男女の差より、人種の差より、国籍の差より、個人の差の方が大きい
悲しいことに、世の中には差別がたっくさん存在している。
そんな差別の原因のひとつに、認知のゆがみの”一般化”があると思う。
「自己中心的な性格のB型」を何人か知っているだけで「B型は自己中心的」と思ってしまう。
3人連続で暴力を振るう彼氏と付き合った女性が「男はみんな暴力的で自己中心的な動物だ」と思ってしまう。
イスラム過激派のテロのニュースを何件も見ているうちに「イスラム教は危険な宗教だ」と思ってしまう。
日本を批判する韓国人の意見を何回も聞いているうちに「韓国人はみんな日本が嫌いだ」と思ってしまう。
全体のうちの一部分を知り、その少ないサンプルだけで全体を決め付けることを”早すぎる一般化”と呼ぶ。
なぜこんなことが起きるかというと、恐らく考えるのが面倒だからなのだろう。
情報源をさかのぼって検証したり、違う側面からの意見も調べたり…。
みんなめんどくさがりなんだ。
わたしたち人間はひとりひとり、まったく違う個性を持っている。
その個性をいちいち理解し、判断していたら、とんでもなくエネルギーを使ってしまう。
だから一般化を利用して”それ以上考えることを止めている”わけだ。
もし相手について「どんな人なんだろう?どうしてそんなことをしたんだろう?」と理解しようと努めていたら、差別の領域まで到達しないはずだ。
そうしてもし、よく理解したうえで、しっかりと付き合ったうえで相手のことが嫌いになったとしたら…
それは差別ではなく、ただ相手を嫌いになっただけだろう。
思考停止した瞬間に差別が生まれる。
その人の属性ではなく、その人の個性を見ること。
そして考え続けること。
もし自分の中に差別の気持ちが沸きあがったら、そう自問してみよう。
男女の差より、人種の差より、国籍の差より、個人の差の方が遥かに大きいのだから。