社会

キレる高齢者と優しい若者!!なぜ高齢者は怒りっぽくなるのだろうか??

2017年9月23日

ゆとり世代やそれより下の若い年代の子たちは優しくてマナーもよい人が多い。対して最近の高齢者たちは自分勝手でわがままでマナーの悪い人が多い。

かなり語弊はあるかもしれないが、そういった”傾向”があるような気はしないだろうか。

千原ジュニアとケンコバのトークバラエティ「にけつッ!!」で、千原ジュニアが若者と高齢者のマナーについてトークを披露した。

 

「若い子のライブ行ったって、ケータイ見てたり、ケータイ鳴ったりせぇへんやん。それが年齢層が高い、50代60代の人たちが集まるとこ行ったら、けっこー鳴んねん!」

映画館やライブ会場、漫才の劇場でケータイを使うのはマナー違反。「携帯の電源は切ってね」というアナウンスも流れる。もし使ったら、真っ暗な会場が明るくなるし、着信音が鳴るなんてもってのほかだ。でも、若者よりも高齢者の方が平気で携帯を使い続ける傾向にあるという。

 

千原ジュニアは50代60代が行儀の悪い人が多いと言い、「それはね、ホント思います」とケンコバも同意した。それに比べて今の若い人たちは、若手芸人も含めてみんな行儀がいいという。

千原ジュニアがたまたま喫茶店で隣に座ったおばあちゃんに「あんたみたことある顔ねぇ~。そうだちょうどよかった」と、全部味の違う6種類くらい入った飴の詰め合わせを貰ったという。

たくさんの飴の詰め合わせをバックの中に持っているおばあちゃん。千原ジュニアが興味を惹かれて、飴を持っている理由を聞くと、驚きの回答が!!

 

「もし中が見えないもの渡されたら、こんなばあさんに何を渡されたわからない、怖いだろうし、気持ち悪いだろうから、こうやって透明の袋に飴を入れてんのよ~」

「いや、その気遣いもすごいけど、そうじゃなくて、そもそもなんで飴の詰め合わせをそんなにいっぱい持ち歩いてるの?」

「わたしみたいな年寄りが生活してるでしょ、電車乗るでしょ、今の若い子らがこぞって席を譲ってくれる。ホンマにみんな優しいの。若い子たちがホント優しくしてくれるから、お返しに何かしたいと思って、飴の詰め合わせを作ってカバンに入れて持ち歩いてるのよ。それ、あげる」

今の若い子たちは優しくて、すぐに席を譲ってくれる。だから、そのお返しをするためにおばあちゃんはたくさんの飴を用意していたのだ。千原ジュニアは電車に乗らないからわからないけれど、聞いた話では優先席に座って寝ているのは、5~60歳の酔っぱらったサラリーマンが多いという。

 

千原ジュニアの話とも関連があるだろうけれど、最近、すぐ怒る高齢者が問題になっている。

なぜ、高齢者は怒りまくるのだろうか?

キレる高齢者の2人のレジェンドを紹介!!

まず、世間を賑わせたキレる高齢者の伝説的人物を紹介したい。

新聞に「高齢者がキレやすいのは…」というタイトルで投書した86歳の男性。

彼は先日、友人2人と待ち合わせしたものの、ちょっと道に迷ってしまい5分遅刻してしまった。そしたら、友人たちは男性を待たずに、さっさとレストランに!それにブチ切れた男性は、そのまま帰ってしまったという。

高齢者がキレやすい背景には、社会で冷遇されていると感じるイライラがある」と男性は語る。

「友人2人に冷遇されているだけなのでは?」

「若者だって社会に優しくされてないわ!!」

などなど、ネット上ではさまざまな意見が交わされた。

これもまた、有名な新聞の投書欄。

63歳の男性は新幹線で目の当たりにした”三景”に対して問題提起している。その内容を簡潔に説明しよう。

三景の内容と男性の心情

一景→指定車両で小さなバスケットに入った子犬を席に置いていた女性(犬畜生に指定席を買うな!高齢者のおれに座らせろ!!)

二景→指定車両で母親の隣に座っていた3歳くらいの男の子(子どもはたとえ指定席を買っていたとしても高齢者に席を譲るべきだろ!!)

三景→自由車両で母親の隣に座っていた子ども(自由車両で子どもが座っているのに、高齢者のおれが立っているのはおかしい!!)

最終的に投稿者の男性は、自由車両の母親に「ここ空いてますか?」と聞いて、子どもをどかせて自分が座った。

投書の最期は「私はその座席で居心地の悪さを感じながら、この新幹線の中での三景をどう考えたらいいか自問した」と締めている。

この投書もまた、「自問するな!ふざけんな!クソジジイ!!」とか「これぞ老害!!」と批判の的となった。

 

どちらの高齢者男性も、同じ心情を持っていることがわかる。

「自分をもっと優遇して欲しい」

「自分にもっと優しくしてほしい」

自分が尊重されていないことに対して、高齢者の、特に男性は強い憤りを感じるようだ。

なぜ高齢者はキレやすくなるのか?

 28年版犯罪白書によると、刑法犯全体の認知件数が減少傾向にある一方、高齢者の刑法犯の摘発人数は高水準で推移。特に傷害や暴行などの粗暴犯は右肩上がりで、27年の摘発人数は傷害1715人、暴行3808人と10年前からそれぞれ約1・6倍、約4・3倍に増加した。これは同期間の高齢者の人口増加の割合(約1・3倍)を上回る。

(中略)

高齢者が先鋭化する背景には、核家族化や雇用の流動化、年長者を慕い敬う伝統の消失など社会構造の変化があるとされる。激高などの行動は孤立した状況で起こりやすく、女性に比べて変化への順応が苦手な男性で顕著になるという。

参照元:暴行摘発10年で4倍 つえで殴る、小1男児首絞め…… 識者「人は孤立すると攻撃的になるとの実験結果もある」(産経ニュース)

”刑法犯全体の認知件数が減少傾向にある一方、高齢者の刑法犯の摘発人数は高水準で推移”…つまり、若者の刑法犯罪は減り、高齢者の犯罪数は変わっていないということ。

確かに日本は超高齢化社会となっていて、高齢者の絶対数が多くなり、若者の数は減っている。しかし、高齢化社会の人口増加を計算に入れても合わないくらいに、高齢者の暴行と傷害事件が増えている。

これは犯罪として立件されたものの統計だと思うので、水面下では遥かに多くの高齢者がブチ切れているということになるだろう。

この記事では、その原因について高齢者の孤独感社会構造の変化にあるとしている。

 

確かに孤独感や疎外感は、人の心をやさぐれさせる。

この孤独感が認知症のリスクを上昇させ、その結果として怒れる高齢者を育んでいるのかもしれない。

 

厚生労働省の発表によと、2012年の段階で65歳以上の高齢者の7人に1人は認知症であるという。もちろんこれは、日常生活にまったく問題のない軽度なものも含まれるだろうけれども。

認知症は「アルツハイマー型」や「レビー小体型」など、複数の種類あるけれど、基本的には脳の機能が低下していき様々な生活上の弊害が発生する病気だ。

その症状は様々だけど、”めちゃくちゃ怒りっぽくなる”という症状もある。

脳の機能が、具体的には理性をつかさどる”前頭葉”が委縮することで、些細なことでも感情を抑えられずに怒鳴り散らしてしまうのだ。

 

他人とのコミュニケーションは脳への刺激となり、認知症の予防に効果的。逆に孤独は脳への刺激が少なくなり、認知症のリスクを上昇させる。

孤独な高齢者は、それだけで疎外感やストレスが溜まってしまうけど、やたらと怒鳴り散らす高齢者の一部は、前頭葉が委縮している可能性もあるだろう。

特に男性は社会性が低いので、仕事を定年退職した後には孤独になりがちになっちゃう。同僚と遊びに行く、なんてこともなくなるし、昔の友達なんかとも縁が切れている。孤独死だって女性よりも男性の方が2倍も多いといわれている。

 

社会の変化によって高齢者が孤独になりがちになる。そんな孤独による疎外感、イライラ、ストレス、被害者意識、こんなものが高齢者を怒りっぽくしてしまう。

さらに孤独によって認知症のリスクが上昇し、その結果、前頭葉が委縮してしまい怒りっぽくなってしまうこともあり得るだろう。

特に男性は危険だ。独身の男性はもっと危険だろう。

老後の孤独がメンタルを蝕んでいき、若いころに温厚だったとしても些細なことでブチ切れる性格になるかも。

 

…なんて記事を書いていたら、こんなニュースが飛び込んできた。

静岡市で父親を刃物で刺したとして、16歳の高校生の息子が逮捕されました。父親はその後、死亡が確認されました。

(中略)

捜査関係者によりますと、自分の部屋でゲームをしていた息子に父親が「ご飯だよ」と呼びにいったところ、息子が激高し、台所の包丁で父親を複数回、刺したということです。

参照元:ゲーム中「ご飯だよ」に激高 息子が父親刺し死亡(テレ朝ニュース)

「ご飯だよ~!!」

これが子どもの逆鱗に触れ、ぶっ殺される。

 

「ご飯だよ~!今日もお前の大好きなカレーだよ!!」

「てめえ!!これで6日連続カレーじゃねーか!!!」

なんて深い事情があったのかもしれないけど、それにしても狂気じみている。

 

怒れる世代でも温厚な人はたくさんいるし、大人しいといわれる若年層でも、ちょっとしたことで激昂してしまう人もいる。

高齢者も、若年層も、やはり世代というよりも個人差の方が遥かに大きいってこと。

とはいえ、なるべく豊かな人間関係を保持したまま老後を迎える方がいろいろと都合が良さそうだ。

俳句会やカラオケ教室、フラダンスに太極拳、ゲートボールなんかを楽しむのもなかなかどうして、けっこう理にかなった”怒らずに老後を楽しむ方法”なのかもしれない。

 

おすすめ記事:怒りの感情を抑えるには”見える化”よりも”値段化”がオススメというお話。

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