ストレスは身体的にも身体的にも悪影響を及ぼすのは誰もが知っているが、その具体的な症状とは何なのだろうか??
ストレスを感じると甘いものが食べたくなる。
ストレスを感じると身体が臭くなる。
最新の研究でわかった「ストレスの影響」と、「正しいストレス解消法」を紹介したい。
強いストレスによる症状や体内の変化
ストレスを感じると甘いものが食べたくなる
人間の脳が体重に占める割合はわずか2%ですが、脳は人間が摂取する炭水化物の半分を消費する「大食い」の器官といえます。脳の燃料となるのがでんぷんやショ糖などの炭水化物を分解して得られるグルコースであり、炭水化物を摂取すると速やかに体へエネルギーを供給できるとのこと。
脳がストレスを受けると、通常よりも12%も多くのグルコースを必要とすることがわかっており、人々は脳の要求に従ってスナック菓子を食べたり主食を多く食べたりします。ストレスを受けた人々は認知活動が低パフォーマンスになりますが、食事を取ってエネルギーを補給することでパフォーマンスを元に戻せるそうです。しかし、グルコースは脳の活動に必要不可欠なエネルギーとなる一方、甘いものや炭水化物の食べ過ぎは肥満につながり、生活習慣病を引き起こす原因となります。
脳は最もエネルギーを使う器官→ストレスを感じると脳のエネルギー消費量が多くなる→エネルギー不足を補うために脳の直接のエネルギーとなる糖分が欲しくなる→甘いモノや炭水化物を食べ過ぎる
という流れ。
これは40人の被験者を使った実験でも確かめられている。
もし最近甘いモノばっかり食べてるなあ~と思ったら、気づかないうちにストレスを感じているのかも!?
ちなみに糖分と炭水化物の違いは、食物繊維が含まれているかいないかだけで、ほとんど同じと思っていい。
炭水化物=糖質+食物繊維
たとえば糖質10gと食物繊維10g含まれる食べ物があったとしたら、炭水化物20gってことになる。
ストレスを感じると身体が臭くなる
資生堂は長年にわたり、パヒューマーによる調香だけでなく、臭気判定士による体臭の研究を行っている。
その過程で臭気判定士が「緊張状態にある人から、いつも硫黄化合物のような特徴的なニオイがする」ことに気づいた。
そこで、ストレスを与えた人が発生する皮膚ガスを採取し、ニオイの原因である成分を突き止め「STチオジメタン」と命名したという。
人間はいろんなニオイを発している。
不潔にしていれば臭くなるし、加齢によって特徴的な加齢臭を発することもある。腋にあるアポクリン汗腺から特徴的な匂いがほとばしる”ワキガ”もある。
それとは別に、ストレスを感じているだけで独特のニオイが発生することがわかった。
それが「STチオジメタン」だ。
硫黄化合物系のニオイとのことなので、腐ったタマゴの悪臭に似ているかもしれない。
「あれ、最近身体が腐ったタマゴ臭い…!?」
そう思ったらもう、末期症状かもしれない。
ストレスを感じると脳の機能が低下する
そんな中、ジョンズ・ホプキンス医学校のJustin Echouffo-Tcheugui博士が、脳とストレスに関する最新の研究論文を神経科学誌のNeurologyで発表しました。
研究では、マサチューセッツ州フラミンガムに住む人々を対象に行われた健康状態の追跡調査「Framingham Heart Study」のデータを分析し、その中から認知症ではない健常者2231人(平均年齢49歳)を特定。この2231人に心理学的試験と記憶・思考スキルに関するテストを実施し、同時に、被験者の血液サンプルを採取し、MRIで脳のスキャンも行ったそうです。
収集したデータを分析した結果、血中のコルチゾール濃度が高い人々は、正常なコルチゾール濃度の人々よりも記憶力および思考力のテストで低いスコアを出したことが明らかになりました。また、血中のコルチゾール濃度が高い人々は、脳の容積が縮小していることも確認されています。なお、この傾向は女性の間でより顕著にみられたそうです。
慢性的にストレスを感じていると、脳の機能が低下する。
記憶力、判断力、思考力、あらゆる機能が。
とくに女性の方が悪影響を受けやすいみたい。
最近やたらと頭がボ~っとする
物忘れが多くなってきた。
そんな症状が多くなってきたらストレスを感じているからかもしれない。
ストレスを感じると消化器官の機能が低下する
脳に加えられた精神的ストレスは、中枢神経系や内分泌系を介して腸に伝達され、腹痛・下痢のような消化器症状や膨満感のような不快な感覚を引き起こします。
また、腸の感覚刺激は逆に脳に伝えられ、精神的ストレスの症状を悪化させます。さらに、精神的ストレスは腸内細菌叢を変動させますが、特定の腸内細菌は直接的または間接的に、脳機能に影響を与えます。
このような脳と腸・腸内細菌の機能的な関連は、「腸内細菌-腸-脳相関」とよばれます。
精神的ストレスを感じると、腸にある糖鎖(フコシル化糖鎖)ってやつが減少し、消化器官の調子が悪くなるという。
やたらとお腹が痛くなったり、消化不良が下痢が続くようなら、それはストレスの影響かもしれない。
ストレスは過食の原因になる。
過剰なストレスは食欲を抑える脳の働きを抑え、人を過食に走らせる。
ストレス因子は、子どもたちにも深刻な影響を与えている。貧困のなかで暮らしているアメリカの子どもたちは20%近くにもおよぶ。食と住まいの不安定さが生涯にわたって残す傷は脳にとって有害であり、脳の構造を幼い時点で変化させる[3]。とりわけ、コルチゾールは食物摂取を抑制する働きのあるニューロンを殺してしまう[4]。
とくにストレスは「社会的な地位」と相関関係が強いらしく、偉ければ偉いほどストレス値は低く、最下層のグループが最もストレス値が高かったとか。
ストレスを感じると病気リスクが上昇する
脳の扁桃体が不安や恐怖を感じると ストレス反応と言われる反応が始まります。
ストレスホルモンが分泌されたり自律神経が興奮したりします。そのために心拍数が増える、血圧が高くなるといった反応が起こります。これがストレス反応です。
一つ一つは小さくても、多くのストレスが重なると、キラーストレスともいうべき危険な状態に陥ります。
血管が破壊され、脳卒中や心筋梗塞、大動脈破裂を引き起こします。
最新の研究では ストレス反応は、心臓の筋肉を流れる血液が減少し心不全を引き起こす、がんを悪化させる、体内に入った細菌を増やして血管の破壊を起こすなど、命に関わることがわかってきました。
ストレスは万病のもと。
代表的なストレスはと関係する病気がこちら。
- じんましん・アレルギー
- 胃炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 脳卒中・心筋梗塞
- 糖尿病
- エコノミークラス症候群
- うつ病など
ストレス怖いッ!!
ストレスを感じると白髪になりやすくなる
とてつもなくショックな出来事にみまわれて、一夜にして白髪になってしまう…そんな話を聞いたことがあるけど、あながちウソとも言い切れないようだ。
われわれの体は、ウイルスや細菌の攻撃を受けると自然免疫が活性化する。病原菌やがん細胞をいち早く感知し、排除する仕組みのことだ。この過程で、われわれの体にあるすべての細胞は、病原体に反応してインターフェロンと呼ばれるたんぱく質を分泌させる。これがウイルスの複製を阻害する遺伝子発現をオンにし、体の防御機構を強化させるのだ。
ところが、このプロセスには思いもよらぬ側面があった。毛髪の色素を作るメラノサイトの多くの機能は、MITFと呼ばれる転写因子によって調節されているのだが、このMITFにはインターフェロンによる防御機構を確認する役割もあることが明らかになったのだ。ごく簡単に言い換えると、メラノサイト幹細胞が免疫システムの防御シグナルに反応しなくなると、結果として白髪が発生する。
難しい言葉ばっかりでなんかよくわかんないけど、とにかくストレスを感じると白髪の原因になるという。
「あれ、最近白髪増えたな…」
なんて思ったらストレスを感じていないかチェックしてみよう。
ストレスはがんリスクを上げる
2018年1月20日、 国立研究開発法人国立がん研究センターは、40~69歳の男女約10万人について、1990年(または1993年)から2012年まで追跡調査し、自覚的ストレスの程度およびその変化とがん罹患との関連調査の研究結果を発表した。
追跡調査中にがんに罹患したのは17,161人で、長期的にみて、自覚的なストレスレベルが高いと、全がんで罹患リスクが高くなり、その関連は男性で強くみられる結果となった。また、罹患したがんを臓器別にみると、特に、肝がん・前立腺がんで自覚的ストレスが高いとリスクの上昇がみられた。
先ほど「ストレスは脳の機能を低下させる」と紹介した。その影響は男性よりも女性の方が顕著であった。
ストレスはがんのリスクを上げるわけだけど、こちらは逆に男性の方が強く悪影響を受けるようだ。
科学的にストレスを解消する方法
頭皮マッサージでストレス解消
頭皮マッサージのストレスや快適感に及ぼす影響を生理学的指標,心理学的指標を用いて検討した。その結果,頭皮マッサージにより,唾液中のコルチゾール濃度は有意に低下し,分泌性免疫グロブリンA濃度は有意に上昇した。Visual Analogue Scale(VAS)を用いた検討では頭皮マッサージの前後で身体的疲労の軽減,リラックス度の上昇が認められ,POMS短縮版ではネガティブな感情を示す指標の低下が認められた。ストレスに関連した唾液成分濃度の測定およびVASやPOMS短縮版の結果から,頭皮マッサージにはストレスを軽減させる作用や快適性を向上させる作用があることが示唆された。
頭皮マッサージの生理的,心理的指標に及ぼす効果
頭皮マッサージには強いストレス解消効果がある!!
わたしが行っている美容院では、サービスの一環として頭皮マッサージをしてくれる。
とても気持ちいいし、たしかにストレス解消されている気がする。
ストレスを感じたら頭皮マッサージしてみるのがいいかもしれない。
猫の動画を見るとストレスが軽減される
マイリック教授が「なぜ人々がネットにある猫の写真やムービーを見るのか」を調べていくと、どうやら3つの理由があるということがわかりました。まず1つはEmergency Kitten!に代表されるような、ひたすらかわいいネコの姿を見続けることによるストレス緩和。
もう1つは、やらなければならないことの先延ばし。
3つめは個人的な理由。例えば、猫は反社会的な動物であると認識されることがあるので、性格特性5因子で「内向型」に分類される人は猫を好むのだそうです。今回、調査対象になった人々の性格特性を調べてみると、この「内向型」の人が多く、実際にシャイな人も多かったとのこと。
そんな人々に、猫の写真やムービーを見まくったあとのことを聞いてみると、「苛立ち・不安・悲嘆・罪悪感といったネガティブな気持ちが減少し、希望・幸福・満足といったポジティブな気持ちが増えた」という回答が得られました。実際に、直近2週間の生活を振り返ってもらったところ、ハッピーだったと答えた人が多数でした。このことから、マイリック教授は、猫の写真やムービーによって、人々は幸福感に包まれるのではないかと考えています。ただし、物事を先延ばしにしがちな人は、得られた幸福感以上に罪悪感があったそうです
日本はもちろん、世界中でネコは愛されている。
Twitterやインスタグラムをちょっと検索するだけで、何万というネコ動画を見ることができる。
もしストレスで頭がおかしくなりそうになったら…そんなネコ動画を見てみるのも科学的に有効な選択肢のひとつなのだろう。
20分だけでいいので自然の中で過ごす
ほんの20分の間、自然とふれ合うだけでストレスを軽減できることが明らかになった。屋外に出て自然と接触することで、ストレスホルモンの「コルチゾール」を大幅に減少させる効果があるという。
科学メディア「フロンティアーズ・イン・サイコロジー」に掲載された論文で、この効果が明らかにされた。ミシガン大学のMaryCarol Hunter博士は、「ストレスホルモンのコルチゾールを減少させるのに最も効果的なのは、自然を感じられる環境下で20~30分間、過ごすことだ」と述べている。
昔から森林浴にはストレス解消効果があるとされてきだけど、それはホントのことみたいだ。
1日に20~30分ほど、自然の中で過ごすだけで、体内のストレスホルモンが劇的に減るという。
近くに緑の多い場所を見つけておいて、ストレスを感じたら行ってみるのもいいだろう。
テトリスをするとストレスが解消される
テトリスを夢中でプレイすると、極限まで集中力が研ぎ澄まされた「フロー状態」になるという。
テトリス効果がもたらされる原因の一つとして、プレイ中に意識がゲームに強く集中することで強くのめり込む状態「フロー」に入ることが挙げられています。フローは「無我の境地」や「ランナーズハイ」などといった状態と同じもので、フロー状態を経験した人は「空間や時間から切り離され、流れる水(=フロー)の中に存在するような感覚にとらわれた」という印象を後に語ることが多いことがわかっています。
このフロー状態が、ストレスや不安の軽減にバツグンの効果を発揮するとか。
ストレスにまみれた生活でちょっと一息つくのなら、テトリスで遊んでみるのがいいかもしれない。