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タイタニックの沈没を予言していた奇妙な小説の話

豪華客船のタイタニック号は1912年4月14日の深夜、巨大な氷山に激突して沈没した。

犠牲者は1,500以上となり、20世紀最大の海難事故となった。

 

このタイタニック号沈没事件の14年前。

 

イギリスで一冊の小説が刊行された。

モーガン・ロバートソン著「タイタンの遭難または愚行」だ。

この小説には豪華客船が沈没するという描写があり、「タイタニック号沈没事件を予言しているようじゃないかッ!!」と話題になった。

 

その内容とは…?

タイタン号の遭難の内容とは?

1898年のこと。

豪華客船のタイタン号は、イングランド南部のサウザンプトンからアメリカに向けての処女航海に出発した。

タイタン号は巨大で、絶対に事故など起こり得ないと思われていたのだが…。

 

順調に見えた航海。

しかし大西洋上で巨大な氷山に衝突!!

転倒した巨大な船体。

沈んでいくタイタン号と共に、ほとんどの乗客、乗員が海の藻屑となった。

 

…これが「タイタンの遭難または愚行」でのタイタン号沈没の描写。

事故の状況はタイタニック号事故と酷似しているが、共通点はそれだけじゃない。

どちらもイギリス船籍の豪華客船。

事故が発生したのが4月。

船の大きさや性能、救命ボートの数、乗せていた乗客などもほとんど同じ。

 

はたしてこれは偶然なのか??

 

…実はこの小説、たしかに豪華客船の沈没が描かれているものの、再販のときにタイタニック号の沈没に寄せて加筆修正されているのだとか。

だとしたら、「タイタニック号の沈没を予言した小説」というのは「作られた都市伝説」ってことになる。

 

さらにもうひとつ、タイタニック号の沈没を予言した小説がある。

それはウィリアム・トーマス・ステッド著「旧世界から新世界へ」という短編小説。

驚くべきことに著者のウィリアムは豪華客船の沈没の話を書いておきながら、当然なのか、必然なのか、当のタイタニック号に乗り合わせており沈没で亡くなっているのだ!!

ウイリアム・トーマス・ステッドの予言的小説

ウイリアム・トーマス・ステッドはイギリスの自称霊媒師で、自動書記能力を持っていると豪語していた。

自動書記とは、霊的な存在が伝えたいことを自動的に記述すること。

 

密閉された空間にペンとノートを入れ、外側から念じることでペンが勝手に動き出し、伝えたいことをノートに記す。

トランス状態に陥った能力者が無意識のうちにノートに意味不明の文章を書きつける。

そんな風にして霊的な存在とコンタクトする方法。

 

ウィリアム・トーマス・ステッドもまた、豪華客船が氷山に衝突して沈没するという内容の小説を書いている。

出版されたのは1892年。

タイタニック号が沈没する20年前のことだ。

この小説が自動書記で書かれたものかは不明だが、自分の小説と同じような事故で自分自身が亡くなるとはなんとも皮肉な話だ。

きっと20年前の小説なので、自分で書いておきながら忘れていたのかもしれない。

 

ちなみにウィリアム氏は生前、「自分は撲殺か溺死で死ぬだろう」と予言していたとか。

だったら船乗るなよ!!

…と思うのは私だけではないだろう。

 

ウイリアム・トーマス・ステッドは本当に霊能力を持っていたのか?

当時のイギリスは空前の心霊ブームで、夜な夜な紳士淑女が集まって奇妙な心霊ショーを行っていた。

ひとりでに机やイスが動くとか。

声が聞こえるとか影が動くとか。

そのほとんどが、何らかのトリックによるもの。

同時期には奇術師やマジシャンが、よくイカサマ心霊ショーを行い人を集めていた。

ウイリアムの「自動書記」も何らかのトリックがある心霊ショーに過ぎない可能性が高い。

 

しかしながら、偶然にもタイタニック号に乗り合わせ、沈没と共に死亡したのは紛れもない事実。

なんとも奇妙で不気味な偶然なのではないだろうか?

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