危機対策

超特大スーパームーンと地震に因果関係がある?過去のケースを徹底検証!!

2016年11月5日

2016年11月14日に68年ぶりの超特大スーパームーンが発生し、それに伴い大地震が発生するのではないか?と噂になった。

その近辺で発生した地震がこちら。

  • 2016年11月22日福島県沖 M7.4
  • 2016年11月12日宮城県沖 M5.8
  • 2016年11月11日熊本県 M4.2

M7.4という大地震が発生しているけど、スーパームーンから1週間経過しているし、因果関係があるかはちょっとわからない。

 

ホントにスーパームーンと地震に因果関係はあるのだろうか?

 

まず、近年に発生したスーパームーンの年表を見てみよう。

下記はスーパームーンが発生した日付と、地球と月との距離だ。

  • 1912年1月4日 35万6,375km
  • 1930年1月15日 35万6,405km
  • 1948年1月26日 35万6,490km(直近の特大スーパームーン)
  • 1972年11月21日 35万6,524km
  • 1993年3月08日 35万6,530km
  • 2011年3月19日 35万6,577km
  • 2014年8月11日 35万6,896km
  • 2016年11月14日 35万6,509km(68年ぶりの特大スーパームーン)
  • 2018年1月2日 35万6,567km
  • 2019年2月19日 35万6761km

地球と月との平均的な距離は38万4,400㎞。

スーパームーンに明確な定義はないけど、38万7,000kmよりも近づいたケースをスーパームーンと定義したい。

超特大スーパームーンは、さらに近づき38万6,500kmくらいってことになる。

 

見ればわかる通り、2016年11月14日のスーパームーンは、1948年以降で最も地球と月が近づく。だから68年ぶりの最接近と騒がれていたわけだ。

満月や新月は引力の力が強まり、地震発生の確率が上昇するといわれているが、だとしたら過去のスーパームーンで地震は発生していたのか?

調べてみた!!

過去のスーパームーンで地震は発生していたのか!?

スーパームーンという言葉は正式な天文学用語ではないが、一般的には月がめちゃくちゃ地球に接近して超巨大に見える満月のことを指す。

スーパームーンで地震が発生するという説は昔からあるけれど、NASAはそんな不安の声に対して「スーパームーンと地震は関係ないよ!」と言っている。

しかし2016年に東京大学の研究によって、新月や満月が大地震を誘発するかもしれない事実が発表された。

このほど東京大学の研究者チームが、40年以上にわたるデータから世界各地で生じた地震を徹底分析。

その結果、マグニチュード5.5以上の巨大地震が発生した時期と、大潮になる時期、つまり月や太陽から地球が受ける重力の影響が大きくなる時期に因果関係があることを示す研究論文が、学術雑誌「Nature Geoscience」に掲載されました。

同調査によれば、2004年のスマトラ島沖地震、2010年のチリ地震、2011年の東日本大震災など、いずれもマグニチュード8.8を超える巨大地震が、満月または新月の前後に発生していたことが判明。

大潮の時期には、海底の地殻プレートへ潮汐による多大な力がかかり、そこへ太陽や月の引力も加わって、大地震につながりやすいとの説が発表されています。

参照元:「大地震は満月か新月の前後に起きやすい」東大研究者らが発表(エキサイトニュース)

東京大学の研究チームが40年以上もの地震データを集計し、徹底的に分析をした。

その結果、潮汐力(ちょうせきりょく)と地震の発生には明らかな相関関係があることがわかった。

 

地球が月や太陽の引力を大きく受けると、それが大地震の引き金になる可能性が高いということ。

具体的には、新月や満月、大潮が発生していると、地震リスクが高い時期となる。

 

さらに月の引力の影響は、地球から近ければ近いほど強くなる。

ということは、普通の満月よりも地球に接近するスーパームーンの前後には、大地震が発生する可能性が高くなるということではないか!?

というわけで、過去のスーパームーンと、その前後に世界中で発生した地震を調べてみたい。

先ほどは日本の地震に注目したけれど、地球と月との潮汐は世界中に影響を及ぼす。

なので日本にとどまらず、世界中の地震を検証してみた。

☆過去のスーパームーンと前後に発生した巨大地震

  • 1912年1月4日→巨大地震なし
  • 1930年1月15日→巨大地震なし
  • 1948年1月26日→1948年1月25日フィリピン・パナイ島でM8.2の地震
  • 1972年11月21日→1972年12月2日 フィリピン、ミンダナオ島M8.0の地震/1972年12月4日八丈島M7.2の地震
  • 1993年3月08日→巨大地震なし
  • 2011年3月19日→2011年3月11日東日本大震災
  • 2014年8月11日→巨大地震なし
  • 2016年11月14日→11月14日ニュージーランド沿岸でM7.8
  • 2018年1月2日→1月10日スワン島地震 M7.5
  • 2019年2月19日→2月21日北海道胆振地方M5.8

ほとんどのスーパームーンで巨大地震は発生していないか、発生していても天変地異レベルの地震ではない。

たしかに1972年にはスーパームーンの約10日後、2011年にはスーパームーンの1週間前に巨大地震が発生している。

だけど、月の引力が強まる満月と新月は毎月2回あるので、スーパームーンの10日後や1週間前に発生した巨大地震とスーパームーンで引き起こされた引力を関連付けるのはちょっと無理がある気がする。

 

ただ、1948年の超特大スーパームーンは、地球と月が最接近する前日に、フィリピンでM8.2の地震が起きている。

さらに68年ぶりに発生した2016年11月14日の超特大スーパームーンでは、その当日にニュージーランド沿岸でM7.5の地震が起きている。

もしかしたら、これらの地震はスーパームーンの影響で引き起こされたのかもしれない

 

…というわけで、過去の地震を見る限りスーパームーンだからといって巨大地震が起こるとは限らないということになるだろう。

スーパームーンだからといって巨大地震が起こるとは限らないけど…

スーパームーンと過去の地震を検証してみた結果、巨大地震に限っていえば、必ず発生するとは限らないことがわかった。

ただし、東京大学の研究チームが明らかにしたように、月が近づくことによる引力で地震が誘発されるケースはあるようだ。

スーパームーンの時期には、地震の頻度は上がるだろうし巨大地震のリスクも高まるはず。

 

超特大スーパームーンは、しばらくはやってこないと思う。

だけど普通の「スーパームーン」は、数年に1度はやってくる。

このスーパームーン期間は、念のため大地震に備えておいた方がいいかもしれない。

オススメ記事:満月や新月が大地震の引き金になる!?引力と地震発生メカニズムの関係。

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