ファイトケミカルは「植物に含まれる化学物質」のこと。
ビタミンやミネラルなどの栄養素には分類されないものの、強い抗酸化作用と免疫強化作用があり、第7の栄養素として大きく注目されている。
第7の栄養素…なんだかカッコいい!
今回はファイトケミカルを上手に摂取して、いつまでも若々しく健康に生活するコツを紹介しよう。
7番目の栄養素ファイトケミカルとはなんなのか!?
「ファイトォーーーー!!!」
「イッパァァーーーーーツ!!!!」
ファイトケミカルはなんとなく元気が出て健康的なネーミングだけど、実はファイトの意味は「頑張る」ではない。
ファイトケミカルのファイトは「Fight」ではなく「Phyto」であり、”植物”という意味を持つのだ。ファイトケミカルではなく、フィトケミカルと呼ばれることもある。
そしてもちろん「ケミカル」は化学物質のこと。
フィトケミカルは「植物」の「化学物質」という意味。この化学成分が強い抗酸化作用と免疫機能上昇効果を持っていて、第7の栄養素として注目されているのだ。
ちなみに6大栄養素はタンパク質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維のこと。そこに7番目の栄養素として抗酸化物質(ファイトケミカル)が加わるのだっ!!
では具体的に植物に含まれるフィトケミカルとは何を指すのだろうか?
フィトケミカルの正体!
植物に含まれるフィトケミカルで代表的なのは「ポリフェノール」と「カロテノイド」だ。
ポリフェノール
ポリフェノールは大豆のイソフラボンや緑茶のカテキンが代表的。
もともと動けない植物が外敵から身を守るために作り出したのがポリフェノールといわれている。なので、ポリフェノールは植物の皮に含まれることが多く、殺菌効果・防虫効果があり、強い苦みを持っている。
柑橘系の果物の皮にも、たくさんのポリフェノールが含まれている。植物や果実の皮が苦いのは動物に食べられないようにするためであり、その苦みの元がポリフェノールなのだ。
ポリフェノールが強い抗酸化作用を持っていて健康にいいことは、テレビの健康番組でよ~く紹介されているので知っている人も多いだろう。
カロテノイド
カロテノイドはニンジンやかぼちゃなどに含まれる「αカロチン」や「βカロチン」などのことを指す。
圧倒的な健康効果があるトマトの「リコピン」も、カロテノイドの一種だ。
カロテノイドはほうれん草・ブロッコリー・かぼちゃ・トマト・ニンジンなどなど、色の濃い緑黄色野菜にたっぷりと含まれている。
大根おろしやワサビの辛味もファイトケミカル。コーヒーや烏龍茶の渋み・苦みもファイトケミカル。唐辛子のカプサイシンもファイトケミカル。緑色の野菜に含まれる”葉緑素”もファイトケミカル。ブルーベリーや黒豆の濃い色素もファイトケミカル。
ファイトケミカルは1,500種類以上あり、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶、ハーブなどなど、多かれ少なかれ植物であればほぼ確実に含まれているといっていいだろう。
ファイトケミカルの効率の良い摂取方法
「じゃあ、とにかく色の濃くて苦い野菜を皮ごとバリバリ食べればいいんだね!?」
バリバリバリ…
ちょっと待ってほしい。実はファイトケミカルは直接食べてもそれほど吸収率がよくない。
その理由は植物の堅~い食物繊維にある。ファイトケミカルは食物繊維に包まれていて、そのまま食べても摂取効率が悪いのだ。
そこでオススメなのがスープにして食べること。
まるごと煮てしまえば、スープに良質のファイトケミカルが溶け出して、摂取効率がとてもよくなる。
たくさんの野菜をぶつ切りにしてお鍋に投入!その後、コンソメでも入れておけば、簡単にフィトケミカル・スープが完成するだろう。家族の健康のためにも、生野菜サラダではなく「たっぷり野菜のスープ」をオススメしたい。
抗酸化作用で健康長生き!
老化とは細胞の酸化が原因であるといわれている。
強い抗酸化作用と免疫機能強化作用があるフィトケミカルは、老化を防ぎ、ガンを予防し、風邪をひきにくくする。
まさに、健康で豊かな生活を送るのに必須の栄養素といっていいだろう。
「インスタント食品や外食ばっかりの食生活+サプリメントで栄養素を補給」なんて生活では、フィトケミカルが圧倒的に不足している可能性がある。
味噌汁でもいいし、コンソメでも鶏ガラでもいい。1週間に1度程度でいいから、生野菜を買ってきて大量のスープを作っておき、毎日飲んでみてはいかがだろうか?
夕食がコンビニ弁当だけだって「たっぷり野菜スープ」を1品加えるだけで、とたんに健康的なディナーに早変わり!フィトケミカルたっぷりの健康な生活が送れるはずだ。