ヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質)を知っているだろうか?
このたんぱく質は、読んで字のごとく”熱による刺激”で増えるタンパク質の事。
このヒートショックプロテインには美肌効果や免疫機能を高める効果がある。ヒートショックプロテインの増やし方を紹介しよう。
ヒートショックプロテイン(HSP)の効果とは?
日本には”湯治”という言葉がある。これは温泉に浸かって病や怪我を治す治療法だ。
湯治は体が温まって血流が良くなる事や、その温泉固有の泉質によって身体に良い影響があると考えられてきた。しかし最新の研究では、それらの効果に加えて、熱によって発現する特殊なたんぱく質である「ヒートショックプロテイン」が、湯治の治癒パワーに大きくかかわっていると言われている。
ヒートショックプロテインは温泉に入るなどの”熱刺激”で体内に増えるタンパク質だが、実はそれ以外のもいろんなストレス環境で発生する。加圧トレーニングなどで身体に圧力がかかった時もHSPは発生するし、精神的なストレスでも発生することがわかっている。HSPはいろんなストレスに対応する為に増えるのだ。
その効果を一覧にしてみた。
- ストレスに強くなる
- 免疫力が上がり感染症を防ぎ、風邪を引きにくくする。
- 運動による筋肉疲労を軽減させる
- 肌の細胞を補修し、美肌効果がある
まさに何にでも効く、総合的な抗ストレス・パワーを持っていると言っていいだろう。温泉に浸かってのんびりと身体を温めていると、体内のヒートショックプロテインが増加!それによって内臓疾患も刀傷もストレスも吹き飛んでしまうわけだ。
日常生活の中で安全に、快適にヒートショックプロテインの発現を促すにはお風呂が最適。では、HSPを増やす最適の入浴法とはどんなものなのだろうか?
ヒートショックプロテイン(HSP)を増やすために最適な入浴時間
ヒートショックプロテインを発現させるには、ある程度の温度と時間が必要になる。ぬるめのお湯でまったりと長時間入浴しても、HSPは発生しない。また、42度の熱めのお湯に入っても、烏の行水のようにすぐに出てしまったら同様にHSPは発生しない。
それぞれの温度と最適な入浴時間を紹介しよう。
お湯の温度が40度の場合は入浴時間20分。
41度の場合は入浴時間15分。
42度の場合は入浴時間10分。
(この入浴時間はあくまでも目安なので、熱いのに我慢して無理をするのは止めよう)
HSPが発生するには体温を38度に上げる必要がある為、39度以下のぬるめのお湯では意味がない。また、43度以上の江戸っ子が好きな熱いお湯になると、その熱さで逆に細胞を傷つけてしまうのでお勧めしない。熱いお風呂に無理に我慢して入ると、身体に負荷がかかり過ぎてしまって健康に逆効果だ。
また、入浴剤を使う事で、ヒートショックプロテイン発生までの時間を短縮できる。おすすめの入浴剤は炭酸が発生するものだ。
熱いお湯に入る回数は4日に1度で十分。熱めのお風呂に入浴後、約二日でHSPの発生がピークに達すると言われている。4日に一度の入浴で、最も効率的にHSPが発生するだろう。毎日入ってしまうと、熱に身体が慣れてしまってHSPが減ってしまうので注意しよう。
ヒートショックプロテインで健康になる!まとめ
ヒートショックプロテインは免疫力を高め、ストレス耐性を上げる。様々な病気や怪我を癒し、疲れも軽減させる。
①入浴の温度と時間の目安は「40度→20分」「41度→15分」「42度→10分」
②入浴の回数は4日に1度。それ以外の日は普通に入浴する
③入浴剤を使うのも効果的
実はこれらの条件をごく自然に満たすのが「温泉」なのだ。
健康診断しても医者に診てもらっても、特に何の異常もない。だけど、なんとなく体調不良…。
そんな時は、細胞を補修しストレス耐性を上げ免疫力を上げるヒートショックプロテインを増やすのが一番!!そしてそれには、温泉でゆっくりするのが一番かもしれない。家事から解放され、うまい飯を食い、熱めの温泉に入ってだらだらと過ごす…。もちろん、炭酸入浴剤を入れたお風呂も良いけれど、温泉に行けば細胞的にも精神的にもリフレッシュ出来るだろう。