毎朝するおしっこ、その色は毎日微妙に違う。
やたらと色が濃いおしっこであったり、レモンのように綺麗な黄色であったり、透明であったり…よく観察するとその状態は日々変わり続けているのに気づく。
その違いとはなんなのだろう?
我々の健康とおしっこはどういった関係があるのだろうか?
おしっこはなぜ黄色いのか?
おしっこの役割は大きくふたつある。
①老廃物を体外に排出する。
②体内の水分量を調節する。
おしっこは腎臓で血液がろ過されて作られており、血液の中にある”水分”や”老廃物”が主成分となる。
3大栄養素であるたんぱく質・脂質・糖質。
このなかで糖質と脂質は、吸収され、代謝され、最終的に二酸化炭素と水に分解されて排出される。
だが、たんぱく質は代謝・分解され、最終的には”アンモニア”となる。
アンモニアは有害なので、肝臓で二酸化炭素と結合され、無害な”尿素”に変化して排出される。
尿素はもちろん、尿に混ざっている。
このように、身体の中でいらなくなった老廃物が、水分と混ざり、尿を介して体外に排出される仕組みになっているわけだ。
さらに大量に水分を摂取した場合などには、体外に排出する水分の量を調節することで、体内の塩分濃度を一定に保つという役割を持っている。
腎臓、そして尿は、身体の恒常性を保つために重要な役割を持っている。
では、なぜおしっこは黄色いのか?
それはおしっこの中に「ウロビリン」という黄色い色をした代謝物が含まれているから。
ウロビリンがおしっこの黄色の正体なのだ。
このウロビリンは常に一定の量が排出されている。
が、体調の変化によって尿に含まれるウロビリンの量も変化する。
また、基本的にウロビリンの量は一定だけど、水分の摂取量が多いと体内の水分量調節の為にたくさんの水が尿として排出されるため、ウロビリン量も薄まり透明に近くなる。
逆に水をあんまり飲んでいなかったり、スポーツをして汗をかいていたりすると、尿として排出される水分量が少なくなり、相対的にウロビリンが濃くなる。
その結果、尿の黄色い色も濃くなるのだ。
では、おしっこの色は身体の異常のシグナルになるのだろうか?
おしっこが黄色すぎるのは危険信号なのか?
おしっこが黄色すぎるのは危険信号なのだろうか?
結論を言うと、まったく危険ではない。
普通に黄色い色が濃いだけなら、まったく問題ない。
ただ、水分の摂取量が減っているだけだ。
また、朝起きた後も、おしっこの色は濃くなるが、これも正常なこと。睡眠中に体内ホルモンの働きで、尿が凝縮されるために色が濃くなる。まったく心配する必要はない。
でも尿の色によっては、ちょっと注意した方が良いものもある。
注意したい尿の特徴
- 赤色の混じった尿→膀胱炎・尿路結石などの可能性アリ
- 赤褐色や茶色の尿→腎臓の疾患の可能性アリ
- 白色の混じった尿→膀胱炎などによる細菌感染の可能性アリ
- 尿が泡立つ→糖尿病・腎炎などの可能性アリ
- やたらと色が濃い→水分摂取が不足している。夏場は熱中症の可能性アリ
- 色は普通だけど濁っている→膀胱炎・尿道炎の可能性アリ
- 無色透明の尿が大量に出る+甘酸っぱいにおい→糖尿病の可能性アリ
このような特徴を持つ尿には注意が必要。もし思い当たるのなら、近くの泌尿器科を受診して専門医に相談しよう。
こういった異常がなく、ただ色がちょっと濃いだけの尿であれば何の問題もないだろう。
ただし水分が足りておらず、脱水状態が原因でおしっこが濃い黄色になっている場合、尿を作り出す腎臓に負担をかけている場合がある。
暑い夏には汗がダラダラ。そんな時に水を飲むのを忘れていたりすると、尿が異状に濃くなることもある。激しい運動をしている時も同様だ。
濃いおしっこを見て「水分とってなかったかも…」と思ったら、即座に水でもジュースでも飲んで水分補給しよう!
ビタミンB2でも黄色くなるよ!
タウリン配合の栄養ドリンクやビタミンを含んだサプリメントを服用すると、その後のおしっこが黄色になる。
これはビタミンB2による影響だ。
特に栄養ドリンクを飲んだ後のおしっこの色ときたら、飲んだ栄養ドリンクとまったく同じ!せっかく飲んだのに、そのままおしっことして出てきているんじゃないか?と思うくらい。
だけどそんな考えも、あながち間違っていない。だって飲んだばかりのビタミンB群がそのまま尿として排出されているんだから。
それには理由がある。
ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンは、身体の中に蓄積させておくことが出来ない。必要ない分は、すぐに体外に排出されてしまうのだ。
つまり、一度にたくさんビタミンCやビタミンBを摂取しても、あんまり意味がないという事。
もし栄養ドリンクを飲む場合は、一気に飲んでしまったらすぐに体外に排出されてしまいもったいない!
水溶性のビタミンは一気に大量に摂取するよりも、少量を何度も摂取した方が体内への吸収効率が上昇する。
もしビタミンBたぷりの栄養剤を飲むのなり、1本100mlの液体をちびちびと2時間くらいかけて飲んだり、2回に分けて朝と夜に飲んだりした方がいいかもしれない。
もしくは、すぐにおしっこには行けないであろう就寝の前に飲むのがオススメ。特に風邪をひいているときは、栄養ドリンクを飲んですぐに寝てしまうのが、市販の風邪薬を飲むよりも効果的と言われている。
栄養ドリンクには目覚まし効果のあるカフェインも含まれているが、体内のシステムを考えると寝る直前に飲むのが有効なのだ。
ポイント
ちなみに私はリポビタンDを、高級なブランデーを楽しむがごとく、舐めるように味わい、1本のみ切るのに2時間を要することもある。
実に贅沢な時間の使い方といっていいだろう。
黄色すぎる尿の3つの原因
まとめると、おしっこが濃い黄色になる原因は、主に3つある。
①睡眠中に尿が濃縮されるから
②水分が足りていない状態だから
③水溶性ビタミンを摂取したから
おしっこの黄色い色は、体内の老廃物やビタミン類の色であり、色が濃かろうが薄かろうが基本的にはまったく問題ない。
ただし、もしビタミンBなどを特に摂取していないのに濃い黄色だった場合は、気づかぬうちに脱水状態になっている可能性がある。
腎臓にも負担をかけている可能性があるので、意識して水分補給を心がけよう。
おしっこの状態で特に注意して欲しいのは、血が混じっていたり白濁しているもの。そんなおしっこが出たら、念のため泌尿器科の診察を受けた方が良いだろう。
また、リポビタンDやエスカップなどの栄養ドリンクは、高級な日本酒の熱燗を楽しむがごとくちびちびと飲むか、就寝直前に飲むのが最も効果的というのも覚えておいて損はないはずだ。尿とはまったく関係ないけれど。
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