政府の地震調査委委員会より、全国地震動予測地図2018年版が公表された。
これは今後30年に発生する地震の確率を地図上に表した最新の研究結果だ。
その内容と共に、最も危険な震度6強の地震発生リスクの高い地域を紹介したい。
全国地震動予測地図2018年版からわかる本当に危険な地域とは?
2018年度版の全国地震動予測地図が発表されたことは、新聞やニュースでも大きく取り上げられた。
その記事のタイトルがこちら。
- 震度6弱以上、太平洋側で確率高く 大都市圏、最高レベル 18年版予測
- 30年以内に震度6弱以上、北海道南東部で確率上昇
- 地震動予測地図 震度6弱以上の確率 千葉市が85%
- 地震確率示す「全国地震動予測地図」、北海道が上昇
- 30年間に震度6弱以上 糸静線周辺と南信で高確率
これらの記事タイトルを見ればわかる通り、そのすべての報道で「今度30年以内に震度6弱以上の地震が発生する確率を示したマップ」が使われている。
そんな震度6弱以上の地震リスクを示した地図がこちら。
色が濃ければ濃いほど確率が高く、最も濃い地域は26~100%の地震発生確率となっている。(それにしても26~100%って範囲広すぎ!)
中でも北海道東部、関東、東海地区、四国、広い範囲で危険度MAXであることがわかる。
でも…
本当に怖いのは震度6弱ではなく、震度6強以上の大地震なのではないだろうか?
2018年6月18日に大阪で、大阪における観測史上最大となる震度6弱の地震が発生した。
確かに地震の被害で多くの家屋が損壊したり、電車が運休になったり、怪我人もでた。
しかしながら、多くの人々が避難生活を余儀なくされるような大災害ではなかったはずだ。
だけど震度6強以上は違う。
直近で震度6強以上の地震が発生したのは、2016年4月の熊本地震までさかのぼる必要がある。
熊本地震による被害の大きさは誰もが知るところだろう。
大阪地震と熊本地震の被害の差は明らか。今の日本の耐震技術や地震に対する備えがあれば、震度6弱くらいの地震であればギリギリ被害を抑えられる可能性が高い。
だけど、震度6強や震度7のレベルになってくると、その被害が加速度的に大きくなるだろう。
だとしたら、私たちがもっと知っておかなければならないのは、震度6強以上の地震が発生する確率を示したマップなはずだ。
というわけで一般的には報道されていない、全国地震動予測地図2018年版に記載のある「今後30年に震度6強以上の揺れに見舞われる確率」を示したマップを紹介しよう。
今後30年に震度6強以上の揺れに見舞われる確率マップ
こちらが「今後30年に震度6強以上の揺れに見舞われる確率」を示したマップだ。
震度6弱のマップと比べても、その発生確率がグッと下がっているのがわかる。
この地図だとちょっとわかりにくいので、特に発生確率の高い北海道と太平洋沿岸の2地域を拡大してみてみよう。
北海道は東部が特に危険!
対して西部や内陸部は比較的安全であることがわかる。
関連記事:北海道東方沖に超巨大地震が迫っている!?その発生確率と気をつけるべきこと。
太平洋沿岸の拡大マップがこちら。
千葉県北部と茨城県南部。
東京や神奈川の東京湾沿い。東京、上野周辺の下町。
富士山の周辺地域。
静岡県の浜松を中心とした沿岸部。
愛知県は名古屋周辺。
四国の徳島県東部や高知県の太平洋沿い。
これらの地域では、今後30年の間に震度6強以上の地震が26~100%の確率で発生するという。
(全国地震動予測地図2018年版の地図データはこちらで確認できます→全国地震動予測地図2018年版)
南海トラフ巨大地震の発生確率が「今後30年で70~80%」なので、その地震の影響を受ける地域は軒並み高い結果となっている。
直下型の大地震が心配される東京は、特に東部が危険なようだ。
また、以外にも千葉県と茨城県の県境周辺が危険地域であることもわかる。
震度6強以上の地震は、いちばん最近では熊本地震、その前は東日本大震災となる。
地震大国日本でも、震度6強以上の地震はめったに発生しないし、発生したとしたらその被害は甚大なものになる。
熊本地震や東日本大震災の被害を思い出せば、震度6強以上の地震の恐ろしさがわかるはずだ。
もちろん、これらのマップが示すのはあくまでも可能性に過ぎない。
来るかもしれない、来ないかもしれない。明日地震が起きるかもしれないし、100年後かもしれない。
30年前から南海トラフ巨大地震が起きると囁かれていたのに、いまだに地震なんて起きてないし、大阪地震も熊本地震も専門家が危険だと指摘していなかった地域だった。
「専門家の地震予測」ってヤツがまともに機能したことなんて、ホントにあるのか??
というわけで、こんな当てにならない予測を過度に恐れる必要はないし、地震リスクの少ない地域にすぐに引っ越す必要もない。
だけど地震への備えはあればあるほどよい。もし該当の地域に住んでいるのなら、他の地域よりも念入りに地震対策を行っておくべきなのではないだろうか!!