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ホセ・ムヒカ大統領の国連でのスピーチ内容と壮絶な人生、心に響く名言を紹介!

2016年4月10日

「世界一貧しい大統領」と呼ばれるホセ・ムヒカ大統領が来日している。

テレビ番組にも出演し、その発言が注目されている。

そんなムヒカ大統領の国連でのスピーチや名言を紹介しよう。

世界一貧乏な大統領ホセ・ムヒカとは?

ホセ・ムヒカは南米ウルグアイの元大統領。世界一貧しい大統領といわれている。

大統領当時の月収はおよそ100万円。しかしムヒカ大統領は給料の90%を慈善団体に寄付。ひと月約10万円ほどの収入で暮らしていたという。

個人資産は長年愛用した愛車の身。大統領なのにとんでもなく質素な生活を営み、国民にも大人気だった。

そんなムヒカ大統領が、ウルグアイだけでなく全世界で注目されるきっかけになったのが、国連でもスピーチであった。

国連会議でのスピーチ

2012年6月20日の国連会議で、ムヒカ大統領は各国の代表者のなかでも最後にスピーチした。前にスピーチした人たちの多くは帰ってしまい、会場には空席が目立ったという。

他国のスピーチが「貧困の撲滅」や「支援額の具体的な金額」などだったのに対し、ムヒカ大統領のスピーチは異彩を放っていた。

質問させてください。

もしドイツ人が、ひと家族ごとに持っている程の車をインド人もまたもつとしたら、この地球はどうなってしまうのでしょう?

私たちが呼吸できる酸素は残されるのでしょうか?

我々は発展するためにこの地球上にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです。

貧しい人とは少ししかものを持っていない人ではなく、もっともっとといくらあっても満足しない人の事だ

「貧しい人とは少ししかものを持っていない人ではなく、もっともっとといくらあっても満足しない人の事」

ムヒカ大統領はキレイごとではない差し迫った問題を、本音で世界に問いかけたのだ。

 

今、地球温暖化に環境破壊、経済発展がさまざまな歪みを引き起こしている現実がある。

しかし”発展”は幸せをもたらすものでなければならない。

国連のスピーチでムヒカ大統領だけが、本音で現代社会のあり方に警鐘を鳴らしたのだ。

 

そんなムヒカ大統領は、とんでもなく凄まじい人生を送っていた。

ムヒカ大統領のヘビーすぎる人生

物腰穏やかで優しそうなおじいちゃんのようなムヒカ大統領。しかしその人生はすさまじいものだった。

 

ムヒカ大統領は貧しい家庭に生まれ、わずか7歳で父を亡くす。当時のウルグアイは貧富の差が激しく、ほとんどの民は貧困にあえいでいた。

24歳の頃にウルグアイと同じく貧しい国だったキューバに、チェ・ゲバラなどによってキューバ革命が起きる。それに感銘を受けたムヒカは、貧しい人を救いたいという思いを抱えてキューバに行った。そしてそこでチェ・ゲバラの演説を聞いたのだ。

「どんなに平和的なデモや政治活動よりも、時として何より強烈で効果的なのは、しかるべき者への一発の銃弾だ!!」

若きムヒカは超感動!ウルグアイに戻り、私腹を肥やす政府と戦うためゲリラ組織に身を投じた。私利私欲のためではなく、貧しい人たちのためのゲリラであった。

しかしゲリラ活動の最中に警察に捕まり、6発の銃弾を浴びた末に逮捕される。その後服役するが、壁に穴を掘って脱獄に成功。ゲリラ活動を再開し、そこで後に妻となる女性と出会う。

その後、再度逮捕されてしまうムヒカ。そして拷問されまくりの毎日が始まる。暴力、電気ショック、水攻め…そして監禁。誰とも話す事ができず、1日1色の最低限の食事で栄養失調寸前、そんな孤独と暗闇の生活がなんと9年間も続いたという。

しかし10年目に読書と手紙を書くことが許された。

「独房で本を読みながら、人間とはなんのか何度も自分に問いかけた。人間はひとりでは生きられないおかしな生き物だ。本人が自学していようがいまいが、人間には他人や社会が必要なのだ

孤独と絶望の中で、ムヒカは”暴力で世の中は変えられない”と気付いたのだ。

そして投獄から13年後に釈放された。

「私はたとえ私たちにひどい仕打ちをした人々でも憎もうとは思わない。憎しみは何も生まないからだ。私はあの獄中生活で学んだ。人はわずかなものしか持っていなくても幸せになれることを…」

ムヒカ大統領の名言

ムヒカ大統領は豊かさを追及する先進国のあり方に警鐘を鳴らしている。

「例えばスーパーマーケットに行けば、色々なものを買うことができます。しかし人生の歳月を買うことはできません。2年ごとに車や冷蔵庫を買い替えて一生ローンを支払い続ける。家が小さくなるから、もっと大きな家を買わなければならなくなる。それでも足りなくて違う家がどんどん必要になる。それが社会の仕組みなのです。買って、買って、買って…モノを買い集めていく儀式に人生の時間を費やす、そんな社会なんです。人生で最も重要なことは、勝つことではありません。最も重要なのは歩み続けること。これはどういうことなのか?それは何度転んでも起き上がること。打ち負かされても、もう一度やり直す勇気を持つことです」

 

幸せに必要なことはなんですか?そう問われたムヒカ大統領はこう答えた。

「富が幸福をもたらすと思わないでください。比較的豊かになると失う事への恐怖が生まれます。富を失う事への恐れが…そうするとお金があっても幸せを感じられません。失う事を恐れるからです。これが正に中流階級の苦悩なのです。目標に向かって前進し戦うものは、恐れるものがないので、とても幸福です。なぜなら希望があるから。幸せであるという事は、生きているという事に心から満足しているという事です。毎日太陽が昇るのを見て感謝する。幸せとは人生を愛し、憎まない事。でもその為には大義が必要で、情熱を傾ける何かが必要なのです

 

ムヒカ大統領の壮絶な人生を知ると、その言葉の重みも違ってくるのではないだろうか。

資本主義社会の終焉

最近、パナマ文書がリークされて大問題になっている。つまり、世界中の大金持ちたちが(政治家・マフィア・一部上場の大企業)とんでもないレベルの合法的脱税をやってたって話だ。

まさに今の日本がそうだけれど、資本主義社会の経済発展にはお金の流通が不可欠。

言うなれば「お金を刷ってばらまくラットレース」が世界中で行われている。今はかろうじて上手く回ってるが…行き着く先は破滅だろう。

人類はいつか絶対に経済の在り方を方向転換しなければいけない時期が来るはずだ。

 

「貧しい人とは少ししかものを持っていない人ではなく、もっともっとといくらあっても満足しない人の事だ」

そんな時、ムヒカ大統領の言葉はとても重要な指針になるかもしれない。

 

ちなみに、2016年に発表された世界の幸せな国ランキング、ウルグアイは29位。日本は53位だった。

世界最速で高齢化社会に突入する日本は、これから幸せ度ランキングを上げていくことができるのだろうか?

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