男性、女性、若い人、中年、高齢者…いろんな層の日本人の中で最も孤独感を感じているのは26歳の女性だという。
なぜ、20代の女性は他の世代に比べて孤独なのか?
孤独感を解消するにはどうしたらいいのだろうか!!?
三菱総合研究所の調査結果からわかった26歳女性の孤独の理由や、その解消方法について考えてみよう。
20代の女性は他の世代に比べて孤独な理由
「すべての日本人の中で26歳の女性が最も孤独感を感じている」
この調査結果は、三菱総合研究所の研究者が20~69歳の男女3万人を対象に行ったアンケートをまとめて得られたもの。
私たちはなんとなく「孤独な老後」というイメージを持っているし、高齢になればなるほど家族や友人との死別が増えて人間関係が減るような気がする。
だけど調査の結果はまったくの逆。
若い世代の方が孤独を感じる割合が多く、高齢になればなるほど孤独を感じない人が増えていた。
参照元:[若者]26歳の女性が日本で一番孤独(株式会社三菱総合研究所)
グラフを見ると「とても孤独を感じる」や「孤独を感じる」の項目が、若年層に多く、高齢者になるにつれて少なくなっていくのがわかる。
20代の中でも26歳の女性が最多で、全体の33.9%が孤独を感じていたという。
実に3人に1人が、深い孤独感を抱えている。
その理由として考えられる要因とは何なのだろうか?
まわりで結婚や出産が増える
日本人女性の初婚は、26~27歳くらいに最も多くなる。
つまり26歳くらいになると、まわりの友人・知人の女性で結婚・出産する人が増えるってこと。
「学生時代の同級生の結婚式に呼ばれ、高いご祝儀を払って幸せな新婚カップルを見せつけられる!!」
そんなことも少しずつ増えてくる。
自分には恋人もいないのに…という焦りや孤独。
また、既婚者の友人とライフサイクルが合わずに、会う気機会が減ってしまうこともありえる。
それにたとえ会っても、昔ほど価値観や話が合わず、ますます孤立感を感じるだろう。
結婚しても強い孤独を感じやすい
たとえ結婚、出産した女性でも、孤独感と無縁ではない。
出産後の育児が大変で、しかも夫の理解を得られず、家に閉じこもりっきりで自分がリラックスできる時間がまったくない。
夫も、赤ちゃんも、両親も、友達も、話を聞いてくれず、孤独感を強く感じてしまう。
外で活発に働いている友達には友人や同僚がたくさんいて、遊びに行ったり飲み会があったり…。
だけど自分は毎日家で育児と家事ばかり。
育児ストレスと相まって、より強い孤独を感じることになるだろう。
男女ともに20代で孤独感を抱えている人が多い理由
26歳の女性が孤独を感じやすいのは、ライフコースの転換期に当たるためと思われる。まずは未婚女性。
厚生労働省の人口動態調査によると、日本人女性の初婚年齢は26、27歳が最多である。
つまり、26歳になると結婚、出産する同級生が増え、自分が取り残されているという焦燥感が強まる。
参照元:[若者]26歳の女性が日本で一番孤独(株式会社三菱総合研究所)
三菱総合研究所の研究者は、26歳女性特有のライフサイクルコースの変化が、この年代の孤独の原因だと指摘している。
具体的には、先ほど紹介したような「まわりの友達の結婚」とか「家庭に入った後の孤独」とか。
だけどグラフをみると、20代女性と同じくらい、20代男性も孤独を抱えているのがわかる。
それに「厚生労働省の人口動態調査で日本人女性の初婚年齢が26~27歳が最多」という記述があるが、これは間違い。
平成28年に発表された”人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況”によると、初婚同士のカップルの平均年齢は、男性が30.7歳、女性が29.0歳となっている。(男性が再婚の場合は、女性の初婚年齢はもっと上がる)
女性の初婚平均年齢が26~27歳だったのは平成7年~平成18年の間だけであり、現在は初婚年齢がもっと上がっているのだ。
①女性の初婚年齢は26~27歳が最多ではない
②男性も同じ割合で孤独を感じている
以上の理由から、26歳女性の強い孤独感と結婚(友達の結婚や未婚であること、子育ての孤独など)には何の関係もなく、その原因は20代の男女共に影響を受ける根深いものの可能性がある。
では、若者の孤独感の原因とは何なのだろうか?
それは恐らくネットやSNSにあるのではないだろうか。
孤独感とSNSの利用率には相関関係がある
総務省が平成29年に発表した情報通信白書によると、SNSの利用率は20代が最も多く、60代以降ともなるとほとんど利用者はいなかった。
唯一の例外はFacebookで、Facebookだけは20代よりも30代の方が利用率が高かった。
だけどインスタグラムやTwitterなどの主要なSNSは、すべて20代が最も利用率が高い結果となった。
SNSは利用する時間が長くなればなるほど、孤独感を強めるという研究結果がある。
ペンシルバニア大学の研究によると、フェイスブックやインスタグラム。スナップチャットの利用時間を減らすだけで、うつな気分屋不安、孤独感が大きく軽減することがわかった。
特にうつ病に苦しんでいる人ほど、SNSの利用制限は効果があったという。
SNSを長時間利用するリスク
- うつ病のリスクを上げる
- 人生に不満を感じる
- 他人に対する強い妬みの感情をもつ
- 不安感や孤独感を感じやすくする
- 判断力が弱まる
- 怠惰な性格になる
- 絶望感すら感じる
20代の孤独感、その理由はSNSの使い過ぎになるのではないだろうか?
SNSと孤独感の研究によると、SNSを使う時間を減らすだけで、劇的に孤独感が緩和されるという。
孤独を解消するために、積極的に飲み会に参加する。
孤独を感じている26歳女性も、20代の男性も、まずはSNSを使う時間を減らすことが一番効果的かもしれない。
孤独を解消するためにオススメの記事まとめ
では最後に、孤独を感じている人にオススメの記事をまとめて紹介したい。
「友達はいらない!」そう考える蛭子さんの名著「ひとりぼっちを笑うな」の中に登場する名言をまとめてみた。
ず~っと孤独で、ついには部屋ので独りぼっちで死んでしまう人、そんな人の部屋の壁には○○があります!!
…思い当たる人は注意が必要だ。
孤独が及ぼす”具体的な健康被害”と、それを解消するための”具体的な方法”を紹介した記事。
26歳以降は友人や知人の数が減っていく…。
26歳の女性が最も孤独であるという調査結果と奇妙にリンクした、海外の研究結果を紹介した記事。
これらの記事を読めば「孤独も悪くないかな」と思えるかもしれないし、「孤独感を紛らわすヒント」が得られるかもしれない。
ちなみに私は、中学、高校時代は普通に友達がいたのだけれど、上京して大学に入ったらほとんど友達ができなかった。
「まあ、友達なんてそのうち出来るだろ…」
なんてのんびり考えてたら、大学時代が終わってしまったのだ。
だけど、当時はそれほど強い孤独感を感じなかった。
暇なときは古本屋で100円の本をたくさん買って、それをず~っと読んでたり、ゲームをいっぱいやったり、ある意味で充実した大学生活であった。
本をたくさん読むようになったのも、大学に入って孤独で時間だけはあったから。
ここで得られた「読書の習慣」は、その後の人生でもとても大きなメリットとなっている。
孤独であることも、悪いことばかりではないのだ。
だけど…
私が大学生だった当時はまったくSNSなんかなかったけど、もしSNSがあったと考えると話は変わってくる。
「孤独なんて平気だよ!」
なんて性格の私だけど、SNSをやっていたら孤独に押しつぶされていたかもしれない。
ネットやSNSの使い過ぎは危険だ。
SNSで情報を発信したり、他人の自慢話を読むくらいなら、「赤毛のアン」を読む方が100万倍マシだろう!!