのエネルギーをチャージしていた。この圧倒的な安さはデフレならではだろう。
その逆であるインフレってのは「貨幣の価値が下がる事」であり、もっと端的に言えば「いろんなものが値上がりすること」なのだ!
いつごろからだろうか?たまご10個パック98円セールを見かけなくなったのは?
ポテチは消費者にわからないくらいに、内容量を減らしている。さまざまな食品が静かに値上がりを続けているのだ。もちろんデフレの象徴である牛丼も値上がりしている。
それもそのはずで、国の金融を任されたボスが値上げ宣言しているのだからしょうがない。
これからもっとインフレは進んでいく可能性がある。物の値段が上がるのに、給料は上がらないという切ない現状。
我々はこの金融緩和に対し、どういった対処法があるというのか?
超値上がり時代を切り抜ける為に
インフレに強いものがある。
それは株や投資信託、不動産などの資産だ。
インフレが加速すると、どんどん貨幣の価値が下がっていく。対して現物資産の価値は上がり続けるのだ。
一時期8,000円を切っていた日経平均も、金融緩和のおかげで20,000円に迫る勢い。現金は持っているだけで損をする可能性がある。
我々は自分の資産を守るために、改めて現金だけしか持たないリスクを考えなければならない。
例えば自分の貯金が100万円だとしたら、その内の50万円だけを株や投資信託に回すなど、そういった対策が必要なのだ。
不動産は手が届かないかもしれないが、REIT(不動産投資信託)を駆使すれば数万円単位で不動産投資できる。
「いやいや、おれなんてもう金ないし。投資とかムリっす!」
「旦那の稼ぎじゃ株なんて…なんか難しそうだし」
これからの世の中、たとえ1万円からだったとしても、投資に資産を回すのは重要になってくる。そういった金融知識が自分の身を守ることにつながるのだ。
株=怖い・損をする、なんてイメージがあるかもしれないが、本当のところは違う。株で大損したなんてのは、変に欲張りな投資をしたから。投資というのはギャンブルではない。そういった株で破産した~なんて人がやっているのは投資ではなく「投機」なのだ。
「なるほどそうかー!よーし、貯金全部で株を買うぞーー!これでおれも金持ちだぜ、ひゃっほーー!!!」
そんなアホな投資はしないでほしい。自分の給料や総資産などをよく考えて、バランスよく投資することが大事。現金をある程度持っておくことも大事だし、資産の何割かを投資に回すこともまた大切なのだ。
もちろん株や投資信託は値下がりの危険がある。しかし日常生活で気づかないかもしれないが「円を持つ」ということ自体も、ある意味では値下がりのリスクを持っていることになるのだ。
自分の資産の一部を「円」でもつ、「株」でもつ、「債権」でもつ。そんなイメージで投資することは、自分の資産を守る大切な方法の一つというわけ。
どうすれば株や投資信託を買えるのか?
株や投資信託を買うには証券会社に口座を開設する必要がある。
銀行と同じように無料で開設できるし、殆どの場合口座管理料も掛からない。
証券会社にも様々な種類があり、それぞれ微妙にサービスが異なっている。
野村證券や大和証券のような店舗を持つ大手は、詳しく投資の相談に乗ってくれる。だけど手数料は高い。
SBI証券や楽天証券はネット証券の大手で、投資商品の品揃えと手数料の安さが魅力だ。
銀行に口座を開設する感覚で証券会社に口座を作る。そこに資産の何割かを入金する。入金したからと言って何かを買う必要は全くない。
これからの超値上がりインフレ時代には、使う使わないにかかわらずひとつくらい証券会社に口座を持っておくことは必須ではないだろうか。