大学生の頃の夏休み、あまりにもヒマだったので北海道に一人旅に行ってみることにした。
バックに詰めたのは数枚の着替えと、数冊の文庫本、そしてポーダブルCDプレイヤー。
各駅停車でとりあえず北に向かった。
まったくのノープランで。
まったく計画をしていないので、とにかく泊る場所も決まってない。
深夜に止まったある終点の駅では、駅前にな~んにもなくて、泊るところに困った。
ポツンとあるコンビニに行ったり、そこらへんを散歩して始発を待ったこともあった。
大きな街では駅前のカプセルホテルにも泊まった。
カプセルホテルの最上階には大浴場があったり、蜂の巣みたいな小さなベットに眠るのは何かスゴイ楽しかった。
…でも、カプセルホテルに泊まった日は、朝、すっごく早く起きてしまった。
いつもは二度寝するところなのに、目が冴えてもう寝れない。
「意識してないけど、旅先で緊張してるのかな~」
そう思ったのを覚えている。
このように、はじめての場所でちょっと緊張して眠りの質が悪くなるのを「第一夜効果」と呼ぶそうな。
新しい場所で眠るとき、脳の半分は警戒態勢にあり、危険に備えていることが研究で明らかとなった。
睡眠ポリグラフィーによる研究を行う際に、実験環境が被験者の普段の睡眠環境と大きく異なると、睡眠の質に影響が出てくる。この現象は記録第1夜にみられることが多く、記録第2夜以降はあまり見られなくなるため、第一夜効果と呼ばれている。こうした現象について調べているロードアイランド州のブラウン大学の研究者グループは、新しい場所で眠るときには、右半球のネットワークと比べて、脳の左半球のネットワークが「より活発であり続ける」ことを発見した。
参照元:人が「新しい場所」で眠るとき「脳の半分は起きている」:研究結果(WIRD)
新しい環境では、脳が警戒態勢を取っていて、深い睡眠をとることができない。
誰もが一度や二度は経験していることだろうけど、あらためて研究者が行った研究結果を見ると「なるほど~」と思ってしまう。
ちなみに私は旅行先のはじめてのホテルでも、わりとグッスリと眠れる。
大きくてフカフカで清潔なベットは、むしろ自宅よりも眠れるかも。
自宅が小さくてゴワゴワで不潔なベットってわけじゃあないけど。
あの緊張感のある睡眠は、カプセルホテル独特の雰囲気もあったのかもしれない。
でも短時間でスッキリと起きられたのは確かだし、あれはあれでよかった気もするんだよね。
一人旅で学んだたったひとつのこと
あの一人旅で学んだのは、「旅行の計画はしっかり立てましょう」ってこと。
まあ、常識的な人間なら「当り前じゃねーか!!」と思うところだろう。
とくに当時はPHSでスマホもなかったので、旅先の観光スポットなんてまったく調べられない。
美味しい料理が食べられるお店もよくわからないし。
移動の方法も今なら検索でサッと出てくるけど、まったくの行き当たりばったりだ。
結局、フラフラと駅前を散歩したり、なんとなく海をみに行ったり、とにかく無目的であやふやな旅になってしまった。
今はスマホがあるからそんなに困らないけど、とにかく旅は主目的のスポットをひとつは決めておくのがいい。
あとは時間に余裕があれば行きたい場所を2~3ピックアップしておくくらい。
そうすれば旅はより有意義で楽しいものになるはず!!
…始発を待つ早朝の駅では、イスに横になって寝袋で寝ている本格的な旅人がいたり、ひねりたてホカホカの野糞があったりした。
ノープランの旅はそんなハプニングがあるから、面白いっちゃあ面白いんだけどね。