社会

アマゾンマーケットプレイスの仕組みと詐欺に引っかからない方法や個人情報を守る方法

2017年5月1日

いま、アマゾンの悪質な出品者による詐欺が横行しているらしい。

その詐欺の手口はというと、まずアマゾンに定価よりもかなり安い商品が出品されているのだが…

「やった~!!」と安易に購入すると、商品が送られてこなかったり、個人情報が抜かれて悪用されてしまうというもの。

 

このような詐欺に引っかからないためにも、しっかりとアマゾンという巨大な通販サイトの仕組みを理解しておく必要があるだろう。

 

アマゾンマーケットプレイスの出品者からの発送とアマゾン倉庫からの発送の違いは?

出品者に個人情報を知られないためにはどうしたらいいの?

アマゾンを安全に利用するにはどうすればいいのだろーか!?

アマゾン詐欺の内容と目的とは?

ネット通販大手のアマゾンでは、あらかじめ登録すれば、誰でも商品を出品できるアマゾンマーケットプレイスというサービスを提供していますが、一部の利用者のアカウントが何者かに乗っ取られる被害が今月中旬から相次いでいることがわかりました。

乗っ取られると、身に覚えがない商品を勝手に出品されてしまうということで、「商品が届かない」など、客からの問い合わせが殺到する事態になっています。関東地方に住む60代の男性は28日午後、「商品が安すぎるが乗っ取られているのではないか」という連絡を受けて確認したところ、身に覚えのない商品が7万点以上、出品されていて、驚いたということです。

参照元::アマゾン アカウント乗っ取り被害相次ぐ 勝手に出品(NHK)

このようなアカウント乗っ取り事件以外にも、アマゾンで格安のPS4を注文したら、PS4が送られてくることなく、自分の個人情報を使って勝手にアマゾンマーケットプレイスに出店されていた…なんて事件も発生している。

アマゾンではちゃんと返金保証がしっかりしているので、もし商品が送られてこなかったら代金を支払う必要はないし、もし支払った後だとしてもアマゾンが返金処理をしてくれる。

つまりこういったアマゾンを利用した詐欺で、金銭を騙し取るのは難しいし、効率的ではない。

 

では、目的はなんなのだろうか?

 

この詐欺の目的はいまだに不明だけれども、「個人情報の収集」が主要な目的ではないかといわれている。

出品者にはすべての個人情報が開示されている

アマゾンマーケットプレイスで商品を購入した場合、出品者には購入した人の個人情報が明らかにされている。

店側には自分のデータは駄々洩れってこと。

  • 名前
  • 電話番号
  • 住所
  • 発送先

それも当然の話で、購入したらその商品を発送しなければならない。

名前や電話番号、住所をアマゾン側に教えてもらい、出品者は出荷の手続きをする。

多くのネット通販と一緒だ。

しかも、発送先を自宅にしていなくても、店側は購入者の自宅を確認できる。

 

たとえ受け取りをコンビニにしたとしても自宅住所の個人情報を守ったことになならないので注意が必要だ。

アマゾンから発送されたとしても安全ではない

アマゾンで商品を購入した場合、その発送方法は大きく2つに分かれる。

出品者が直接購入者に発送する方法と、アマゾンの倉庫から直接発送される方法だ。

 

アマゾンの倉庫から発送する方法をFBA( fulfillment by amazon)と呼ぶ。

出店者が予めアマゾンの巨大な倉庫に商品を発送しておいて、注文があった場合にアマゾンが迅速に発送手続きをしてくれるというサービス。

商品の保管には面積によって保管料がかかるし、発送手続きにもFBA利用料がかかる。

アマゾン側は商品が売れても売れなくても儲かるという素敵なシステムだ。

 

「でも、FBAなら出品者に住所が知られることはないし、少しは個人情報を守れるんじゃない?」

 

そう思うかもしれないが、たとえアマゾンから発送する商品を購入したとしても、店側(出品者)は購入者の名前や住所のデータをすべて確認することができる。

多くの通信販売と同じように、アマゾンで商品を購入するということは、自分の個人情報を相手に開示するってことなのだ。

アヤシイ出品者を見分ける方法

通信販売で商品を購入するってことは、店側に個人情報を渡すこと。

それはもう、しょうがない。

 

だけど、今回の詐欺で露になった問題点はそこじゃない。

アマゾン・マーケットプレイスの一番の問題点は、出店が簡単すぎることにある。

アマゾンマーケットプレイスのショップ・アカウントを作成するのはめっちゃ簡単。

メルアドと個人情報だけですべての出店手続きが完了してしまい、免許証などの書類の提出も一切必要ない。

引っ越しして住所が変わっても、設定変更の欄から住所を変更するだけ。

そのため、いくらでもウソの情報を開示できる。(もちろんそれがバレればアカウント停止になるけれども)

 

手続きのハードルが低すぎるため、アマゾンならちゃんとしたショップでなくても、個人レベルで簡単に商品の販売ができちゃう。

しかもアマゾンに出品しているおかげで、しっかりしたお店であるという錯覚が生まれる。

 

極端な話、自分の家にあるテレビを中古の商品としてアマゾンマーケットプレイスで販売することもできるし、近くで売ってる地元特産の工芸品を買ってきて、ちょっと割高にして販売することもできる。

このような”手軽さ”が、今回の様な詐欺まがいの出品や、悪質な転売屋をはびこらせる一因にもなっているだろう。

 

出品者に個人情報が流出するのはしょうがないことだけれど、できることならちゃんとしたショップから買いたいもの。

では、アヤシイ出品者を見分けるにはどうしたらいいのか?

 

ポイントはしっかりと出品者のデータを確認すること。

 

運営している期間は長いか?

評価は良好か?

住所はアパートの一室ではないか?

個人なのか法人なのか?

 

アマゾンマーケットプレイスに出店するのには商取引法の関係で、住所や氏名を公開する必要がある。

すべて簡単に確認できるので、購入する前にザッと目を通しておいた方が良いだろう。

アマゾンで個人情報を守る方法

アマゾンを利用しつつ、自分の個人情報を守る。

そんなことは「運動したくないしお腹いっぱい食べるけど、ダイエットはしたい」と同様に、完全に矛盾しているし、事実上不可能に近い。

不可能だけれども、それでも個人情報を守るには、悪質な業者や、信頼できない個人からの購入を避ける必要があるだろう。

 

では、「こういったショップは使うのを止めておいた方がいいかも」という出店者の特徴をまとめてみよう。

①運営元が株式会社ではなく個人名である

②連絡先電話番号が携帯電話

③住所に部屋番号がある

④住所が海外である

⑤評価が悪い(95%以下ならやめておいた方が良い)

⑥ショップへの評価数が100以下である

⑦発送までの期間が長い

このような出店者のショップを避けて、誰でも知ってるような大手のショップを利用すれば、悪質な個人情報の流出を防げる…わけではないけれども、少しはマシになるはずだ。

もし「個人情報が流出するのは絶対にイヤッ!!」ということであれば、アマゾンを含めたすべての通信販売を利用するべきではないだろう。

アマゾンは出品者への規制を強化するべきなのではないか!?

今回の事件は、手口が余りにも悪質であったため、すぐにバレて、多くの詐欺アカウントが姿を消した。

でも、もし巧妙な手口で行っていたら…?

 

例えばアマゾンマーケットプレイスで健康食品やサプリメントを販売するアカウントを作成して、数年間も普通に運営していたとしたら…「健康食品に興味のある個人情報リスト」が簡単に作成できるはずだ。

 

アマゾンマーケットプレイスは簡単で手軽な個人情報収集ツールになってしまう可能性がある。

こういった悪質な犯罪を防ぐためにも、アマゾンは出品登録に書類の提出を義務付けたり、何らかのルールを作成するべきなのではないだろーか!?

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