「ニュージーランド地震の法則」とは、ニュージーランド周辺で大きな地震が起きると、連動して日本にも大地震が発生するという法則のことだ。(もちろんバヌアツの法則のパクリだ!)
もっとも有名なニュージーランド地震の法則が当てはまったケースと言えば、やはり東日本大震災だろう。
2011年3月11日の東日本大震災発生の3週間ほど前、2月22日にニュージーランドでM6.1の大きな地震が発生した。
この地震は発生した都市名からクライストチャーチ地震と呼ばれ、地元の日本人も被災したし、日本からも災害救助隊が派遣された。
クライストチャーチ地震のあと、連動するように東日本大震災が発生!
ニュースでニュージーランドの倒壊した建物を対岸の火事のように見ていた日本人が、さらに凄まじい災害に見舞われることになった。
ニュージーランドもバヌアツも日本も大地震が起きる地域だけど、その原因は大陸プレートのひずみと考えられている。(プレートテクニクス理論)
つまり地震発生のメカニズムが同じ。
日本もニュージーランドも太平洋プレートの境目に位置している地域であり、地震の発生にもある程度の連動性があると考えられている。
では、過去の地震から「ニュージーランド地震の法則」がどれほど正確なのか見てみよう。
過去の地震に見るニュージーランド地震の法則
バヌアツで大きな地震が発生すると、その数日~数週間後に日本でも同程度の地震が発生するといわれている。
これをバヌアツの法則と呼ぶ。
ニュージーランド地震の法則は「ニュージーランドで地震が起きると連動するように日本にも地震が発生するんじゃないか?」という、なんとも心もとない根拠を基にした法則のようなものだ。
でもこれ、ひょっとしたらバヌアツの法則よりも関連性が強いかもしれない。
太平洋プレートと他のプレートの境目には、プレートが移動する際の”ひずみ”が蓄積しており、とても地震が起きやすい。
アメリカの西海岸。
南米のチリやペルーの沿岸。
ニュージーランド。
バヌアツやインドネシア。
そして日本。
これらの地域の地震は、ある程度連動して発生すると考えられてる。
一説には太平洋プレート周辺は地震が時計回りに連動するとか。
ペルー地震→ニュージーランド地震→バヌアツ地震→日本地震
…と、そんな具合に。
このように、太平洋プレートの境目に沿ってドミノ倒しのように発生する地震。
そんな「ニュージーランド地震の法則」に当てはまる過去の地震をピックアップしてみよう。
①2021年2月10日 バヌアツ M7.7
②2021年2月13日 福島県沖 M7.3
③2021年3月5日 ニュージーランド沖 M8.1
④2021年3月20日 宮城県沖 M6.9
①2020年6月18日 ニュージーランド近海 ケルマデック諸島南方 M7.4
②2020年6月25日 千葉県東方沖 M6.1
①2019年6月16日ニュージーランド北部沖合 M7.2
②2019年6月18日山形県沖 M6.7
①2018年9月6日北海道胆振地方中東部 M6.7 最大震度7.0
②2018年9月10日ニュージーランド付近ケルマデック諸島南方 M7.0
③2018年09月06日 胆振地方中東部 M6.7
①2018年5月18日ニュージーランド付近ケルマデック諸島 M6.2
②2018年6月18日大阪府北部 M6.1 最大震度6弱
①2017年9月20日ニュージーランド沿岸 M6.1
②2017年10月06日福島県沖 M5.9 最大震度5弱
2017年7月11日ニュージーランド沿岸部 M6.8
2017年7月11日鹿児島湾 M5.3 最大震度5強
①2016年11月13日ニュージーランド・クライストチャーチでM7.8の地震
②2016年11月22日福島県沖 M7.4
①2016年5月28日フィジー諸島 M6.6
②2016年5月3日ニュージーランド沿岸 M5.7
③2016年6月14日バヌアツ M6.2
④2016年6月16日北海道 M5.3 最大震度6弱
①2016年2月15日ニュージーランド・クライストチャーチM5.7
②4月3日バヌアツ沖合M6.9
③4月14日熊本でM6.5の地震、立て続けに4月16日にはM7.3
①2015年9月8日ニュージーランドM5.6
②10月21日バヌアツ諸島M7.3
③11月14日 日本・薩摩半島西方沖 M7.0
①2014年1月20日ニュージーランド・キャッスルポイントM6.1
②2月7日バヌアツM6.5
③3月2日 日本M6.5
①2013年6月15日ニュージーランド・ ケルマディック諸島M?
②7月26日バヌアツM6.1
③8月4日宮城県沖M6.0
①2012年12月7日ニュージーランド・北島M6.3
②12月21日バヌアツM6.8
③12月29日宮城県沖M5.4
①2011年2月22日ニュージーランドのクライストチャーチでM6.1
②3月11日東日本大震災
③3月17日バヌアツで地震 マグニチュード 6.3
①2011年7月6日ニュージーランドM7.6
②7月31日バヌアツM6.2
③8月17日 日本・本州M6.1
情報ソースがウィキペディアの地震もあるので信頼性に欠けるし、ところどころ法則当てはまっていない地震もある。
そもそも日本もバヌアツもニュージーランドも地震が多い地域だし、こじつけ的に見えなくもない。
だけど、これらの地域の地震には連動性がある…ような気がする。
これらの地域はホントに連動しているのか?
先ほど紹介した地震の参照元であるウィキペディアをみてみるとわかるが、世界中で地震はたくさん発生している。
「○○という地域に地震が起きたら、××という地域に地震が起きる」というように、特定の地域を関連付けて考えるのは意外と簡単だ。
きっと探せば、たくさん関連性の深い地域を見つけることが(作り出すことが?)できるだろう。
では「ニュージーランド地震の法則」は間違っているのか?
ニュージーランドと日本は連動して地震が発生するのか?
答えは「ニュージーランド地震の法則が正しいかはわからないが、これらの地域はある程度連動して地震が発生している可能性がある」というものだろう。
これらの地域は「太平洋プレートの境目に位置する」という共通点がある。
プレート型の地震はプレートとプレートがぶつかる地域で圧力が溜まり続け、それが解放されることで発生する。
だとしたら、遠く離れた地域で起きた巨大な振動が、その他の地域に刺激を与え、連動的に地震が引き起こされる可能性もゼロではない。
日本に大打撃を与えた東日本大震災の直前には、ニュージーランドのクライストチャーチで大地震が発生していて、日本からも救助隊が派遣されていたし。
個人的にはバヌアツやニュージーランド、インドネシアなどの環太平洋の西側でマグニチュード7.0以上の大きな地震が発生した場合、その後1カ月くらいは日本での地震発生のリスクが高まるように感じる。
ニュージーランド地震の法則が当てはまるのかどうか、科学的に立証するのは難しい。
だけど科学的に立証されていないからといって、まったく無視するのは私たちにとってメリットが少ない。
バヌアツやニュージーランドで巨大地震が発生したら日本の地震リスクも高まっているかもしれないと捉え、地震に対する備えを万全にしておくことが大切なのではないだろうか。
こんな方におすすめ