日本最古の漫画とも称される国宝「鳥獣戯画」
かなり劣化していたため、この度130年振りの大修復が行われた。それを経て、今年京都で一般公開されたのだ。
そしてさらに2015年4月28日~6月7日の期間限定で、東京国立博物館にて特別展が開催される運びとなった!
鳥獣戯画展に行く前に知っておくと面白い豆知識を紹介しよう。
鳥獣戯画の作者は?そのプロフィールを紹介
本名:鳥獣人物戯画
出身:京都市高山寺
生年月日:12~13世紀(平安時代)
身長:絵巻物4巻全て繋ぎ合わせると約44m
作者:鳥羽僧正覚猷(とばそうじょう かくゆう)が有力だが、本当のところは不明
描かれた経緯:記録まったくなし
内容:「甲」「乙」「丙」「丁」の全四巻。
甲:カエルやうさぎ、猿やキツネなんかが相撲を取ったり、戯れて遊んでる。鳥獣戯画と言えばコレ!!という最も有名な作品。
乙:麒麟や竜など空想上の動物が登場する。牛や象なんかの実在の動物も描かれている。
丙:甲乙の10数年後描かれたもの。甲巻を参考にしていると思われるが、作者も画風も少し違うと思われる。前半は人間たちが遊んでいる様子が、後半は甲巻と同じように動物が戯れている。
丁:さまざまな人間たちが書かれてる。
鳥獣戯画はチラシの裏に描かれていたといってもいい!?修復作業で判明した事実。
鳥獣戯画は今年130年ぶりに修復作業が行われた、その作業をした職人はそのあまりの劣化具合に驚いたという。
鳥獣戯画は明治ごろまでは誰でも手に取って観ることが出来たという。その為に痛みが増したというが、それ以外にも理由があった。
それは使われた和紙がそーとーに質の悪いものだったということ。
この鳥獣戯画が描かれた平安時代はたくさんの絵巻物が作られた。当時は貴族が自分の権力を顕示するために豪華絢爛な絵巻を作っていたのだ。
同時期に作られた国宝「源氏物語絵巻」は当時の最高級和紙で作られていた。いまその材質を調べても、密な質の良い和紙であるのがわかる。
しかし鳥獣戯画は違う!めっちゃめちゃ質の悪い和紙だったのだ。
調べてみると鳥獣戯画に使われた和紙、実は手紙とか他の用途に使われたものを再利用したものだという。
もし高名な貴族に依頼されて描いたものなら、こんな質の悪いリサイクル和紙に描いてたら「ふざけんな~!!」って怒られるわけで…。
つまり絵師が、面白いもん思いついた~!と気軽にチラシの裏に描いてるようなもん。
だからそう、これは仕事じゃなく、ただ絵師がその遊び心を爆発させて、趣味で楽しみながら描いたものに違いない。
だからこそ、キャラがみんな楽しそうに騒いでいて、今も尚人々の心をほのぼのとさせることが出来るのだろう。
カエルとかうさぎが遊んでる絵が有名だけど、線に気負いがないというか、ふにゃ~って感じがとてもいい。
てきとーな紙に、ただの趣味で描かれた、芸術作品なんかじゃない、だけど国宝で究極の娯楽作品。
それはもう、絶対見に行くでしょ!!