週刊SPA!誌の「ヤバい街ランキング」の中に「災害で壊滅する街ワースト5」というものがあった。
南海トラフ大地震や首都圏直下型地震の発生が危ぶまれる昨今、自分の住む町の危険性を把握しておくのは重要だろう。
災害で壊滅する街ワースト5の内容と共に、危険な街や危険な住宅の特徴とはどんなものなのかを紹介しよう。
災害で壊滅する街ワースト5
1位 墨田区(東京都)
2位 川崎市川崎区(神奈川県)
3位 横浜、横須賀(神奈川県)
4位 京浜工業地域、浦安など(千葉)
5位 首都圏繁華街
墨田区は両側を川で挟まれ地盤が悪く、木造住宅も多いため堂々の1位。
川崎市川崎区は沿岸部に工業地域が広くあり、化学薬品の漏えいや大規模火災の可能性が高いという。
横浜、横須賀は崖などに立つ住宅が多いため、土砂災害の可能性が高い。
京浜工業地域、浦安なども、川崎区と同様に工業地帯特有のリスクを持つ。
繁華街は古いビルが多い為、小規模の火災でも死傷者がでるリスクがある。繁華街の古びたビルが火事になり、逃げ遅れた怪しげな店の店員が死亡、なんてニュースは1年に1度は聞くような気がする。
それぞれに、それぞれ街の弱みがあり、それが災害での被害を拡大させる要因になっているようだ。
自分の街は安全なのか?
自分の住んでいる場所が安全かどうかを判断するには、大きくふたつの要素が存在するだろう。
建物の強さと、住んでいる地域の安全さだ。
それぞれを別に判断しなければならない。
ヤバい建物とは?
まず結論からいうと、最もヤバい建物は1981年以前に建てられている木造の住宅だ。
一般的には木造→鉄骨→鉄筋コンクリートの順で地震に強くなっていくと言われている。もちろん、どんな地震でも倒れない長い歴史を持つ木造建築もたくさんあるが。
木造住宅は地震や火災に弱く、鉄筋コンクリート造りであれば地震や火災に強いのだ。建物の耐震構造が良ければ、大地震に直面しても倒壊の危険は少ないだろう。
また、築年数も重要だ。
1981年は新耐震基準が導入され、それまでの建築基準から大きく変わった年。その為、1981年は建物の耐震構造についての大きなターニングポイントとなっている。1981年以前に建てられた建造物と、以降に建てられた建造物では耐震基準が明確に違っているのだ。例えば賃貸物件の家賃をみても、1981年以前に建てられた物件は、その価格が急激に安くなる。これも耐震構造が1981年以前のものが弱いことを明確に表しているだろう。
耐震建築技術も日進月歩で発展している。東日本大震災後に建設された建物であれば、必要以上に耐震について考えられているだろうし、築年数は浅ければ浅いほど耐震構造はしっかりしていると考えていいだろう。(旭化成の杭偽装問題もあり、一概に安心とは言えないが…)
ヤバい街とは?
まず結論から言うと、最もヤバい地域は河川や海の近くで地盤が悪く、木造住宅が密集した街だ。
例えば海の近くに住んでいる場合、大地震が発生したら津波の被害に会う可能性が高くなる。同様に河川の傍に住宅がある場合、記録的豪雨で河川が氾濫したら水害にあう可能性もあるだろう。
また、地域によって地盤の固さも違う。地盤がしっかりしていれば、大地震が起きても被害は少ないだろうし、地盤がゆるければ大地震での揺れも甚大になり、住宅倒壊の危険性も高くなる。自分の住んでいる地域が地震に強いのか、弱いのかを知っておくもの大事だ。自分の住む自治体のホームページで確認できる場合が多いので、一度チェックしてみるのもいいだろう。
例えば東京23区で言うと、板橋区、練馬区が地盤が安定していて比較的安全で、足立区や荒川区が危険だと言われている。
また、密集した木造住宅や河川氾濫のリスクを総合的に判断すると、東京の東側に広がる下町が最も危険だ。東京直下型地震で甚大な被害が予想されている。
自分の住む地域の特性や避難場所などを理解しておくのも重要だろう。
まとめ
これから住む場所を決めるということであれば、住む街をよく観察しよう。古い木造住宅がおおい街や地盤がゆるい場所は避けた方が良いだろう。
もしすでにヤバい街のヤバい住宅に住んでいるとしたら、いきなり引っ越すのも難しいだろうから、他の地域よりも防災意識を高める必要がある。
最近の事件だけを見ても、鬼怒川の大規模な氾濫や、広島の繁華街雑居ビルでの火事死亡事故などの事件が起きている。もし適切な対策を取っていたら、被害を抑えられたかもしれない。
火事になるリスク、河川の氾濫のリスク、建物倒壊のリスクなど、自分の家特有のリスクを考えてみよう。
地震や火災が起きた場合の避難先や家族間の連絡方法、非常食や非常用トイレなど、災害時の用意を念入りにしておけば、被害を最小限にとどめることも不可能ではないはずだ。