死刑、禁固刑、罰金刑、市中引き回しの上打ち首獄門の刑…
世の中にはたくさんの刑罰があるが、その中でもひときわ奇妙なのが「コーヒー毎日飲み続けるの刑」だろう。
18世紀のスウェーデンで実際に行われた恐るべき刑罰だ。
この刑を受けた殺人犯と、その刑を考案したスウェーデン国王の奇妙な運命とは…!?
恐るべき「毎日コーヒーを飲み続けるの刑」とは!!?
恐るべき「毎日コーヒーを飲み続けるの刑」を哀れな囚人に科したのは、1772年に即位したスウェーデンの王グスタフ3世だ。
グスタフ3世のウィキペディアを少しだけ参照しよう。
内政も重視し、拷問の廃止や、言論の自由の法律化や、自由の時代より継続する社会福祉事業なども行った建設王でもあった。一方で失敗した政策は、禁酒法であった。この後スウェーデン最大の内政の課題は、この禁酒法であり、問題への解決は、19世紀以降までかかる事になった。また、コーヒーも禁止し、厳しく取り締まった。
参照元:グスタフ三世(ウィキペディア)
上記はグスタフ3世が即位時に行った内政についての説明文だ。
拷問の廃止、言論の自由、社会福祉事業…とっても素晴らしい王様だったのがわかる。
説明文を読んでみると、グスタフ3世はお酒も厳しく取り締まったけど、コーヒーをも厳しく取り締まったという。
なぜか?
それはグスタフ3世がコーヒーが毒であり、身体に悪いと信じ込んでいたからだ。
グスタフ3世の考案した恐るべき刑罰
彼はコーヒーが身体に悪いと信じていたのだけれど、それを確かめるために人体実験にも似た恐るべき方法をとった。
殺人を犯して捕まった囚人に対して「毎日コーヒーを飲み続けるの刑」を科したのだ!!
しかも頭が良くて理論的なグスタフ3世は、比較のためにもう一人の殺人犯を用意し「毎日紅茶を飲むの刑」をも同時に科した。
2人の犯罪者には、それぞれに監視+体調観察のため専属の医師がついた。そうしてどちらが先に死ぬかを調べるように命じたのだ。
拷問を廃止した聡明な国王であるグスタフ3世は、殺人犯に対して、無慈悲にも身体に悪いとされるコーヒーを毎日無理やり飲ませたのだッ!!
では、コーヒーを毎日飲んだ殺人犯と、紅茶を毎日飲んだ殺人犯、どちらが先に死んだのだろうか?
「コーヒーを飲み続けるの刑」で囚人は死んだのか!?
どちらが先に死んだかというと…
なんと、2人の殺人犯よりも2人の医者の方が先に死んでしまったという。
医者の不養生ということか、或いは殺人犯は若く、医者の方が高齢だったのか…ともあれ医者が死んでも恐ろしい刑罰は続く。
引き続き、毎日コーヒーを飲み続ける殺人犯、そして紅茶を飲み続ける殺人犯。
次に死んだのは…
なんと、2人の殺人犯よりもグスタフ3世本人の方が先に死んでしまったという。
グスタフ3世はコーヒーが有害なのかどうかを確かめる前に暗殺され、他界してしまったのだ!
きっと、とてつもなく無念だったことだろう。
生き残った2人。
次に死ぬのは、絶対にこの2人のうちのどちらかだ。
では、その次に死んだのは…?
なんと、先に亡くなったのは紅茶を毎日飲んでいた死刑囚。だけど死んだのは83歳。
めっちゃ長生きやん!!
結果的に一番長生きだったのはコーヒーを毎日飲んでいた殺人犯ということになった!!
コーヒーでホントに人は死ぬのか!?
最近ではカフェインが大量に入ったエナジードリンクが人気を集めていて、こういったカフェイン飲料を短期間にたくさん飲んだおかげでカフェイン中毒で死亡するという事件も発生している。
ということは、カフェインの入ったコーヒーも飲みすぎれば死ぬってことになるだろう。
カフェイン中毒になると、胃痛・胸痛・吐気・嘔吐・動悸・過呼吸・歩行困難・痙攣などの身体症状が現れ、症状が重篤な場合は死に至ることもある。
では、どれくらいのコーヒーでカフェイン中毒の急性症状が現れるのだろうか?
コーヒー1杯(150ml)のカフェイン含有量だ90mgだとして、個人差はあるものの1時間以内に50杯以上、死に至るなら100杯以上は飲む必要があるといわれている。
グスタフ3世も殺人犯に「1日100杯コーヒーの刑」を処していたのなら、納得のいく結果になっていたのかもしれない…。