2016年11月に117歳になるイタリア人の女性エマ・モラノさん。
彼女は19世紀生まれの唯一の生き残りであり、世界最高齢の女性といわれている。
そんな彼女が医者に勧められて90年間欠かさずに食べ続けている食材がある。
その食材と、彼女の長寿の秘訣を紹介しよう。
世界最高齢の女性エマ・モラノさんが毎日食べてるものは?
世界最高齢の女性エマ・モラノさんは1899年11月29歳生まれ。
日本いうところの明治32年生まれで、小説家の川端康成と同級生だ。
もう117歳になるのに元気な彼女にAFP通信が取材をしたのだが、そこで彼女の”長寿の秘密”が明かされた。
■卵を毎日少なくとも1個、90年間
一般的な医学の常識に反し、モラノさんは、生卵を1日に少なくとも1個と、決まった量の生のひき肉を中心とした食生活を好み、野菜を避けてきたにもかかわらず、長生きしている。
甘い物好きで、たんぱく質も好むモラノさんは、りんごのピューレやビスケットなどを夜食として食べる。また彼女のもとを訪ねるお客さんたちはよく、イタリアで「イースター(Easter、復活祭)」などに食べられる卵とバターたっぷりのケーキ「コロンバ」を持参してくる。
昨年のインタビューで、モラノさんは長生きの秘訣は、まだ幼かった一人息子が亡くなった後、1938年に暴力的な夫のもとを去ったことだと語っていた。結婚生活は不幸で、結婚前に本当に好きだった男性は、第1次世界大戦(World War I)に行ったまま帰らなかったという。
参照元:世界最高齢で19世紀生まれ唯一の存命者、長寿の秘訣は?(AFP)
モラノさんは20歳の時に、貧血を改善するために卵を食べはじめた。医者が貧血改善のために、毎日卵を食べるようにアドバイスしたことがきっかけだ。
それ以来、1日に最低1個は卵を食べる生活を90年間も続けている。
この卵を食べ続ける食生活が、モラノさんの長寿の秘訣の可能性がある。
厚生労働省は高齢者に積極的にたんぱく質を摂るよう勧めている。
高齢になると”同化抵抗性”が強くなっていく。肉や魚などを食べても、筋肉たんぱく質同化作用が若者に比べて弱いので、たんぱく質が血肉になりずらいのだ。
もし高齢者になってから筋トレで筋肉をつけようと思ったら、若い人よりもたくさんたんぱく質を摂取しなければならないだろう。
大規模なコホート調査でも、高齢者のたんぱく質の摂取量と筋力は相関関係があり、たんぱく質摂取量が少ないと筋力も低下する。
極端な話、家族で同じ食事をしていたとしても、高齢者だけたんぱく質不足になってしまう可能性もある。
たんぱく質が不足すると、筋肉が衰えて体重が減り、病気に対する抵抗力が弱まったり、運動能力が低下してしまう。
だけど、高齢者になると消化機能が衰えたり、歯をなくしたりして、血の滴るミディアムレアのステーキをかぶりつくわけにもいかない。
そんな時にオススメなのが卵料理だ。
卵は食べやすく、消化吸収もよい。高齢者のたんぱく源としては最高だろう。
モラノさんは毎日卵を食べ続けていたからこそ、老化による身体の衰えを軽減できていたのだ。
また、モラノさんはひき肉を好んで食べているところも注目したい。
高齢者はどうしても食欲がなくなるし、噛む力も衰えるので、重要なたんぱく源である肉は敬遠しがち。そんな時でも、ひき肉なら食べやすいだろう。
若者が健康な食生活を送る場合、野菜中心のヘルシーな食事はとても大切かもしれない。
だけど高齢者にとってはまったくの逆になる。野菜なんて食物繊維ばっかりで消化吸収の負担になるし、人間の生命維持に欠かせない3大栄養素「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」がほとんど含まれていない。
モラノさんはむしろ野菜をあまり食べないという。若いころのように「ヘルシーな食生活が大切!」なんて60歳を過ぎても変わらずに野菜ばっかり食べていたら、老化を速め、寿命を縮める結果になりかねない。
歳をとればとるほど、たんぱく質をたくさん食べた方がいいのだ。
ストレスのない規則正しい生活も大切
モラノさんのインタビュー記事を読んでみると、彼女の長寿の秘訣は「たんぱく質の豊富な食生活」以外にもありそうだ。
毎朝8時に起きて、11時に昼食を取り、午後6時に夕食を取るという習慣も変わらずだ。昼食と夕食の後には、長めの仮眠を取り、夜食を食べてから就寝は毎晩11時だ。
モラノさんはとても規則正しい生活をしていて、早寝早起き。しっかりと睡眠もとれている。そんな健康的な生活習慣が長寿の一因だろう。
昨年のインタビューで、モラノさんは長生きの秘訣は、まだ幼かった一人息子が亡くなった後、1938年に暴力的な夫のもとを去ったことだと語っていた。
1930年代のイタリアでは離婚するってとても大変なことだったらしい。それでも我慢せずに夫の元を離れたことが、モラノさんの長寿の秘訣だろう。
嫌な仕事を続けたり、DV夫とずっと一緒にいると、寿命を縮めてしまう可能性がある。
ストレスをためない生活を送ることもまた、長寿の秘訣なのだ。
それにしても、「本当に好きだった男性は第一次世界大戦から帰ってこなかった」なんてエピソードは、なんだかそのまま映画にできそうなくらいスゴイ。
日本の長寿レジェンド”きんさんぎんさん”の好物は?
日本で長寿と言えば、1990年代に人気者だった双子のおばあちゃん、きんさんとぎんさんが思い出される。
残念ながらもう亡くなっているが、当時は100歳を超えながらも元気いっぱいで、テレビ番組に登場すれば面白いコメントをしっかりと発言して笑いをとったり、CMに出演したりと人気者であった。
そんな彼女たちの好物は…
きんさんが「赤身魚」で、ぎんさんが「白身魚」と「フライドチキン」であった。
モラノさんしかり、きんさんぎんさんしかり、高齢でも元気いっぱいの方は、ちゃんと十分なたんぱく質を摂取しているのだ。
卵は1日に2個以上食べるとコレステロール値が上がってダメ!!と言われているが、最新の研究では卵の摂取とコレステロール値がまったく無関係であることが証明されている。動脈硬化学会も「食事で体内のコレステロール値は大きく変ているわらない」という声明を発表している。
いつまでも介護を必要とせずにアクティブに生きるには、コレステロール値を気にせずに、肉や卵をたくさん食べることがとっても大切みたいだ。
1日1個以上の卵を毎日毎日食べ続ければ、いつまでも元気なおじいちゃん、おばあちゃんになれるかも!?